各ジャンルのトップピースを所有するヴィンテージコレクター。
日本有数のヴィンテージコレクターである小島隆弘さんは、高校生の時にヴィンテージブームの洗礼を受け、古着に興味を持つ。上京後はしばらく古着から離れた時期もあったが、30代となり、SPRUCEのスヌーピーのスウェットを買ったことをきっかけに再燃。デニムからスウェットまでを守備範囲としているが、各ジャンルでトップピースを所有している敏腕コレクターだ。
今回のコレクションは、ヴィンテージ店の入荷日前日に徹夜で並んだものから、コレクター同士のトレードなど、ありとあらゆる方法で手に入れたスペシャルピースとなっている。そんな特別なコレクションから厳選の8点を紹介する。
1.1920s LEVI’S 201
XXデニムの廉価版であるNo.2デニムを使ったジャケット。品番は213でその現存数はかなり少なく、さらに1920年代は小ボタンとなれば、両手で数えられるレベルである。
2.1920s LEVI’S 506XX
古着市場では滅多に出てこなくなった20年代の小ボタン506XXは、襟が小振りで、フラップの形状も後年と比べると違う。小島氏は他のジャケットも42~44のサイズで統一。
3.1901 LEVI’S 201
廉価版であるNo.2デニムは、リベットでの補強に関する特許が切れる1890年にリリース。これはバックポケットが2つ付く仕様となった1901年モデルのスペシャルな1本。
4.1950s LEVI’S Short-Horn Denim Western Shirt
LEVI’Sのウエスタンウエアシリーズからリリースされていたショートホーンタグのウエスタンシャツ。人気の高いダイアゴナルポケットで、抜群の状態。7~8年前に購入した。
5.1920s Lee Union-Alls
1910年代前半にリリースされ、Leeの看板ワークウエアのひとつとなったユニオンオール。末尾が7となるエクスプレスストライプ。’20年代よりフロントのボタンが比翼仕様になる。
6.1920s Lee 91-J
ミュージアムクラスのスペシャルヴィンテージであるチンストラップ付きの91-Jも所有している。チンストラップ付きの仕様は、極めて生産時期が短く、1920年代末頃のもの。
7.1940s Lee 98-V
’50年代以降も定番としてリリースされていたショート丈のエンジニアジャケット。このヒッコリーストライプの場合は末尾が「8」となる。表にタグが付かないので’40年代と推測できる。
8.1930s Lee 812
トレードマーク表記が外れた1930年代のハウスマークが付いたワークシャツは、ミントコンディション。滅多に出てこないブラウンシャンブレーで、猫目のベークライトボタン。
(出典/「CLUTCH2023年2月号 Vol.89」)
Photo by Kazuya Hayahsi 林和也 Text by Shuhei Sato 佐藤周平
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