機能美という家具選び。vol.30「Salon Waiting Leather Sofa」

とかくファニチャーといえば、デザイナーやそのデザインセンスによって名作と呼ばれることがあるが、そんなファニチャーの歴史の裏側には、その対極にある機能美あふれるファニチャーも存在する。見た目こそ派手ではないが、そんな質実剛健なヴィンテージファニチャーにスポットを当ててみる。

Salon Waiting Leather Sofa

サロンなどの待合室用にデザインされたインダストリアルなチェア。低めに設定された座面はラウンジソファとしても活用できる。時代感のある厚めの座面の張り地にはレザーがぜいたくに使われている。¥127,000_

ヴィンテージのファニチャーにも、かつてのデザイナーが作り上げた歴史的な名作もあれば、機能美に特化することで、必然的に生まれながらも、歴史に名を残すことなく、後世に名作と呼ばれるファニチャーも存在するのが奥深いところ。かつての公共の場所やファクトリー、それに病院といった施設で何気なく使われていたファニチャーが、現代になって再認識されることも珍しくない。

今回紹介するのは1970年代に欧州で使われていたシングルタイプのレザーソファ。これはサロンなどの待合室用にデザインされたモノで、肉厚なレザー張りの座面ながら、Rを描くメタルフレームによって、そこまで大きな存在感にならない秀逸なデザイン。重厚感としなやかさが同居する。

【DATA】
Bob’s box
東京都渋谷区神宮前2-18-7 外苑ビルB1/2F
Tel.03-6804-5452
営業/12:00~20:00
休み/無休(年末年始を除く)

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2023年2月号 Vol.89」)

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