大戦時には完成されていたウールアウターの元祖。
トグルと呼ばれる特有のボタンが付けられるダッフルコート。まるでブランケットを身体に巻き付けているようなあのコートは英国を象徴するウールアウターでもある。
そもそもダッフルとは、ベルギー北部に位置するアントウェルペン州に位置する小さな街、デュフェル(Duffel)に由来するという。旧くからこの街は毛織物を産業としており、厳冬期のアウターにほどよいヘビーなウール生地を作っていたとされる。
象徴的なトグルボタンは手袋を装着したままでも容易に着脱できるよう考えられた伝統的なディテール。もしかしたらこの街では、ダッフルコートの前身となったアウターが存在していたのかもしれないと思うとワクワクするものだ。
初めてダッフルコートが陽の目を見たのは、第二次世界大戦中。英国海軍によって制式採用され、その後、世界的に広まっていく。ヴィンテージダッフルコートのなかでも、初期型とされているのはフロントのトグルボタンが3本のタイプ。象徴的な大きめのフードは、帽子などのヘッドウエアを装着していてもすっぽりと被れるように。またフードには調節可能なスナップボタンが装備され、潮風に吹かれても裾がバタつかないようストラップが装備された。
CLUTCHが注目するダッフルコート6選。
1.ALLEVOL
1940年代のロイヤルネイビーで使われていたダッフルコートをベースにLondon Traditionとダブルネームで制作。肉厚な生地は英国の大手生地メーカー、MOON社を採用。¥69,300(JELADO Tel.03-3464-0557)
2.BBR
2022年秋冬に日本限定ラインとしてデビューしたニットダッフルブランド。身頃はダウンで軽量化しヨークやポケットのニットデザインが目を惹く。¥159,500(AVALON Tel.03-6434-7333)
3.DOWLUCK×BROWN’S BEACH JACKET
トグル4本にボックスタイプのシルエットが特徴のビーチクロスダッフルコート。超ロングレングスであるため、保温性も高くまるでブランケットを着用しているかのよう。価格未定(琵琶湖平安樓 Tel.077-594-1901)
4.BUZZ RICKSON’S
英国海軍に採用された第二次世界大戦時、ダッフルコートの初期型の特徴であるフロントのトグルが3本仕様で、フードには調節可能のスナップボタンを装備している。¥63,800(BUZZ RICKSON’S Tel.03-3632-2321)
5.Gloverall
旧くからダッフルコートを生産し、本国でも名門として知られるベーシックな1着。フロントトグルはバッファローホーンを採用し、レザー製のロープがアクセント。¥90,200(un passo AVANTI Tel. 025-282-1969)
6.Dry Bones
ラウンドの襟が特徴のショートダッフルコート。赤のボディにバランス良く配置されたフロントのトグルボタンが映える。¥30,470(Dry Bones Tokyo Tel.03-5458-5688)
※情報は取材当時のものです。
(出典/「CLUTCH2023年2月号 Vol.89」)
Photo by Masahiro Nagata 永田雅裕Text by Tamaki Itakura 板倉環 Styling by Yuzo Nakamura 中村祐三 Model by YUTO
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