【業界人の愛用品】プリミティブで、モダンなムードに心惹かれる。|OLD JOE/髙木雄介さん

愛用しているからこそ長く付き合ってきたプロダクツ。アーリーセンチュリーのアメリカンクロージングを現代のファッションに取り入れたOLD JOEのデザイナー、高木さんにも、そんな愛用品がいくつかある。その一部を理由とともに紹介する。

ミニマルだけど個性のあるユニークな表情に。

フリーのパタンナーとして活動した後に、盟友NUTS ART WORKSの比内氏とともにもOLD JOEを立ち上げる。服だけでなく、カルチャーや工芸品にも精通

いち早くアーリーセンチュリーのアメリカンクロージングを、現代に再構築するスタイルを完成させたOLD JOE。デザイナーの髙木氏は、ブリティッシュスタイルやフレンチのミッドセンチュリーモダンから日本の伝統工芸まで幅広く見識を広げ、その追求心には舌を巻く。

「洋服に関しては、今の自分自身の視点で得たインスピレーションを反映し、納得できるクオリティで仕上げたクロージングを着ていきたいという気持ちが強いですね。またヴィンテージに関しての好みも、歳を重ねるにつれ変わりました。以前は希少性に重きを置いていました。今はバックボーンも大事ですが、見た時の説得力や、ユニークさを重視していますね。エイジングされたマテリアルなんかは感動すら覚えます。そのプロダクツがどのように使われていたかを想像するだけで心踊ってしまいますね」

今回の取材で伺った新しいアトリエは、実にミニマル。和の工芸品、フレンチミッドセンチュリー、アンティークファニチャーが一堂に会し、他にはないモダンな世界観が表現されていた。OLD JOEのプロダクツにも通ずる美学を感じる。

「このアトリエには、手仕事の良さを感じるプリミティブで熟成されたもの達が自然と集まっています。うちのプロダクツも、ミニマルでも手仕事の良さを感じられる縫製や独自性の感じられる素材感を何よりも大事にして製作していますね」

「OLD JOE」髙木雄介さんの愛用品。

1.COAT/OLD JOE

シグネチャーピースのダスターコート。ウエストベルト付きのベーシックなスタイルだが、質の良さを随所に感じる。「仕上げに軽めの味出し加工を施したスプリングコート。コットンリネンのハイカウントウェザークロスを用いています。ゴージラインと上衿の角度を下げることで、上衿がそのままチンストラップの役割を果たすという’20年代にあった意匠を駆使しました」

2.JACKET/OLD JOE

初期から作り続けているスーツは、年々アップデートを重ねている。このジャケットは、セットアップとしても着用可能な新作。「シルクリネンを使ったオリジナルのサマーツイード。’30年代の避暑地を彷彿させるスポーティングブレザーです」

3.DENIM/Unknown

’20年代のデニムカバーオールは、アメリカもの。タグがないためブランド名は不明。「これまでに珍しいデザインはいろいろと買ってきたので、近年はどこか力の抜けたデザインでエイジングを重視してセレクト。このカバーオールは、正に理想的で、ワークウエアだからこそのリペア痕と色落ちになっていますね」

4.SHOES/A.G.SPALDING

米国を代表するスポーツメーカーのヴィンテージ。‘10sのものだと推測。「まだスニーカーが生まれる前の時代のトレーニング用シューズ。作りは革靴ですが、シルエットや縫製仕様、仕上げ処理など、アルチザンの手仕事であり、アーカイブプロダクツとして最高峰ではないでしょうか」

5.WATCH/Patek Philippe

スペシャルなアンティークRolexを持つ髙木氏が次なる一手として手にしたのがノーチラス3800。近年は凄まじい値上がり。「ジェラルド・ジェンタによってデザインされた名作ですね。ハードなヴィンテージやカジュアルなスタイルに程よくリッチなバランスを取ってくれる大人のための趣向品」

最近買ったもの、ハマっているもの

プリミティブや侘び寂びを感じさせてくれる日本を代表する陶芸家である辻村史朗さんの作品。海外からも高く評価されており、メトロポリタン美術館などにもその作品が所蔵されているのだ。

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

遊びをぎっしり詰め込んだ“俺ジーンズ”を作ってみた。

  • 2026.07.29

児島に本社と工房を置くベティスミスでは、その人に合ったジーンズをフルオーダーで作ることができる。そこで編集部スタッフが現地へ赴き、わがまま言い放題の“俺だけのジーンズ”をオーダー。その様子と完成品をレポートする。 編集・ジョージ(右)|編集部イチのジーンズ偏愛者といっても過言ではない。とんでもないジ...

Pick Up おすすめ記事

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

遊びをぎっしり詰め込んだ“俺ジーンズ”を作ってみた。

  • 2026.07.29

児島に本社と工房を置くベティスミスでは、その人に合ったジーンズをフルオーダーで作ることができる。そこで編集部スタッフが現地へ赴き、わがまま言い放題の“俺だけのジーンズ”をオーダー。その様子と完成品をレポートする。 編集・ジョージ(右)|編集部イチのジーンズ偏愛者といっても過言ではない。とんでもないジ...

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。