「NOW OR NEVER」オーナー・出口氏に聞く、クラフトマンシップが宿るアーリーセンチュリーのもの作りの魅力。

戦前のアメリカンヴィンテージの魅力はクラフトマンシップにある。各メーカーは限られた素材や生産背景の中で、他社と差別化するために生産効率化を無視し、機能美を追い求め、様々な創意工夫を重ねていた。

「NOW OR NEVER」Owner・Deguchi Shoichiさん

1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。10代の時に先輩の影響で50sカルチャーに魅了され、ヴィンテージの世界へ。フリーバイヤーを経て、2000年にショップをオープンした。

手間暇を惜しまない旧きよきアメリカがある。

アーリーセンチュリーのスーパーヴィンテージから’90sのレギュラーまで揃える名店NOW OR NEVER。オーナーの出口氏は、戦前のワークウエアのコレクターでもあり、豊富な知識を持っている。その頃のアメリカンクロージングの魅力とは?

「戦後の大量生産に比べると作り込みのレベルが圧倒的に違います。もちろんマスプロダクションの魅力もありますが、同じワークウエアでも戦前のものとは別物だと思いますね。当時は化繊もありませんし、アナログ素材のみ。それに加えてミシンなどの設備も大差がありませんから、生産効率よりも手間暇が掛かってもいいから機能的なディテールで他社との差別化を図っていたと感じます。またアーリーセンチュリーに遡るほどに、テーラードとワークウエアの垣根がなくなってくるので、’10年代と’30年代で違った印象を受けるのもおもしろいところだと思いますよ。これだけの数を見てもまだ未見のヴィンテージが出てくるのがもっとも惹かれる点かもしれません」

戦前のクラフトマンシップ感じるアイテムを厳選紹介!

THREE-PIECE SUIT|UNKNOWN

薄手のチェック生地を使った3ピースのスーツは、’30sのアイテム。「背面がスポーツジャケットのような意匠なのがおもしろい。ダブルブレストでピークドラペル」¥199,000_

SACK COAT&VEST|UNKNOWN

コットンのチェック生地を使ったサックコートとベストのセットは、1910年代と推測。「フロントボタンがひとつのみの仕様がサックコートの象徴的なデザイン」¥199,000_

ALL IN ONE|UNION LEADER

風合いのある杢デニムを使ったオールインワンは、ボタンの刻印からブランド名を判別。「チンストラップ付きで、フロントの左右非対称なポケットも特徴的です」私物

OVERALL|CARHARTT

タグのデザインから’30年代のヴィンテージだと推測できる。「通称エクスプレスストライプと呼ばれる太めのパターンで、ダブルニーでエプロンが付いています」私物

SCHOOL KNIT|UNKNOWN

この手のショールカラーニットはよくあるが、セーラーカラーというスペシャルピース。「ペンシルバニア大学の頭文字とスクールカラーなのでカレッジものだとわかる」私物

BANDANA|UNKNOWN

メーカーは不明だが、テディベアの由来となったセオドア・ルーズベルトのアドバタイジング。「ターキーレッドと呼ばれるカラーで1912のコピーライト入りです」¥19,900_

【DATA】
NOW OR NEVER
4-24-2 2F Koenji Minami,Suginamiku,Tokyo
Tel.03-3317-7707
営業/13:00~19:00

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「CLUTCH2022年6月号 Vol.85」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...