ちょっとした工夫で印象を変えるリメイクしてみる、ふるぎの新しい楽しみ方【ふるぎ道第5回】

古着好きならば、究極の一点物であるリメイクに興味を持つ人も多いのでは。お気に入りの古着をより魅力的にするにはどうすればいいのか、悩みは尽きない。そこで、三軒茶屋にあるヴィンテージ専門のリペアショップ「ヴィジティングオールド」の代表・岩城リョージさんにリメイクのコツを教えてもらうこちらの連載。第5回は2nd編集長・上田がどうしてもリメイクしてもらいたい私物を緊急持ち込み!

岩城リョージ|三軒茶屋の古着専門お直し屋「ヴィジティングオールド」の代表。現在アシスタントを募集中。古着の直しを本気で学びたい人求む

いまの気分じゃない服をちょっとした工夫で印象を変えるリメイクがモットーなり。

5分丈にしたシャツのイメージは「アメリカ人が肘の上まで腕まくりしたシャツ」。元々の長袖を捲るのも良いですが、アメリカ企画のシャツは袖が長めでダボついてしまう。5分丈にすれば2回まくれば理想の形に。ダボ付きも抑えられる

上田 第1回目以来の対談だね。今まで5回やってみてどう?

岩城さん かなり良い、こだわったリメイクができています。でもその代わりにセカンド読者を置いてけぼりにしている気がしています(笑)

2nd編集長・上田和輝|新品、古着問わず買い漁る生粋の服好き。最近は「ラッセル」のハーフジップスウェットが気になる。連載を見ていて、どうしてもリメイクして欲しいアイテムがあり急遽出演

上田 たしかに、見ていて難しそうなものも出てくるよね。僕が今回、どうしても岩城くんに作って欲しかったのが5分袖のシャツだったんだけど、難しかった?

岩城さん 作り始めは、誰でもできるかも、なんて思って作り始めたんですけど、外したカフスを5分丈の位置に付け替えた時に、腕の太さ問題に直面して、そこだけが難易度高めでした。

上田 でもそれ以外は、セカンド読者でも挑戦できる?

岩城さん そうですね! でも、カフスの付け替えにも挑戦してみて欲しいですね。

長袖シャツとレイヤードを楽しむ

上田 実は、この5分丈シャツには裏話があってさ、オーダーシャツのお店に同じ形でお願いしたことがあって、代金まで払った後に、やっぱりできないって言われたことがあってさ、どうしても諦められなかったシャツなんだよ。

岩城さん そうだったんですか? でも確かに、単純そうで、意外と難しかったです。

上田 でも、出来上がりはめちゃくちゃいいね。シャツ生地を利用したジャケットのチンストとくるみボタンもすごく可愛いし、いい感じだね。

岩城さん 細かいですが、チンストのボタンをウエスタンっぽくしたの、こだわりです。

上田 岩城くんらしいね!

岩城さん でも、今回はアイテム自体もすごくよくて、素材を活かしつつ、バランスよく仕上げられたと思います。

上田 今回は僕の無念を晴らしてくれてありがとう!

岩城さん 僕のできる範囲なら、お任せください。

【今回リメイクするアイテム】

今回、リメイクに使用したのは60年代頃の「JCペニー」のジャケットと「ブルックスブラザーズ」のシャツ。状態も良く、まだまだ着られるアイテムですが、ちょっと気分ではなくなってしまい、思い切ってリメイクへ。

【完成したシャツ&ジャケット】

長袖シャツを5分丈に、切った生地を使ってジャケットにチンスト、くるみボタンに付け替え。旧いジャケットは着丈が長く、少し着づらいなんて意見もありますが、襟を立ててチンスト留めをしてハーフコートのように。

【HOW TO リメイク】

シャツのカフスを外し、袖を好みの長さに切っていく(縫い代などが必要なので数センチ長めに切っておく)。

その後その切った生地を使ってジャケットにつけるチンストラップとくるみボタンを作っていく。ジャケットは肩パッドを外し、ナチュラルに。

(背抜きの場合は裏返して糸を切る)シャツは5分丈の位置にカフスを付け(腕の太さに合わせカフスの延長が必要)、ジャケットにチンストとくるみボタンをつけて完成。

長袖シャツを5分丈にした際に切った袖の生地を再利用することで、重ね着の時も、色を拾うことから相性も良くなる。大人が敬遠しがちな半袖シャツだが、5分丈なら腕まくり風で着やすい。

(出典/「2nd 2024年5月号 Vol.204」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。