エネルギーに溢れる鯖江に誕生した新旗艦
ほとんどのメガネが分業制で作られているなか、自社工場を持つことは、コスト面や仕上がりにおいて大きなメリットである。特に「ジュリアスタートオプティカル」を手がける「ザ・ライト」は自社工場を2つ所有している。ひとつは金型やサンプルを作る第一工場。そして、幼稚園を改装し2022年から始動した、磨きや仕上げを行う、第二工場だ。
「ザ・ライト」ブランドの人気の高さゆえか、職人志望の若者が入社を熱望するケースも増えているという。代表のタミー・オガラ氏の采配による、工場にしてはスタイリッシュな内観や、アットホームな雰囲気に、鯖江におけるメガネづくりの新たな一面を垣間見た。
特筆すべき独自の工程「スパイラルガラ」
「ザ・ライト」が最も得意とする工程が「磨き」である。メガネというのは、生地から型を削り出した段階ではまだ角張っている状態だが、ガラと呼ばれる研磨用チップの入ったバレルに入れて回転させることで、一気に丸みを帯びる。
これを「ガラ入れ」と呼ぶが、通常は縦に回転するバレルのみを使用するところ、「ザ・ライト」では縦回転に加えて、斜めに回転するバレル、通称「スパイラルガラ」という工程がプラスされる。これに人の手による入念な磨きも加わり、より滑らかで美しい仕上がりが得られる。
「ジュリアスタートオプティカル」の[AR]の最新色ブラックシャドウに注目
60年代製造の[AR]に存在した、誤った向きで生地をカットしてしまった個体から着想を得た、独特なグラデーションの1本。4万5100円(プライベート アイズ アンド トラッカーズTEL070-1577-2666)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2024年4月号 Vol.203」)
Photo/Ryota Yukitake Styling/Shogo Yoshimura Hair&Make/Miho Emori Text/Shuhei Takano
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