アウトドアに革命を起こした3大名品を知っているか? 「オールパーパス」は通好みの万能型

  • 2024.01.10

「エディー・バウアー」は1920年にアメリカ・シアトルで創業したアウトドアブランド。ここ数年、日本からは撤退していた比類なきヘリテージブランドがアイコンモデルを引っ提げて再上陸を果たした。ウール全盛の時代に軽くて暖かいグースダウンを封入したアメリカ初のアウトフィッターの発明は実にセンセーショナル。さらに、そこから端を発した偉大なブランドヒストリーは1世紀を超えても止まることはなく、3大名品の1つである「オールパーパス」を探っていこう。

1945年、あらゆる場面に対応する通好みの万能型「オールパーパス」誕生

スカイライナーやユーコンと並んでブランド最初期からカタログに掲載されている、1945年リリースの[オールパーパス]。キルティングダウンで一躍有名になったバウアーダウンのなかで、表地にステッチのないシンプルなデザインやラグランスリーブは極めて珍しい。しかし、だからこそ時代に囚われないエバーグリーンな魅力を備えているとも言えよう。実際に、こうして現代にもリプロダクトがされているのだ。

オールパーパスは、その名の通り、あらゆる天候や場面に対応するダウンジャケットとして開発された。それを物語るのが当時のカタログだ。着用イメージを訴求するイラストを見ると、1940年代は悪天候のなか電線工事をしている男性の姿が描かれているが、一転、60年代になると優雅にパイプをくわえたイラストに着用イメージが差し替えられているのが興味深い。

リリース年のカタログより。ユーティリティ性を謳っているが、着用イメージは悪天候での電線修理とかなりハードだ

また、説明文の冒頭には「本当のJack of all trades(=様々な雑事やちょっとした仕事が得意な人)」と記されている。当初はリブ襟と大きめのテーラードカラーで仕様を選ぶことが可能。ポケットの仕様は、フラップ付き(1954年まで)、ジップ付き(1960年まで)、それ以降はポケット口がリブニットに変遷することが推察できる。

現行オールパーパスをチェック!

ボディと袖には良質な700フィルパワーダウンがぎっしりと封入されている。キルティングステッチのないシンプルなデザインは、スタイルやシーンを選ばないオールラウンダー。ヴィンテージライクなコットンナイロンの表地とニットリブのコンビネーションに、タロン社製のゴールドジッパーがよく映える。3万8500円(水甚TEL058-279-3045)

KHAKI
NAVY

ヴィンテージも気になる! 1970年代に入りカラーバリエーションが豊富に

60年代までのベージュやグリーンに加え、70年代に入ると様々なカラーが登場する。

あまり見かけることのない80sの希少なブラック。5万8080円

ダックハンターカモフラージュ柄のプリント。2万7390円

オリーブカラー。ポケット口に金ロゴのピスネームが付く。5万4780円(すべてバックストリートTEL042-720-0355)

コーデュロイタイプも登場する(参考商品)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2024年2月・3月合併号 Vol.202」)

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