この夏、いちばん熱いメガネ。人気眼鏡店でイチ押しを聞いてきました!

マスク生活から解放され、かける楽しみが一段と広がったこの夏のアイウエアスタイル。さっぱりしがちな夏の着こなしのアクセントに、実力店のお墨付きアイテムをピックアップしてもらった。4店のいま一番熱いメガネはこれだ。

1.今まで以上に、一歩踏み込んだチョイスを。|コンティニュエ(恵比寿)

店長・志岐俊典さん

シーンで最重要のキーワード、クラシックを体現するオリバー ゴールドスミスやマックスピティオン。一方で革新的なデザインで魅了するマサヒロマルヤマ。さまざまな匠とモノ作りを行うオリジナルと、コンティニュエにはメガネ好きのあらゆる期待に応えるラインナップが揃う。

店長の志岐さんは「今年はお客様が解放的に楽しそうに選ばれている」と話す。

「そんな気分もあってか、ベーシックよりも存在感あるモデルが人気。ブランドもそうしたデザインを意識してると思う。ノーマスクでメガネも映えるので、一歩踏み込んだ選択がおすすめです」

いち押しはマックスピティオンの[ポリティシャン]。「極太セル&多角形とトレンド感と存在感を備えてる。キレイめカジュアルやオリーブ系など硬派な色とも相性がいいです」

「コンティニュエ」のお墨付きメガネ。

MAX PITTION(写真上)

今春最大のトピックとなったマックスピティオン。[ポリティシャン]は40年代後半に登場した同社のアイコン。存在感ある厚いアセテートと立体的なカッティングが魅力的で現在のトレンドを牽引する存在。6万8200円

ARCH OPTICAL(写真上中)

フレンチヴィンテージ調のクラウンパントと、スクエアのラインを組み合わせたシェイプ。さらにリムは濃色から淡色へのグラデーション仕上げで、アンダーリムを強調した鮮度あるネイビーフレームに。3万9600円

TJ/Continuer(写真下中)

ほぼすべての工程を一人でハンドメイドするメガネ職人、土屋 潤氏が手掛けたコンティニュエとの共作。すっきりとしたクリアフレームは土屋氏ならではの磨きによる艶が美しく、肌触りのよさも格別だ。5万600円

MASAHIROMARUYAMA(写真下)

独創性あふれる左右非対称のツーブリッジデザイン。さらにフレームは艶のある黒アセテート、マットな黒メタル、つなぎ目にゴールドのパーツを使用。作りも一級品で、エッジィだが顔馴染みがいい。6万3800円

【DATA】
コンティニュエ
東京都渋谷区恵比寿南2-9-2 カルム恵比寿1F
TEL03-3792-8978
営業/12:00~20:00
休み/水曜
www.continuer.jp/

2.「こうなりたい」が叶う、旬のメガネが豊富に揃う。|グローブスペックス(渋谷)

左からスタッフ・秋山美紅さん、スタッフ・高久陽介さん

1階はアーレム、アン・バレンタインなど世界中から集められた高品質で楽しいメガネ。3階はゲルノット・リンドナー、レスカ・ルネティエら本物志向のフレーム、レアなヴィンテージを扱い、国内外にファンを持つグローブスペックス。

より自由にアイウエアを楽しめる新作モデルが豊富に登場した今季。女性らしいデザインとされてきたキャットアイにも今季はメンズでもかけられるモデルが登場するなど、性別やステートメントを気にせずに自由な解釈で掛けたいものを選ぶことで、より自分らしく、新たな価値観をメガネを通して見つけることができる。

トラッドなスタイルにも相性がいいアーレムのキャットアイ。「シャープで目元を強く見せるキャットアイは、BDシャツやチノ、ローファーにも合います。女性にもオススメですよ」
ゲルノット・リンドナーのボストンはツーブリッジが印象的。「シンプルに見えてありそうでないデザイン。シルバーフレームなので、シルバーアクセやワークアイテムとも相性よし」

「グローブスペックス」のお墨付きメガネ。

AHLEM(写真上)

女性的なイメージがあるキャットアイだが、直線的なカッティングでダンディな風貌に。リム上部はシャイニー、下部とテンプルをマットに仕上げ、光のあたる角度で印象が変わり、表情豊かに見える。6万3800円

Lesca LUNETIER(写真上中)

1970年代に生産されていたブランド、セレクタのモデル[ロッキー]がモチーフとなる。肉厚な横長シェイプでサイドが少し吊り上がった特徴的なフォルム。柔らかくも武骨なヴィンテージ感が漂う。4万6200円

O.J. GLOBE SPECS OPTICAL Co.(写真下中)

19世紀の旧いアンティークにあった馬蹄型のレンズシェイプ。実際には智部分がまっすぐで鼻元が丸いレンズデザインをあえて反転させることで、現代風に落とし込んだ新たなアイウエアデザインが誕生。4万1800円

GERNOT LINDNER(写真下)

小ぶりなレンズシェイプに太さの異なるツーブリッジの組み合わせはクラシカルな雰囲気ながらもこれまでにないデザイン。シルバー925を使ったフレームは経年変化が進み、ふたつとない風合いへと育つ。11万9900円

【DATA】
グローブスペックス
渋谷区神南1-7-5 アンドスビル1F,3F
TEL03-5459-8377
営業/12:00~19:00
休み/無休
www.globespecs.co.jp/

3.今また新鮮に映る、トラディショナルなブロウタイプに注目。|ジービーガファス(原宿)

左から店長・長谷川永伍さん、スタッフ・徳永真耶さん

今季のオススメは断然コレ! と言わんばかりに注目作すべてをブロウタイプで揃えたジービーガファス。

「リム上部の眉にかかる部分にボリュームのあるデザインを施すブロウタイプは、元来、アメリカの政治家や金融マンなど目元に威厳を付与するため、ビジネスシーンで重宝されたもの。ですが、今日ではクラシック回帰の新機軸として、徐々に女性からの人気も集め始めています。

特に今季は多数ブランドからブロウタイプの新作が登場したのも興味深い。基本型は変わらずとも細かなディテールの違いで自分好みの一本を選んでいただきたいです」

自身も無類のブロウ好きである長谷川店長は太い下リムのメタルパーツが主張するイエローズ プラスの新作をチョイス。今までにないデザインで往年のブロウ好きも新鮮に楽しめる
ハワイアンシャツにデニムパンツでラフなド直球のアメカジスタイルが女性だからこそ映える。そんな装いに合わせるメガネは50年代にアメリカで流行したこのデザインがベストマッチ

「ジービーガファス」のお墨付きメガネ。

H-fusion(写真上)

日本人の顔型に合わせてバランスを整えたスタンダードなブロウデザインながら、プラスチックパーツをオリーブカラーにすることで、洒落たひと捻りを加えている。ミリタリーアイテムとも相性良し。4万1800円

YELLOWS PLUS(写真上中)

旬なフレンチ由来のクラウンパントデザインと見事に融合した人気ジャパンブランドの新作。各パーツのボリューム感を出すことで、柔らかい印象になりすぎないブロウタイプの力強さも残す妙は流石。5万6100円

YUICHI TOYAMA(写真下中)

リムの両端がやや吊り上がったようなキャットアイスタイル、柔らかな丸みとメタルブリッジのシャープさのバランスで独自のデザインを構築した注目の日本人デザイナーズブランドによる新作ブロウ。5万2800円

JULIUS TART OPTICAL(写真下)

4作の中で唯一のフルセルタイプ。定番人気を誇るボストンウェリントン型[AR]のリム上部にカラーコントラストを施すことでブロウのようなデザインに。ゴールドリベットに変更した特別仕様。4万9500円

【DATA】
ジービーガファス
東京都渋谷区神宮前6-18-2 グランドマンション原宿1F
TEL03-6427-6989
営業/11:00〜20:00
休み/無休
https://gbgafas-co.jp/

4.さらなるクラシック志向が夏の装いに深みをもたらす。|アイヴァン 東京ギャラリー(表参道)

右からスタッフ・石井悠稀さん、スタッフ・小山さくらさん

人気ブランドやセレクトショップが軒を連ねる、南青山・骨董通りに2021年に旗艦店をオープンさせた「アイヴァン」。2018年のリブランディング以降も、「着るメガネ」をコンセプトに掲げたファッションアイウエアの草分けとして幅広い世代から愛されている。

「新作はさらなるクラシック志向が目立ちます。着想源となるヴィンテージから過度な修正は加えず、素材のアップデートなどを加えるだけの極力忠実な再現も多数。そういったメガネは目元に安定感が生まれるので、その分、いつもより冒険的な夏の装いを楽しんでいただきたいです」

ヨロイからテンプルにかけてのミニマルデザインに職人の手彫りによる細かく美しい彫金が映えるサイドビュー。イエローゴールドのアクセントがデニムスタイルにも合うことを実証
カモフラ柄のメンズジャケットを取り入れたヴィンテージスタイルにはクリアフレームでヌケ感を。ヨロイ部分のゴールドパーツが程よい装飾性をプラスして女性らしさも演出する

「アイヴァン 東京ギャラリー」のお墨付きメガネ。

[DD-14T](写真上)

ベースとなるのは1980年代に登場したブランド初のサーモントブロウ。チャームポイントとなるヨロイ部分のカシメパーツは忠実に再現されているが、全体のバランスなどは現代的に調整が施されている。5万3900円

[Goodman](写真中上)

通称パリジャンとも呼ばれる50年代に作られていたフレンチウェリントンをオマージュ。ボリュームのあるテンプルで横から見たシルエットはかなり武骨だが、ヨーロッパ独特の柔らかさも兼ね備えている。3万8500円

[Berman](写真下中)

ウェリントン型とティアドロップ型の中間のようなフロントに、キーホールブリッジが上部に付く、独特なバランス。1940年代に英国で作られたハンドメイドのプラスチックフレームが着想源だとか。4万9500円

[John B](写真下)

1930年代のヴィンテージオプティカルの空気感を持つフルメタルモデルはリム上部が一文字となるフレンチデザインを融合することでモダンなルックスに。パンチの効いたイエローゴールドもどこか新鮮。4万4000円

すべてブランドはアイヴァン

【DATA】
アイヴァン 東京ギャラリー
東京都港区南青山5-13-2
TEL03-3409-1972
営業/11:00〜20:00
休み/火曜
https://eyevaneyewear.com/

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年9月号 Vol.198」

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