沈潜ではなく俯瞰すると見えてくるものがある。
アイウエアのデザイナーには、いろいろな人がいる。デザインする際、アイウエアというモノのなかに沈潜していく人もいるだろう。グレープス&セラドンをデザインする森山秀人さんの場合は、どうなのだろうか。
「自分はモノにフォーカスしていくのではなく、逆にモノを俯瞰していく過程においてデザインを考えています。アイウエアそのもののデザインで仕事を終わらせることなく、自分がカッコイイと思うスタイリングのなかでどういうメガネがあったらいいかというトータルバランスを大切にしているのです」
バンタンデザイン研究所でファッションを学び、洋服と音楽、すなわち人生を豊かなものにしてくれるカルチャーにどっぷりと浸かってきた日々があった。そのどっぷり感は、いまも続いている。
そうして積み上げてきた豊かな人生が、グレープス&セラドンというアイウエアに結実している。大人になって幾年のいまこそ、もっとお洒落を楽しもう。そう呼びかけている。
ユーロヴィンテージと各種の写真集から着想。
デザイナーの森山さんが自身のブランドにおいて着想源にしているのは、1950年代から80年代のユーロヴィンテージ。しかしながら、ヴィンテージのメガネを単体で眺めているわけではない。その頃の時代の空気感、すなわち様々なアーティストの着用スタイルとセットで観ている。
例えば、Run-D.M.C.のダリル・マクダニエルズが着用していたウルトラというオランド発ブランドのゴライアス。音と服とメガネがリンクして刺激をもたらす。
「グレープス&セラドン」のおすすめ眼鏡3本。
GC 001
オクタゴン型のフレームに丸いレンズをセット。リムの外側からレンズ方面へのカッティングがブラウン管テレビのようなすり鉢フォルムになっている。このテレビジョンカットにより、独特な立体感が発生。3万6300円
GC 002
8ミリ生地の太縁フレームが印象的な今作は、ブリティッシュヴィンテージに触発されたもの。目尻に向けてフレームのラインは上がっているが、レンズシェイプが角の取れたスクエアだから柔らかい雰囲気。3万6300円
GC 003
1960年代から70年代に流行したオクタゴンフレーム。クリア感のある生地の細縁で見せることによって、さらりと軽い印象に仕上げている。テンプルの太さには抑揚があり、サイドビューも美しいバランスに。3万5200円
【問い合わせ】
アナマリア
TEL03-5787-6696
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年4月号 Vol.193」)
Photo/Yuco Nakamura, Nanako Hidaka(P067) Styling/Taro Kaneda Text/Kiyoto Kuniryo
関連する記事
-
- 2024.11.19
英国スタイルにハマる、いま手にいれるべきセル巻きメガネ10選
-
- 2024.11.18
保存版! なぜ英国メガネ=セル巻きのイメージなのか。知られざるそのヒストリーに迫る
-
- 2024.10.26
セカンド編集部が「今」気になるシューズやらスウェットやらアイウエアやら4選!