80年代に一世を風靡した日本の眼鏡ブランド「ルネッタバダ」が復活!

  • 2023.04.03

ここ数カ月のあいだに、「伝説」と称されていたアイウエアブランドが相次いで復活。かつて一世を風靡した日本のアイウエアブランド「ルネッタバダ」は、バブル期にファッション業界や俳優たちがこぞって愛用した。幻のブランドとまで言われたが、約30年のときを経て完全復刻したニューモデルは高級感がさらに増し、今旬の80sファッションとも相性ばっちりだ。

吉川晃司や柴田恭兵が愛用した幻のブランド。

「グラッシーズ」代表取締役・竹中太一さん|メガネ店の販売員を経て、1994年に京都に「グラッシーズ」をオープン。現在は「G.B.ガファス」と「デコラ」の2形態で東京と関西に6店舗を展開する

1984年に代官山で誕生したルネッタバダは、ファッション業界人や俳優などを魅了し、80年代に一世を風靡した日本のアイウエアブランドだ。90年代に休止したため、「幻のブランド」と言われていたが、約30年のときを経て復活した。

それもオリジンを上回る仕上がりで。今回はかつての「バダムーブメント」を知る、グラッシーズ代表の竹中太一さんに話を聞いた。彼は90年代に「GB・ガファス」や「デコラ」を立ち上げた業界のキーマンだ。

かつて竹中さんが購入したアーカイブ。上2本がルネッタバダ、下3本はディフュージョンブランドのバダグレースだ。上から順に、吉川晃司が愛用したブランドを代表するサングラス。ネイビーが映える細身のウェリントンはむしろ現代的なデザインだ。クリアイエローが軽快なスクエア。マットブラックでブランドらしさを表現。弾丸のようなレンズシェイプがユニーク

「当時、私は20代前半で眼鏡店に勤めていましたが、ルネッタバダのデザインが斬新で何本も購入しました。インターネットがない時代のため、テレビドラマのエンドロールで流れる衣装協力や、ファッション誌のクレジットをチェックしてバダを追っかけていたんです。

あの頃は日本にメガネ専業のブランドが皆無で、アパレルブランドのライセンス契約でつくられたものが中心でした。そんななかバダは原宿や京都にオンリーショップを構え、欧米にも進出。海外でも成功を収めた日本初のアイウエアブランドとなったのです」

80年代は吉川晃司や柴田恭兵といった時代の顔が、ルネッタバダを掛けてテレビに登場して話題に。モデルやスタイリストなどにフレームをリースして、ファッションを媒介としたプロモーションを行ったことも画期的であった。こうして情報感度が高い若者が、こぞって支持したのだ。

世界に3冊しかない当時の希少なビジュアルブック。メガネを掛けないモデルが登場するなど、前衛的なアプローチも

当時のムードを再現し現代風にアップデート。

こちらは往時のメガネケース。差し込み式でかさばらないソフトカバータイプで、オレンジのカジュアルなデザインだ

当時を知る竹中さんは、復刻したニューモデルをどう評価する?

「正直、驚きました。過去の図面を完全に復刻しているためデザインは昔のままですが、重厚なアセテートの質感や手磨きによるエッジ、堅牢な7枚蝶番といった、ディテールが美しく、高級感が増しています。オリジナルの趣を再現しながらも、質感や耐久性が高くなり、アップデートされている。ブリッジ幅が少し狭いデザインがいま見ると新鮮で、トレンドの一歩先をいっていますね」

そのスタイルはファションともリンクしているとか。

「バブル景気に突入する少し前、ファッション好きな最先端の若者たちは、ボックス型のシルエットに肩パッドが入ったジャケットに、ルネッタバダのサングラスを合わせていました。いまもビッグシルエットやタックパンツといった、80sファッションが流行していますよね。大ぶりなサイズ感で大胆なフォルムのルネッタバダは、現代のファッションムーブメントにマッチしています」

80年代のトレンディな空気感を纏い、アップデートされたルネッタバダ。嬉しいことに、いまはわざわざヴィンテージフレームを探さなくても、昔のデザインを忠実に再現して、品質が向上したフレームが手に入る。

そんな時代にどうメガネをかけるかはあなた次第だが、ブランドの歴史やアーカイブを知って復刻モデルを手にすると、愛着が湧き、より自分らしいスタイリングができるはずだ。

「ルネッタバダ」のニューモデルをチェック。

再始動したルネッタバダは、眠っていた図面を元に、当時と同じ工場でフォルムを完全に再現した。ファーストコレクションは、過去の膨大なアーカイブからブランドらしさが感じられる象徴的なモデルをリプロダクト。蝶番やテンプルの芯金などのメタルパーツは現代の技術でアップデートされた。

No.18

ストレートのブロウラインが潔いビッグシェイプのサングラスは、かつて吉川晃司が愛用したモデルの復刻版。仮面のように顔を覆うスタイルが斬新で、近未来感を感じさせる。47300

No.10

エッジを立たせた大ぶりのウェリントンは、ブリッジの幅が少し狭いバダらしいスタイルだ。極太のテンプルはラグジュアリーな雰囲気があり、側頭部に柔らかくフィットする。45100

No.23

俳優の柴田恭兵がテレビドラマ「あぶない刑事」で着用していた人気モデルが復刻。直線的なブロウラインとサイドに施した大胆なカッティングが特徴で、キリリと顔が引き締まる。45100

No.676

レトロな趣になりがちなラウンドシェイプは、ブリッジやフロントサイドにボリュームをもたせることで、モードなテイストに。テンプルから透けて見える芯金がアクセントになる。45100

No.39

ボッテリと大ぶりのサーモントは、肉厚なブロウやブリッジを合わせた重厚感のあるデザイン。クリアのアセテート生地から、メカニカルなメタルパーツが見えるギミックが面白い。47300

【問い合わせ】
G.B.ガファス 渋谷
TEL03-6427-6989

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 20234月号 Vol.193」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部