日常着として愛された服にロマンを感じる。
毎日使うもの=道具と位置付けるなら、毎日のように着用する衣服も道具のひとつ。雑誌2ndでもお馴染みの寺本欣児さんに「ヴィンテージウエスタン」をテーマに自身のコレクションから魅力を聞く。
「ロッキーマウンテンフェザーベッドを初めて手にしたのは40年ほど前。当時、グローブ率いるピエール・フルニエ氏が手掛けた世界観にやられましたね。ウエスタンというより、アメリカ中西部の服かな。RMFCはもちろんオルテガのベストもそう。いま見ても新鮮で、決してコスプレではなく、モダンなファッションとして取り入れ、表現していたことが衝撃でした。
単にアメリカ好きというのももちろんあるのですが、ウエスタンのスタイルは他国には存在しないアメリカならではの文化。カウボーイの街で生きていくための普段着でありながら、決して高いものではなく、それが日常的だったところが面白い。そこにはちょっとした男のロマンみたいなものが詰まっていますよね」
寺本さんが愛用するウエスタンスタイルより厳選して紹介。
ロッキーマウンテンフェザーベッドを復活させたのが2005年。それよりもさらに遡り、約40年前に購入したクリスティベストは、襟に付けられたムートン、ダウンの封入量ともにコンディション良好に保たれた思い入れのある1着。
ほとんどがデッドストックで集められたウエスタンもののヴィンテージバンダナ。ウエスタンモチーフ以外でも大量にコレクションしている。
シャツの襟に装着するレザーのカラーとタイ。カービングが施されており、もちろんすべて1点もの。ウエスタン系には珍しい襟型であるラウンドカラーなどデザインも凝っている。
リーバイスが手掛けたウエスタンシャツ。左からショートホーン、サドルマン。右はスリムフィットネームでストレッチ素材が使用されている。
サイズ的に女性用として作られただろう1930年代のペンドルトンのジャケット(右)。柄のモチーフの中に「A」をあしらったようなデザインに着目し、アナトミカネームでブランケットを75枚製作したのが2014年。そのブランケットを使い本社工場にて、手裁断から、すべてハンドメイドで仕上げたマッキノーコートもインパクト大。
(出典/「2nd 2023年2月号 Vol.191」)
Photo/Satoshi Ohmura, Yuta Okuyama, Nanako Hidaka, Shunichiro Kai, Norihito Suzuki, Takuya Furusue, Akira Mori, Yoshika Amino Text/Okamoto 546, Shuhei Sato, Masatsugu Kuwabara, Tsuyoshi Hasegawa, Shinsuke Isomura, Kiyoto Kuniryo, Shuhei Takano, Kazuki Imanishi
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