寺本欣児とウエスタン。“ウエスタンスタイルはアメリカならではの文化”。

世界的にも名の知られる膨大なヴィンテージコレクションを所有する「35サマーズ」寺本さん。そのひとつにロッキーマウンテンフェザーベッドが挙げられるが、彼とウエスタンヴィンテージの接点、そのコレクションを見せてもらった。

日常着として愛された服にロマンを感じる。

「35サマーズ」寺本欣児さん|1989年に35サマーズを設立。ヴィンテージに造詣が深く、2008年からピエール・フルニエ氏とアナトミカ製品の共同開発を行う。

毎日使うもの=道具と位置付けるなら、毎日のように着用する衣服も道具のひとつ。雑誌2ndでもお馴染みの寺本欣児さんに「ヴィンテージウエスタン」をテーマに自身のコレクションから魅力を聞く。

「ロッキーマウンテンフェザーベッドを初めて手にしたのは40年ほど前。当時、グローブ率いるピエール・フルニエ氏が手掛けた世界観にやられましたね。ウエスタンというより、アメリカ中西部の服かな。RMFCはもちろんオルテガのベストもそう。いま見ても新鮮で、決してコスプレではなく、モダンなファッションとして取り入れ、表現していたことが衝撃でした。

単にアメリカ好きというのももちろんあるのですが、ウエスタンのスタイルは他国には存在しないアメリカならではの文化。カウボーイの街で生きていくための普段着でありながら、決して高いものではなく、それが日常的だったところが面白い。そこにはちょっとした男のロマンみたいなものが詰まっていますよね」

寺本さんが愛用するウエスタンスタイルより厳選して紹介。

ロッキーマウンテンフェザーベッドを復活させたのが2005年。それよりもさらに遡り、約40年前に購入したクリスティベストは、襟に付けられたムートン、ダウンの封入量ともにコンディション良好に保たれた思い入れのある1着。

ほとんどがデッドストックで集められたウエスタンもののヴィンテージバンダナ。ウエスタンモチーフ以外でも大量にコレクションしている。

シャツの襟に装着するレザーのカラーとタイ。カービングが施されており、もちろんすべて1点もの。ウエスタン系には珍しい襟型であるラウンドカラーなどデザインも凝っている。

リーバイスが手掛けたウエスタンシャツ。左からショートホーン、サドルマン。右はスリムフィットネームでストレッチ素材が使用されている。

サイズ的に女性用として作られただろう1930年代のペンドルトンのジャケット()。柄のモチーフの中に「A」をあしらったようなデザインに着目し、アナトミカネームでブランケットを75枚製作したのが2014年。そのブランケットを使い本社工場にて、手裁断から、すべてハンドメイドで仕上げたマッキノーコートもインパクト大。

(出典/「2nd 20232月号 Vol.191」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...