ロンドン在住の日本人ディレクターだからこそ成しえた本格&バリュー感。
ロンドン在住のディレクター岡部隆志氏によって2005年にデビューした「アレヴォル」は、英国の旧きよきプロダクトに敬意を表し、デザインや意匠、生産や部材選びまで、極力イギリスのものを選び、こだわりのものづくりを展開する骨太なブランド。
単純なリプロダクトではなく、そこに日本人ならではのアイデアが盛り込まれている。この一着はまさにそれを体現したようなリバーシブルのスモックパーカだ。ベースとなっているのは、左がブリティッシュアーミー、右がロイヤルネイビーへ支給されていたもの。
どちらも英国ミリタリーの傑作だが、それをリバーシブル仕様でドッキングさ せる試みは他に例がない。もちろんディテールへのこだわりも相当なもの。生地は英国老舗のブリティッシュミラレーン社のハイカウントコットンを使用し、縫製もすべてイギリス国内のファクトリーで行った、純然たる「Made in En-gland」だ。
次々と歴史ある英国ブランドが自国生産を諦めている昨今。これほど細かい意匠が盛り込まれたプロダクトを英国国内で作り得るのは、ひとえにディレクター岡部氏が現地へ出向いて密なコミュニケーションを取ることが可能で、生産者と信頼関係を築いてきたからに他ならない。その心意気を含めて、今このようなプロダクトを手に入れられるのは、 英国モノ好きにとって歓びでしかないのだ。
アレヴォルの[スピアー]
英陸軍、海軍でそれぞれ採用された傑作ミリタリースモックをリバーシブル仕様で一着にドッキング。生地や縫製に至るまで、すべてイギリス製にこだわった本格派の一作は、ヨーロッパカジュアルからアメカジスタイルまで網羅する、 “1枚で2度おいしい”お得感も。8万9100円
ヘルメットの上からでも被れるように設計された大きく立体的なフードを忠実に再現。
最大の特徴は2カ所にあるスタッズ付きのフラップ。元々、無線機のケーブルを固定するためのものだったが、アレヴォルではポケットにして実用性を付与。
英国老舗生地メーカーとして名高いブリティシュミラレーン社の高密度コットンを使用。その他、ボタンやスタッズに関しても英国製の部材にこだわっている。
首元を立体的にみせるデザインはヴィンテージのアウトドアスモックのようにも。
サンプリングソースになったヴィンテージ。
British SAS
1940 年代の英陸軍特殊空 挺部隊(通称 SAS)への支給品でオリーブ以外も様々な生地色が存在した。
Royal Navy Windproof Smock
1960~90年代頃まで英空軍の航空母艦などで作業した甲板作業員へ支給されていたもの。
【問い合わせ】
ジェラード フラッグシップ ストア
TEL03-3464-0557
https://jelado.com
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年1月号 Vol.190」)
Photo/Yoshika Amino Text/Kazuki Ueda
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