ジェントルマンのワードローブを占めるのは、英国ドレープ・スーツの最高峰、バタク。

ブリティッシュトラッドに魅せられ、四半世紀以上かけて自分なりのジェントルマン像を確立してきたイラストレーターのソリマチアキラさん。ジェンツな着こなしがよく似合う、ナイスミドルなビスポークの服の大半を誂えたというテーラー「バタク」を訪れ、オーナーの中谷広吉さんとビスポークの魅力を語ってもらった。

ソリマチアキラ|1966年、東京都生まれ。幅広い媒体で活躍するイラストレーター。独自のタッチで描かれるイラスト同様、本人もトラッドなスタイルを追求している

お堅くない英国スタイルを好む人のための理想郷。

ソリマチさんのワードローブは 大半がビスポークで誂えたもので、すべて「バタク」製。「いまでは観光地化してしまったサヴィル・ロウが、特に素晴らしかった3060年代の雰囲気をもった珍しいテーラー」とのことで、日比谷にある店舗を訪ねた。

サヴィル・ロウで修業を積んだ職人たちが手縫いをしている作業場もチラリと覗き見え、重厚な空気感に緊張を覚えながらもオーナーの中寺さんに話を伺う。

「英国と言えば、堅いイメージを持たれる方が多いと思いますが、我々もソリマチさんも基本的にはリラックス感のあるスタイルが好み。1930年代に英国で発案されたソフトテーラーリングの『ドレープ・スーツ』はスーツ史上はじめて『快適性』に目を向け、『柔らかな心地よい着心地』と『きちんとした構築的な仕立て映え』を両立させたもので、それを我々は作っています」

なるほど、ソリマチさんのようにこのムードに共感する洒落者にとっては、これ以上ないテーラーである。

「バタク日比谷」オーナー・中寺広吉さん

ソリマチさんが特に愛用しているビスポーク服。

かつてGQジャパンの連載で挿絵を担当していた音楽家・加藤和彦さんの影響を受け、オーダーしたカバートコート。英国人にとっては、スーツの上に羽織るなど、定番的なスポーツコートである。

最近オーダーしたというフォックスブラザーズの生地を使ったクラシックスタイルのスーツ。決してビジネススーツには見えないリラックス感のあるビスポークならではのシルエットに仕上げた。

30年代のハンティング系スポーツコートをイメージして製作。スポーティな動きやすいつくりながら、芯地を固くしたりヘビーなサキソニーの生地を採用したりと重厚感も漂う仕上がりに。

加藤和彦さんがサヴィル・ロウでオーダーしたというジャケットから、共布のくるみボタンや胸ポケットのフラップなどの意匠を踏襲。「あくまでソリマチさんの雰囲気で仕上げた」と中寺さん。

映画『007』でショーン・コネリーが着用していたジャケパンが元ネタで、 ラペル細めの60年代風デザイン。いわゆるコンジット・カット。ソリマチさんにしては珍しくやや構築的なデザイン。

シャツもバタクでオーダー。左からタブカラー、ラウンドカラー、レギュラーカラー。フィット感はインナーとしてジャケットの邪魔にならない程度に、ほどよくゆったりとしたサイズ感で統一。

DATA
バタク日比谷
東京都千代田区有楽町1-2-14 紫ビル2F
TEL03-5510-6902
営業/11:0020:00
休み/水曜

(出典/「2nd 20231月号 Vol.190」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

Pick Up おすすめ記事

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...