【業界人のT P O 別着こなし術】パーティ仕様のメンズコーデ10選

  • 2022.10.16

ドレススタイルで最も華やかなシーンといえば、パーティではないだろうか。参加する会によるところはあるものの、どこかエレガントさを加えた装いが好まれるだろう。カジュアルとエレガントのバランス加減、洒落者業界人たちはどう着こなすのか紹介しよう。

1.「ファイブワン銀座本店」店長・泉敬人さん|ブラウンのスーツで洒脱に差別化を図る。

スーツ20万3500円~、シャツ1万8700円/ファイブワン(ファイブワン銀座本店 TEL03-6263-0688)、シューズ/リボルタ、タイ/パオロアルビザッティ、ブリーフケース/ Vintage

ブラウンの3ピーススーツに合わせて、べっ甲柄のヴィンテージフレンチフレームを合わせて、トラディショナルな雰囲気に仕上げたスタイルサンプル。 ブラウンベースのカラーリングに、オレンジのタイがアクセントになっており、非常にバランスがよい。

「パーティと言えば、グレーかネイビーが基本なので、あえてブラウンをチョイスしました。スーツはベーシックな3ピースのスタイルです」

ブラウンスーツに合わせて、時計のストラップも同系色にしているのが好印象。ダブルカフスのシャツで、よりドレッシーな雰囲気を醸し出している
足元はロングノーズの2アイレットでエレガントな雰囲気を取り入れた。パーティなので、シューズはフォーマルに振りすぎないのも大事なのだ

2.「SDI」営業・大橋崇弘さん|ゆったりとしたシルエットはフダブルでフォーマル感を。

ジャケット15万6200円、スラックス13万2000円、シャツ7万5900円/ルアボバーグ、シューズ5万2800円/フェランテ

取引先であるアパレルのパーティを前提としたスタイリング。ファッションに寛容な業界だけに、フォーマル過ぎず、洒落っ気を重視。ブラックで落ち着いた印象を与えつつも、トレンドを加味したシルエットで力の抜けた印象にシフトした。

「デンマーク出身の女性デザイナーが手掛けるロンドンのブランドを中心にコーデ。大きめのシルエットでもダブルを選ぶことで、ほどよいフォーマル感をプラス」

ミニマルなデザインながらも、裁ち切りなど、随所にクラフトマンシップ溢れる意匠が落とし込まれたジャケットが主役。ダブルで貫禄を出した
足元はタッセル付きのローファーでドレッシーなイメージを押し出した。太めのシルエットだが、テーパードが強いので足元がスッキリと見える

3.「サファリ」店長・田島佑介さん|あえてのベージュでヌケ感とフォーマルを両立。

スーツ/ティートアレグレット、シャツ/チェザーレアットリーニ、ローファー/ジェイエムウエストン、タイ/ タイユアタイ、バングル/ Vintage、時計/ パテックフィリップ

取引先のパーティでは、フォーマルさだけでなく、華やかさや堅くなりすぎない洒落っ気も忘れたくない。ダークスーツが多いことを考慮して、あえてベ ージュで差別化。足元は同じアースカラーのオリーブのローファーをチョイスした。

「パーティだと堅すぎる印象を持たれたくないので、随所にヌケ感を出すように意識しています。足元がローファーなので、逆にVゾーンにはキッチリ感を出しました」

ベルトレスのスラックスでエレガントな雰囲気を出しているのもポイント。サイドにはベルトが付いており、ウエストを調整できるデザインである
パーティなので、タイとチーフは必須。ネクタイは爽やかさとフォーマル感を意識したチョイス。ベージュとの相性の良さもポイントになっている

4.「ドゥエア・インク」手塚直樹さん|単体で見るとシンプルながら組み合わせで華やかに。

スーツ、シャツ/ともにルイジ ボレッリ、 タイ、チーフ/ともにステファノビジ、シューズ/エドワードグリーン

落ち着きのあるネイビースーツでありながらもダブルブレスト、ピークドラペル、そしてリネン混のスーツ生地など、パーティコーディネイトならではの個性が光るディテールが魅力。

1アイテムずつ単体で見るととてもシンプルかつベーシックなデザインですが、コーディネイトすることで華やかな印象を意識しました。リネン混でハリのある、そして清涼感のある生地の風合いも気に入っています」

クレリックシャツにタイは、マダープリントのヴィンテージ調デザイン。タイの色に合わせたチーフとピークドラペルの組み合わせが華やかさを演出する
作りの良さ、クラシックな形を得意とする英国紳士靴の最高峰、エドワードグリーンのタッセルローファー。パーティとはいえ、上品なフォルムで締めたい

5.「フェアファクスコレクティブ」商品企画・坂井哲也さん|ジャケパンスタイルにカラーピンでフォーマル度アップ

ジャケット/ビームス、シャツ、タイ、カラーピン/すべてフェアファクスコレクティブ、パンツ/インコテックス、シューズ/ジェイエムウエストン

ネイビージャケットにグレーのスラックス、いわゆるジャケパンスタイルに、インナーにはオックスフォードのB.D.シャツで、キメ過ぎず、肩の力がほどよく抜けた坂井さんのパーティスタイル。

「アイテムひとつずつ見ると、決してフォーマルなものではありませんが、ホワイトのシャツを選んだことや色の組み合わせ、さらに襟元のカラーピンでフォーマルなコーディネイトを意識しました」

首元にアクセントとなり、フォーマルなアクセサリーの筆頭でもあるカラーピン。ボタンダウンシャツのボタンは外して装着するのがベターな着こなし
パンツの裾丈はくるぶし上でダブルの裾幅も大きく、爽やかでトラッドな印象。シューズはフランスの老舗シューメーカー、ジェイエムウエストンの銘品

6.「ボンビュー」オーナー・大島拓身さん|グレースーツに茶のグラデでアクセントを。

スーツ/大島ビスポークテーラー、シャツ/インターナショナルギャラリービームス、タイ/マークステファンマレンゴ、シューズ/チャーチ

ベーシックなグレンブレードの英国的なスタイルを実践。スタンダードなグレーカラーに、あえてブラウン系のタイやシューズを合わせている点が見逃せない

「モノトーンで合わせるのも悪くないですが、華やかな場所なので、ブラウンカラーを多用しています。生成り、ベージュ、ブラウンとあえてグラデ ーションにしているのもポイントですね。パーティなので、堅くなりすぎないことを意識します」

パーティは夜が多いので、麻ではなく、シルクのチーフを選んでいる。タイとチーフで茶系のグラデーションを楽しんでいるのもセンス抜群だ
足元は英国の名門であるチャーチのモンクストラップ。これもあえてスウェード素材をチョイスしており、スムースレザーよりも洒落た印象だ

7.ファッションクリエイター・高田朋佳さん|モノトーンスタイルをエレガントに仕上げる素材使いの妙。

セットアップ18万9200円/トモヨシ タカダ プロデュースド バイ リングヂャケット、ネクタイ/ステファノビジ、チーフ/スパッカネアポリス、シューズ /ジョージクレバリ、シャツ/ブリッラペルイルグス ト(本人私物)

ウェディング同様、モノトーンでコーディネートされたパーティスタイル。こちらはシックにブラウンカラーをセレクトでまとめられている。

「パーティーとなると時間帯は大体夜で、しかも僕の場合はファッション関係の方が多いので、光沢のあるファブリックのものを選ぶなどして、華やかさを意識しています。その分、全体の色をシックにまとめ、エレガントで色気のあるスタイリングを意識しました」

華やかなVゾーンを意識しネクタイはサテン素材のものをセレクト。また立体感出して主張を強めるためにシャツはタブカラーを選ぶなど小技も効いている
シックなスタイリングながら光沢ある素材使いでエレガントさを演出するパーティスタイル。足元もツヤ感のあるビットローファーを選び、テーマを踏襲する

8.「シップス」渋谷店副店長兼バイヤー・小川厚也さん|トレンド感を巧みに入れた英国的紳士的なモノトーンスタイル。

セットアップ9万4600円/シップス、シャツ2万4970円/ギローバー、シューズ5万600円/ ロスパーゴ、ネクタイ1万7600円/ホリデー アンド ブラウン(以上、すべてシップス銀座)

シックなグレーのセットアップをシンプルに着こなしながらも、重厚かつ落ち着いた印象を残す小川さんのパーティスタイル。ポイントはVゾーンにあるという。

「英国調の大柄が特徴のネクタイをしっかりとタイドアップすることで、クラシカルかつトレンドを意識したスタイルにまとめました。シンプルゆえに若さが悪目立ちしそうな時は、Vゾーンから意識的に老練された雰囲気を作るようにしています」

シップスがこの秋冬より本格的に打ち出していくという、英国紳士的な重厚感あるドレススタイル。大柄のプリントが目を引くネクタイも、その演出を担う
少しカッチリとし、独特な存在感抜群のモンクストラップを足元に。Vゾーン同様に、全体の雰囲気を熟練したものにまとめ上げてくれるキーアイテムだ

9.「ビームス」プレスチーフ・安武俊宏さん|意外性のあるアイテムをここぞと使うバランス感覚の妙技。

ジャケット/プルムールト、パンツ/コロン、ニット/ビームス F、シャツ/ポロ・ラルフローレン、 シューズ/トリッ ーズ、ネクタイ/ガッロ、メガネ/バディオプティカル(すべて本人私物)

ウェディングスタイルからは一転! 「華やかなパ ーティという場にあっては、ある程度自身の個性を主張したスタイルを楽しみたいです」という安武さん。その言葉の通り特徴的なデザインが光るアイテムを随所に取り入れている。

「このジャケット、実はスリーピングウェアなんですが、ショールカラー意匠がルームシューズと好相性。こういうアイテムをドレッシーに着こなせると気分が上がりますね」

張りのある生地に独特なストライプ柄が入り、ショールカラーで仕立てられたスリーピングウェア。ガウンスタイルなので、ボタンはなくベルトが付く
足元にはタッセルが付いたルームシューズをセレクト。ニットやパンツの黒ベースのカラーコーディネイトに呼応する一方で、ガウンとの相性も抜群だ

10.「伊勢丹新宿店」バイヤー・稲葉智大さん|アメリカとイタリアが織りなす カジュアルでエレガントなMIXスタイル。

セットアップ/スティレラティーノ、シャツ/ブルックスブラザーズ、シューズ/オールデン、ネクタイ/リッドテーラー、ソックス/ドルモア(すべて本人私物)

「パーティということで少し華やかな感じにしたくブルーのコットンスーツをセレクトしました」というとおり、鮮やかなシャンブレー生地を使ったセットアップが目を引く。インナーにはオックスフォードのボタンダウンを合わせカジュアルさを強めている。

「カジュアルすぎて失礼にならないよう、ダブルブレストで帳尻合わせ。アメリカモノとイタリアモノを使い分けてバランスを取っています」

光沢のあるレザーを使ったタッセルローファーがエレガントな印象を残す足元。ソックスで色を取り入れて、コーディネートに立体感をプラスしている
イタリアのセットアップのインナーに、アメリカンカジュアルの王道となるOXBDシャツをイン。国境を超えたマッチアップがスタイリングの決め手

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 202210月号 Vol.187」)

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