「町中華」。言葉の響きを聞くだけで、なんだか嬉しくなってしまう。店に入った瞬間、鼻から入って、脳を通って、耳から抜けていく、油の香り。厨房から聞こえる、ジュワッという最高の効果音。ああ……この気持ちを満たすために、訪れたい厳選店舗をピックアップ。ファッションエリアで長く愛される名店「ふーみん」に迫る。
青山でこの冷やし中華を食べると本格的な夏の始まりを感じる。
青山通りから骨董通りに入って 左手にある小原流会館。この地下へと降りると目の前にあるのが『中華風家庭料理 ふーみん』だ。 土地柄、芸能人やメディア関係者が足繁く通うこの店。創業51年目、青山に移転してから36年。長い間、地元の住民にもこよなく愛されている。
その証なのか、緊急事態宣言が明けると、馴染みのお客が名物メニューを求めて、こぞって押し寄せたという。 では店がどれほどお客に愛されているか? は、メニューの成り立ちからも分かる。例えば『納豆ごはん』。このメニューは、「納豆と肉を炒めたらおいしいらしいよ」 と言ったお客の声から生まれたもの。
白米の上にレタスをのせて、炒めた納豆に揚げたワンタン、仕上げに生姜を削って散らす。食べ応えがあって爽やかな味わいを感じる。そんなメニューがひとつやふたつでないのが、この店の魅力だ。
そして夏、おすすめなのが『五目冷やしそば』だ。GWごろから開始する季節限定メニュー。冷水で締めた細麺にのっているのは、キュウリ、焼豚、鶏肉、もやし、わかめ、トマトにゆで卵。五目といいながら、7種の具材がトッピングされている。
中でも、もやしの食感がよい。醤油だれと胡麻だれをどちらか選んですすれば、口の中いっぱいに夏を感じることができる。開業当時から訪れるお客さんは少なくない。ハイブランドが立ち並ぶ街・表参道の“家庭料理“がここにある。
【SHOP DATA】
中華風家庭料理 ふーみん
東京都港区南青山5丁目7-17 小原流会館 B1F
TEL03-3498-4466
営業/11:30 ~ 16:00(L.O.15:30)、 18:00 ~ 21:30(L.O.21:00)
休み/日曜祝日、第1月曜定休
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典:「2nd 2022年9月号 vol.186」)
Photo/Shinpei Fukazawa, Katsumi Murata Text/Yasushi Ogura Edit/Hisano Kobayashi
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