「決め手はソール! そして艶っぽさ」。
自身のブランドを通して、メンズファッションのトレンドを第一線で表現し続けてきた菊池さん。そんな菊池さんの靴選びは「アッパーの造形は二の次、ポイントは他にある」という。
「ボクが靴を見る際、最も気にする部分はソールです。靴はウエア同様、時代の流れを汲むプロダクトであり、単にクラシックというだけでは古臭さが際立ってしまいます。たとえルックスはクラシカルでも、いまの空気感を反映したソールやボリューム感があってこそ優れた靴だと思うんです」。
加えて“艶っぽさ”も非常に大事なファクターだという。
「いい意味でのケバさや派手さは、ボクがシューズに求める要素のひとつです」
【愛用靴①】ジョン ロブ
1980年代からのお付き合いだという1足。「自分で作る服にも一時期は多用していたし、好きな色であることは間違いないんだけど、意外に避けて通ってきた『黒』。ソールにボリュームがありながら、エレガントなのがポイントです」
【愛用靴②】ザパタ
’70年代にロンドンで購入したという2トーンのスウェード製ウィングチップ。「オーセンティックなモデルをベースにしつつも、厚みのあるクレープソールが当時の時代感を見事に表現しています」。いまはなき名門のユニークな逸品。
【愛用靴③】フローシャイム
’80年代頃に購入したコードバンシューズ。「ウィングチップは元より、ブローグ入りのデザインにとにかく目がなくて(笑)。ボクの中では珍しいレザーソール仕様ですが、正統派のクラシカルなルックスが気に入っています」
【愛用靴④】プラダ
2012年の春夏シーズンに発表されたゴルフシューズ。「ゴルフはしないんですが、街履きとして活用しています。ハーフトーンの色使い、ソールのボリューム感、履き心地のすべてにおいてパーフェクト! 色違いで4足買ったほどです(笑)」
【愛用靴⑤】ドルチェ&ガッバーナ
数年前から、ご愛用というイタリアンモードの雄。「ゴブラン織りを思わせる、ベルベットとレザーを融合させた独自の素材感が、いい意味でケバい。ケバさや艶っぽさもまた、履くにあたって重要なファクターのひとつなんです」
【愛用靴⑥】チャーチ
英国、ノーザンプトンの名門からリリースされたゴルフシューズの[ファーシングストーン]。「このブランドのスタッズモデルが一世を風靡した頃からの付き合い。天の邪鬼なので、ユニオンジャックなこちらをチョイスしました」
【愛用靴⑦】キッズ ラブ ゲート
2008年デビューの山本真太郎氏による、オリジナリティ溢れる日本のシューズブランド。「最近のお気に入りです。こちらは本格派のダブルモンクに、ボリューミーなクレープソールを合わせたユニークな1足」
【愛用靴⑧】バリコーン
短靴からスニーカーまで幅広く展開する履き心地に定評のあるイタリアブランド。「なんと言ってもエア入りソールが快適さを約束してくれます。それでいてシンプルなプレーントゥ。斬新な組み合わせです」
【愛用靴⑨】キッズ ラブ ゲート
日本の確かな職人技にアバンギャルドを融合させたスペシャルなハラコスリッパ。「久しぶりにルームシューズもおもしろいかな、そう思わせてくれたモデルです。これもまたいい意味でケバいですよね」
こだわりのあるセレクトと、遊び心。“艶っぽさ”を選ぶ基準にすると、より革靴が面白くなりそう。真似してみたいと思わせる、菊池さんの愛用靴コレクションでした。
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