この円安下でも10万円を切るMacが登場した
とにかく評価すべきは『安い』ということ。
「あれがない、これが足りない」と言う人はいるかもしれないが、足りないものがあるならMacBook AirやMacBook Proを買えばいいわけで、この『iPhoneのチップを使ってでも安くする』という覚悟をまずは評価したい。

その上で、ご自身のニーズにこのMacBook Neoのスペックがかなうかどうかを考えてみるのが良いだろう。
最近のMシリーズチップになってからMacの性能は上がる一方で、MacBook Proはワークステーションのような風情を醸し出し、M5世代になるとMacBook Airでもかなりの高性能を誇る。書類作成や表計算、写真やビデオの編集といった作業はiPadやiPhoneでも十分にこなせる。それならば「iPhoneのチップセットでMacを作ったらどうか」という発想で生まれたのが、この9万9800円のMacBook Neoである。iPhone 17 Pro自体が十数万円することを考えれば、同じチップセットを積み、大きなディスプレイやキーボードを備えて10万円を切るというのは、かなりのバーゲン価格だと言える。

柔らかさを感じさせる角Rの大きさや、ポップな色使い、プロモーションの方向性を含め、基本的には学生をターゲットにフォーカスした商品のようである。気軽に運べる大人のセカンドマシンとして使えるかは要検討というところ。
M2 MacBook Air相当の処理能力と思えば分かりやすい
では、性能について考えてみよう。
過去に筆者が計測したiPhone 17 Pro Maxに搭載されているA18 Proチップのベンチマークを確認すると、CPUシングルコアが3,803、マルチコアが9,695、GPUメタルスコアが45,763となっている。これはMacBook Air/Proで言えばM2世代とほぼ同等。まだ、M2のMacBook Air/Proを使っている人は十分にいらっしゃるだろうから、それと同等と思えば性能をイメージできると思う。

Geekbench AIでの計測数値は単精度が5,192、半精度が36,219、量子化が50,585なので、こちらはMacBook Air/Pro M4とほぼ同等。Apple Intelligenceを用いた作業でもまったく不足はないはずだ。
ただし、メモリは最近のMacとしては珍しく8GBに制限されている。そのため、多くの高負荷な作業を同時に並列して行うのは難しいかもしれないが、4K動画を2〜3ストリーム扱う程度の一般的な作業ならまったく問題ないはずだ。また、コア数の違いも、複数アプリを並走させることが多いMacの場合には性能を抑える枠になるかもしれない。プロモーションの画像に動画編集アプリは登場していないので、このあたりは実際に使って試してみたい。

ストレージは256GBと512GBの2種類が用意されている。価格は256GBモデルが9万9800円、512GBモデルが11万4800円である。また、学割なら512GBモデルでも10万円を切るのが素晴らしい。安価な256GBモデルにはTouch IDさえも省かれているが、Apple Watchによるロック解除を活用すれば実用上の不便は少ないだろう。
細部もコストダウンはされているが用途によっては十分
詳細な仕様を見ると、いくつか妥協点も見受けられる。ディスプレイは2408×1506ピクセルの13インチで、輝度は500ニトとMacBook Airよりわずかに劣る。色域もsRGB仕様であり、P3には非対応だ。

バッテリー駆動時間は最大16時間と、最新モデルとしては少し短めだが、まぁ不自由することはないだろう。ポート類に関してはMagSafeが非搭載で、USB 3とUSB 2が1つずつという構成。同じUSB-Cでも、奥側のUSB-CポートはUSB 3で外部ディスプレイ出力にも対応。ディスプレイかストレージに。手前側のUSB-CポートはUSB 2なので、電源やマウスなどの周辺機器に使うイメージ。外部ディスプレイを繋ぐと、給電でもうひとつのポートはふさがれてしまうので、そのあたりは工夫が必要だ。

カメラは1080pのFaceTime HDカメラで、最新MacBook Airの12MPには劣る。センターフレームカメラなどの機能も使えない。スピーカーも空間オーディオ対応ではあるが、デュアルスピーカー。4スピーカーのMacBook Airほどの音質ではないということだ。
キーボードもフルサイズではあるが、久しぶりにバックライトは省略されている。

重さはMacBook Airと変わらないが、厚みは少し増している。
予算を上げればあらゆる面で勝るMacBook Airが手に入るのは事実だが、このモデルの最大の特徴は10万円前後という極めて気軽な価格設定にある。
デザインのポップさを許容できるのであれば、メイン機に重い処理を任せつつ、持ち運び用のサブ機としてMacBook Neoを使うという選択肢は大いにありだ。
筆者もとりあえず取材外出用のサブ機として購入してみるつもりである。
(村上タクタ)
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