
光速船 Miniクラウドファンディング
https://kibidango.com/projects/2885
ファミコン登場の影に消えたらしき伝説のゲーム機
『光速船』という古いゲーム機をご存知だろうか? 海外ではVectrexという名前で、日本では1983年にバンダイから発売たゲーム機だそうだ。

初代Macintoshを彷彿とさせる縦型のボディにブラウン管を内蔵し、複数のゲームをインストールして遊べたらしい。
何と言っても特徴的なのは、グラフィックがベクターデータであったことだ。今でこそゲームといえばビットマップのグラフィックが当然のような気がするが、当時はプロッタプリンターがあったりして、グラフィックの処理としてベクターが便利とされる用途もあった。しかし、その後の趨勢でゲームの多くはビットマップのグラフィックを扱うようになってしまったが。

おそらく当時、ベクターデータでゲーム開発するメリットとしては、高速処理が可能なこと、そして奥行き感の表現などが容易であったことなどが挙げられるだろう。そういう意味では、非常に志の高いゲームであったように思える。
実は筆者は『光速船』を覚えていない。思い起こしてみると、1983年といえば、筆者がシャープのポケコンPC-1262や、X1 Turboを買う前。自分自身はガンプラブームの真っただ中でプラモデルに没頭していた時代。
世の中的にはファミリーコンピュータの発売が同じく1983年なので、爆発的なファミコンブームの前に、ユニークなベクター描画を持った光速船は歴史の波の向こうへ消えていったということなのだろう。
激レアゲーム機を、1/2スケールで再現
歴史的にはそういうことになるけれども、マイナーで特徴的なものほど愛する人がいるというのもまた事実。当時、60〜100万台が生産されたと言われる光速船も今は、おそらく数千台しか残っておらず(後述のデイビッドさん談)、マニア垂涎の品となり、おいそれと手に入れることができなくなっている。

今回、熱烈なVectrexファンであるフランスのデイビッド・オギアさんが苦労の末、光速船を2分の1スケールで再現、Kibidangoからクラウドファンディングで販売することになった。
残念ながら、光速船独特のベクターデータを表示するブラウン管ディスプレイまでは再現されていない。しかし、OLEDディスプレイに後から透明フィルムを加えることで、当時の雰囲気を再現している。
内蔵コンテンツとしては、メインタイトルである『光速船』を含む、14〜5本のゲームが収録される予定。拡張性も確保されており、SDカード経由で、ゲームを追加インストールできる。HDMIおよびUSB-C出力を備えているため、外部ディスプレイへの映像出力も可能。
その他の機能としてベクタークロックモードを内蔵しており、ゲームとして使用しない時はベクター動画の時計を表示できる。使っていない時に邪魔にならず、デバイスをインテリアとして活用できるのが素晴らしい。
AIを使ったパッケージ制作過程が面白い
会場には当時の光速船を知るジャーナリストも多くいて、みなさん大変懐かしく、感動されていた。筆者は当時を知らず、残念。

もうひとつ、筆者が興味深く思ったのは、パッケージや設置されていたバナーのグラフィックだ。当時のモデルとなった人物や、発売元であるバンダイからこれらの許可を取るのはすごく難しいのではないかと思ったのだが、聞いてみるとなんと「80年代っぽい人物」をAIで生成したのだそうだ。
筆者も70年代、80年代の雑誌を再販しようとした時に、それらの権利処理に大変苦労した経験があるので、AIのこういう利用法もあるのかと感心した。
(村上タクタ)
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