実際に使ってみると、本当に便利だし、一般的なバッグやストラップにも、すべてこの仕組みを採用して欲しいと思うほどだ。
当該製品はApple Parkでの発表会でも見ていたのだが、この仕組みには気付いていなかった。なお、撮影製品は友人がオーダーして届いたものを借りた(9月19日発売のiPhone Airは当然のことながらまた届いていないが、ストラップだけは先に届いたとのこと)。
平凡なストラップに、非凡なアイデア
実はこのPET素材のストラップ、繊維に磁石が編み込まれており、長さ調整のためにストラップが重なった部分がバラけずに、ピッタリとくっついているのだ。
ステンレスの金具をスライドさせることで長さを調整するのだが、調整して二重になっている部分が、バラけずに、常にピッタリとくっついていてくれる。二重の部分が分かれてしまうと、肩を通す時に間違ったところに通してしまって面倒だったりするが、この仕組みならそんな心配もない。
もちろん、磁石なので、指を通せばバラけるのだが、普段はピタリと纏まっていてくれる。
調べてみると、磁石でバンドを重ねる仕組みはアップルに対して昨年発行された特許(米国特許第11,944,167号)に記載されている。ここでは時計のベルトが例示されているが、他の製品にも適用可能と触れられている。また、バンドに磁石を組み込み、着脱・調整を行う基本構造も特許が取得されている(米国特許第10,117,504号)。正確にはどの特許が利用されているのかは分からないが、良いアイデアだと思う。
ストラップなどという、人類が何百年、何千年も使ってきた道具にさえイノベーションを持ち込むのだから、アップルには驚かされる。
ストラップの端は金属のホック(AirTagのレザーケースで使われているタイプ)で外れるようになっており、そこにストラップホールに通す先端部分を組み込むようになっている。このホックはかなり固くて、よほどのことがない限り外れることはなさそう。
ストラップの仕組みに興味のある人は、ぜひチェックしてみていただきたい。
(村上タクタ)
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