書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

近眼/老眼が気になる工作好きに福音。ViXion01、クラファン開始

「乗らないなら帰れ」

とか言いそうな雰囲気の写真だが、このデバイスは一昨日からクラウドファンディングが始まった『ViXion01』というアイウェア。

一番のキモは、オートフォーカスでレンズの厚みが変わるというテクノロジーで、近眼であろうが、老眼であろうが目の焦点が合うという素晴らしいアイテム。

難点は、まだまだ製品としての完成度は道半ばという感じで、「素晴らしい! めっちゃいい!」と言う人と、いまひとつ(用途や目の状態に)フィットしないという人が混在すること。まだまだ小径のレンズしか量産できないらしく、視野が狭いこと。

ViXionの南部誠一郎代表に説明していただいた。

実は未来的なデザインになってるのも、そのあたりの「まだ特殊用途向け」であることを理解してもらうため。たとえば、焦点が合う範囲が広がると便利なクルマの運転やスポーツには使えない。だから、あえて敷居が高いデザインになっているのだそうだ。

視覚の不自由をテクノロジーで解決するViXion社

ViXion社は、HOYAの新規事業として始まった。もともと事業の目的は、視覚的能力に不自由を抱えている人のためのデバイスを開発することにあった。最初の商品はMW10といって、夜盲症(いわゆる重度の鳥目)の方のために光を増幅するデバイス。高感度カメラによる映像を目の前のディスプレイに投映することで、暗い場所で極端に視力が落ちる方のサポートをするデバイスだった。

2つ目の製品として開発されたのが、このViXion01。こちらは、もっと利用範囲が広い。

利用は簡単、効果は絶大

利用した際のインプレッションをお届けしよう。

まず、装着したら瞳孔間距離(PD)を調整する。これは指で合わせるのだが、近くを見る時と、遠くを見る時で最適なPDは変わってくるので、1〜2m離れたところを見ながら調整するのがコツのようだ。

続いて、右目のピントを調整する。また1〜2m離れたところを見ながら、右のツルにあるダイヤルをクルクル回す。合焦したと思ったところで終了。続いて、左右の目の視力の違う人は、左上にあるボタンを押しながら左目側のピントを調整する。

これで調整は完了。

もう、遠くを見ても近くを見ても合焦する。

筆者の場合、軽い近視(視力0.7ぐらい)と、軽い老眼(+1.5ぐらい)なので、もともとさほど不自由ではないが、それでもすごく近くはよく見えるようになるし、逆にちょっと離れたところの文字もよく見えるようになる。

目は遠くを見る状態が標準。近くを見るときには毛様体筋が緊張して、水晶体を変形させる。老眼になると、この筋肉の力が弱まる。
ViXion01はこの毛様体筋の緊張による水晶体の変形を代行する。つまり、毛様体筋も疲労しなくて済むのだ。

上の写真のように、現状まだ小さなレンズしか作れないから、視界は狭くなる。だからクルマの運転やスポーツをするのは絶対無理だと思うが、どの距離でもクッキリ見えるという感覚は、筆者の視力でもなかなか新鮮。

最近、難しくなったなと思うのが、プラモデルの細部の加工や、細かい電子回路のハンダ付け。そういう工作をするために老眼鏡をかけても、次に4〜50cm離れた説明書や、PCのディスプレイを見るとボケて見えてしまって困る。そういうシーンではとても便利そうだ。

ただし、先にも述べたように、現時点ではレンズ径が小さいので、視界は狭い。室内なら立って歩けなくはないが、基本的には座り仕事に効果を発揮する。クルマや自転車の運転をするには視界が狭過ぎて危険(というか、ほぼ無理)だし、PDがしっかり合ってないと見えないので身体を動かすスポーツにも向かない。

筆者が日常で一番、焦点距離の変化に不自由を感じるのはクルマの運転なので、その点は残念ながら現時点では諦めるしかない。しかし、本商品がクラファンで発売されたことからも分かるとおり、これは第1歩なのだ。本製品が成功すれば、今後もっと視野角の広い製品が開発されるかもしれない。

精密作業をしながら、ちょっと遠いところを見るのに最適

ちなみに、眉間の部分にセンサーがあり、そこから距離を測定し、レンズを変形させて合焦する。それゆえ、たとえばカメラのファインダーをのぞいたり、VRゴーグルを使ったりすることはできない(カメラやVRゴーグルに合焦してしまう)。

読書、パソコン作業、料理、プラモデル製作、ハンダ付けなどの電子工作をする際に、ちょっと遠近を往復するような場合(料理とレシピ、工作の指先と説明書など)に非常に役に立つだろう。

ツルを畳むと電源が落ちて、開くと電源が入る。一度視力の設定をすると設定が記憶されるので、次に使う時はツルを開いて電源を入れるだけでいい。夕方になって視力が落ちてきた時も、それに合わせて焦点距離を微調整できるのも便利だ。

バッテリー持続時間は最大約10時間で、5V 1AのUSB-Cケーブルで約2.5時間で満充電にすることができる。1日にこれを使って作業できる時間を考えると、充分な持続時間だといえるだろう。価格はクラファンの特別価格で約7万円(送料・税込。詳細は下記リンクからサイトを参照のこと)。

昨年、WBSの『トレンドたまご』年間大賞を受賞している。

筆者以外の被験者の方は、もっと大喜び

筆者のように比較的目がいい人間でも、すごく近くの精密作業では役に立ちそうだ。

しかし、やはり周囲で体験している人を見ると、近視、老眼などの影響が大きい人ほど利便性を感じるようだ。作業の距離によって、数本の眼鏡・老眼鏡をかけている人は「これ一本で済む!」と喜んでいらっしゃったし、かけた途端に「これはすごい!」と大ハシャギされている人もいた。

やはり、近視や老眼の激しい人ほど、効果は大きいようで、筆者はこのデバイスを試用するには視力が良過ぎるのかもしれない(いしたにさんに、「タクタさんは、その歳で眼鏡ナシで運転できるって、相当恵まれていることを自覚すべきです」と叱られた(笑))。

乱視にも一定の効果がありそうだが、それは視界が狭いからかもしれない。このあたりも人によって体感が違う。

文具王と。細かい作業が多い文具王は、ViXion01を体験して非常に興奮していた。

体験会の時に、周りで感激している人を見ていると、やはり筆者はこのデバイスを試用するには少々目が良過ぎるのかもしれない。いずれにしても、目の状態や利用目的によって感じ方はだいぶ変わるようなので、購入を検討される方は、一度試用することをお勧めする。クラウドファンディングの間は、二子玉川の蔦屋家電+で体験できるので。ぜひ。

蔦屋家電+
https://store.tsite.jp/futakotamagawa/news/shop/34561-1817350628.html

また、クラウドファンディングはkibidango(きびだんご)と、GREEN FUNDING(グリーンファンディング)で昨日より始まっており、なんと16分で目標金額であった500万円を達成。開始1日あまりを経た現在、650%、3250万円超の成功を見せている(おそらくこれからも伸びるだろう)。

kibidango(きびだんご)——ViXion01
https://kibidango.com/2371?utm_medium=hp&utm_source=vixion&utm_campaign=vixion01

GREEN FUNDING(グリーンファンディング)——ViXion01
https://greenfunding.jp/lab/projects/7523

ViXionの成功は、他の視力に問題を抱えている人にも朗報

取材していると目の悩みというのは実に多いのだと感じた。

近視、遠視(老眼)、乱視、弱視、夜盲症、色覚異常、飛蚊症、白内障、緑内障、斜視……。多くの人が、なんらかのトラブルをその影響の多寡はともかくとして、抱えていることを感じた。

ViXion01は、そんな目のトラブルのうち『近視、遠視(老眼)、乱視』あたりをサポートするデバイスだが、会社としてのViXionの目標は、さまざまな目のトラブルを、テクノロジーの力を持って解決していくことにあるのだそうだ。

だから、今回のViXionの成功(まだクラファン1日目だが)は、他のタイプの目のトラブルを抱えている人にとっても意義があると思う。ViXionが成功すれば、他の目のトラブルに対応するデバイスも開発される可能性が高まるからだ。

人は、歳を取り、いろいろと衰えていく。また、生まれつきいろいろと障害を抱えている人もいるし、事故で障害を抱える人もいる。

そんな障害をテクノロジーが解決していけるとしたら、我々の未来は明るいと思うのだ。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

時間を重ねて、ヴィンテージになる。「RAGGY CLOTHING」の何年先も、格好いいと思える服

  • 2026.10.02

時代が変わっても、色褪せない格好よさがある。「ラギークロージング」が大切にするのは、流行に左右されない普遍的さ。アメリカンカジュアルの王道を、いまの時代に自然に着られる1着へと仕立てる。 旧きよき服を現代の日常に アメリカンカジュアルの王道を見つめながら、現代の日常に馴染む服を作る「ラギークロージン...

本格派でコスパも優れる「Amber Threads」のライトアウターで秋を始めよう!

  • 2026.10.05

古着店「DOSTYLE」を運営する「ドラマ」が手がける気鋭のアメカジブランド「Amber Threads」。“トレンドとヴィンテージを融合したアメカジスタイル”を掲げる同ブランドはバリエーション豊かなライトアウターを展開する。ヴィンテージをベースとした本格派でありながらコストパフォーマンスにも優れる...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

Pick Up おすすめ記事

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

TRUE SWEATWEAR, MADE IN JAPAN. “未来のヴィンテージ”となる究極のスウェット。

  • 2026.09.29

スウェットやTシャツを中心に、高品質なプロダクトを創り続けるジャパンブランド「RIDING HIGH」。生地や糸より前の“綿”から開発するなど、徹底的なモノづくりの姿勢は国内外で高い評価を獲得している。そんな彼らが生み出すプロダクトは、すべてメイド・イン・ジャパンである。 [caption id="...

全16色! 10年以上のロングセラーを誇る「HEATH」の名作ネルシャツが超人気なワケ

  • 2026.09.30

秋冬のアメカジ服の定番、ネルシャツ。横浜のセレクトショップHEATHが手がけるオリジナルブランドBLUE PORTのネルシャツが10年以上のロングセラーを誇るとのことで、その人気の秘密に迫る。 【理由①】優れたコストパフォーマンス ディテールやシルエットにもこだわった高いクオリティに対して、なんと税...