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23日オープンの熊本空港 新旅客ターミナルビルに設置されたYo-Kai Expressが繋ぐ、熊本-台湾-シリコンバレー

2016年4月の熊本地震の影響で建て替え工事が進んでいた阿蘇くまもと空港の新旅客ターミナルビルが3月23日にオープンし、いよいよ操業を開始する。熊本には、iPhoneなどにも使われる世界最大の半導体メーカー、TSMCが1兆円以上をかけて工場を建設中で、工場稼働にともない、今後、台湾やシリコンバレーなどから多くの人が訪れる可能性がある。そのために、熊本空港のリニューアルは大きな意味を持つ。そこに西日本では初めて、ロボット調理販売機のYo-Kai Expressのマシンが設置されるのは興味深い。熊本空港のYo-Kai Expressでは、熊本の桂花ラーメンと台湾の牛肉麺が提供されるという。さっそく、このラーメンを食べに熊本空港に取材に行ってきた。

阿蘇くまもと空港 新ターミナルに、Yo-Kai Express設置

2016年4月の地震は今なお記憶に新しい。多くの死傷者を出し、熊本の象徴的な文化遺産である熊本城にも大きな被害があった。震源地に近かった熊本空港も大きな被害を受けた施設のひとつ。

復興事業のひとつとして、熊本空港は国内線ターミナルを仮設のプレハブに移し、建て替え作業を行ってきた。来たる2023年3月23日に、ついに新ターミナルがオープンする。

オープンに先駆けて、本日(3月19日)開業記念式典とメディア向けの発表会が行われた。

[阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルについてはこちら]

3月23日オープンの阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルを公開直前に体験!

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2026年08月28日

ただの自動販売機ではなく、自動調理ロボットである革新性

この空港の1階商業ゾーンに設けられた自動販売機コーナーでは、当サイトでもたびたびご紹介しているYo-Kai Expressの自動調理ロボットが設置されている。一見すると自動販売機に見えるが、冷凍された食材を素材に応じて内部で調理、提供するのが大きなポイント。

素材は冷凍状態からの調理だが、電子レンジでの調理と違って全体がムラなくいい感じに温まってるのが大きな特徴。電子レンジだと、一部がぬるいのに、一部が熱過ぎる……という状態になりがちだが、Yo-Kai Expressの提供する食事は全体がいい感じに温まってる。調理方法は非公開とのことだが、超高温のスチームを使っているのではないかと筆者は思っている。

熊本、台湾、そしてシリコンバレーを繋ぐラーメンストーリー

今回(当面は)熊本のみでローンチされる新メニューは熊本の有名ラーメン店である桂花の熊本とんこつラーメンと、Taiwan 牛肉麺。このメニューのチョイスには大きな意味がある。

もちろん、Yo-Kai ExpressのCEOであるアンディ・リン氏が台湾出身で、あるというのも理由のひとつではあるが、桂花 熊本とんこつラーメンと、Taiwan牛肉麺に込められているのは台湾と熊本の修好の思いだ。

ご存知のように、熊本は比較的台湾に近い場所に位置する県である。しかし、現在のところ台湾から熊本に行くには、成田、関空、仁川などで乗り継ぐ必要がある。直行便は存在しないのだ。

ガジェット好きの方ならご存知のように、世界トップのマーケットシェアと技術を持つ台湾のTSMCが、1兆円を超える巨費を投じて熊本に半導体工場を設立する。TSMCといえば、我々にとってはiPhoneのAシリーズチップやMacのMシリーズチップを作れる唯一のメーカーだ。

トップレベルの微細度を持つ半導体において、圧倒的なシェアを持つ TSMCが地政学的にリスクの高い台湾のみにあるというのは、西側諸国にとっても、TSMCにとっても悩ましい問題だ。

熊本の工場で生産するのは、iPhoneなどに使えるような最新鋭の3〜5nmプロセスのチップではなく、25nmなどのもっと汎用性の高いチップだが、この話が上手くいった先に、よりレベルの高い半導体工場を建てるという話も、当然のことながらあるだろう。

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2026年08月28日

となれば、熊本と台湾の間柄はより近くなる。熊本の工場でTSMCのチップが数多く生産されるようになった暁には、多くの台湾の人たちが熊本にやってくるに違いない。台湾↔熊本の直行便も実現するかもしれない。またTSMCの顧客であるシリコンバレーの人たちも来るだろう。昨年末に、Appleのティム・クックCEOが熊本を訪れたのも故のない話ではないのである。

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となると、台湾出身でシリコンバレーで事業を成したYo-Kai Expressのアンディ・リンCEOが、桂花 熊本とんこつラーメンと、Taiwan 牛肉麺を新メニューとして、熊本空港新旅客ターミナルビルのメニューとして提供するのは、台湾、熊本、シリコンバレー三者の明るい未来を願ってのことと読んでもいいだろう。この、Yo-Kai Expressの調理ロボットが提供するラーメンには、深い祈りが込められているのである。

Yo-Kai Expressを支持するFood Tech Studio – Bites!外村氏も熊本出身

もちろん、Yo-Kai Expressが、Food Tech Studio – Bites! で採択されて以来ずっと、支援している外村仁氏が熊本出身であるという事情も大きく関与していることだろう。外村氏は、世界のフードテックのスタートアップと、日本の大企業との共創を行うFood Tech Studio -bites! を創設者でもある。

日本企業が食のスタートアップ支援『Food Tech Studio – Bites! 』早くも先行事例発表
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アンディCEOも、外村氏も現在はアメリカのシリコンバレーに住んでいるが、お互いの故郷がTSMCの進出を機に関係が深まっていることに一役買いたいというわけだ。将来、台湾-熊本の直行便が就航した時に、熊本空港のYo-Kai Expressで桂花 熊本とんこつラーメンと、Taiwan 牛肉麺が食べられるというのは、きっと仕事で行き来する人たちにとって喜ばしいことに違いない。

人気の桂花ラーメンの味を再現するための苦労

さて、前置きが長くなってしまったが、ふたつのラーメンの話をしよう。

桂花ラーメンといえば、豚骨、鶏ガラをじっくりと煮出したミルクのようにコク深いスープに、熊本ラーメンならではの、香ばしい風味豊かなマー油が加わっているのが特徴。茎ワカメ、メンマ、煮玉子、チャーシューなどの具材も店舗で提供されてるのと同じだ。

無論、店舗で提供されているものとまったく同じとまではいえないが、インスタントラーメンや、昔ながらの自動販売機とはまったく違う。調理工場で途中まで作って冷凍されたラーメンを、Yo-Kai Expressの自動調理ロボットが仕上げるので、かなりのレベルで店舗で食べるレベルに迫っている。

このレベルのラーメンを、時間を問わずいつでもわずか最速90秒で提供できるというのがYo-Kai Expressのテクノロジーである。

この味の再現には桂花ラーメン側はもちろん、Yo-Kai Express側のスタッフも強くこだわったと、桂花拉麺株式会社の中山雅光社長(写真左から2番目)も、小林史子常務(一番左)も口を揃える。調理のどの段階で冷凍するか、水分量や加熱時間のちょっとした加減で、本来の味や風味、麺のコシなどが再現できるかどうかが変わってくるので、何度もトライ&エラーが続いたという(おそらく、また最終のツメの段階で、アップデートは続くのだろう)。

写真右から、桂花拉麺株式会社の小林史子常務、中山雅光社長、Yo-Kai Expressのアンディ・リンCEO、同、土屋圭司Japan General Manager、Food Tech Studio -bites! ファウンダーの外村仁氏。

肉の旨味あふれる牛肉麺

アンディ・リンCEOのふるさとの味であるTaiwan 牛肉麺の味も間違いはない。

牛肉麺は台湾でもっともポピュラーな麺類のひとつだ。フタを開けた時に甘く広がる八角の香りは、台湾に来たかと錯覚を覚えるほど。トッピングされている牛肉は、厚く噛み応えもしっかりしており、噛むほどに肉の旨味が染み出してくる。麺ももちもちとしている。

今回の熊本に先行導入される二つの新製品は、すでにYo-Kai Expressとのコラボレーションにも慣れている力の源カンパニーの協力によるもの。

熊本、台湾、シリコンバレーの人たちが、このラーメンを食べる未来

数日後にオープンを控えた熊本空港新旅客ターミナルの真新しいフロアで、この2杯のラーメンを試食する機会を得た。

これまで、日本に導入されてきたYo-Kai Expressの多くを試食してきたが、この2杯も人気のメニューになることだろう。当面はこの2種類は熊本空港でのみ食べられるとのことなので、これもまた新熊本空港のコンテンツとして人気を呼ぶことだろう。

また、地元熊本の方々にとっては、Yo-Kai Expressが提供する他の地域のラーメンやうどんも人気となるに違いない。現在のところ一風堂博多とんこつラーメン、IPPUDOプラントベース(豚骨風)、燕三条Se-Abura、鶏Yuzu Shio、東京Syoyu、札幌Spicy Misoなどが提供される予定。とりわけ、あらゆる地方の食を楽しめる首都圏と違って、熊本では他の地方の名店がかならずしもあるわけではないので、燕三条Se-Aburaも人気となりそうだ(そういえば、アップルファンにとっては燕三条も縁の深い土地柄だ)。

このターミナルで、熊本の人はもちろん、台湾やシリコンバレーの人々が、桂花 熊本とんこつラーメンや、Taiwan牛肉麺に舌鼓を打ちながら交流する日が楽しみだ。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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