選手が競技に出る順番は、陸から大きなスピーカーでアナウンスされる。沖に出て波待ちをしている選手たちは、アナウンスがあってから、しばらく待って自分が乗りたい波がやって来た時に波に乗る。
ただ、風や波の音によって、アナウンスが聞こえないこともある。過酷な状況ではビーチが見えないことさえあるが、波に乗る順番を守らなければ、ペナルティが課される可能性もある。
そんなサーフィンの競技会に革命が起きた。ワールドサーフリーグ(WSL)が、Apple Watchの採用を決定したのだ。
世界最高峰のサーフィン競技で、Apple Watchが使用される
WSLはサーフィン競技の世界的組織で、1976年以来、誰もが認める世界選手権のタイトルを提供し、世界最高のサーファーたちが競い合う競技を主催する。WSLは年間180を超えるグローバルな大会の監督と運営を行ってる。
そのWSLが公式ウェアラブル端末として、Apple Watchを採用すると発表した。WSLの競技に参加する世界最高峰のサーファーたちは、新たに提供されるWSL Surferアプリケーションを使って水中で常に状況を把握できることになる。
WSL Surferアプリケーションは、WSLの採点システムとセルラー回線を通じてリアルタイムで同期する。これにより、選手は、得点、波の優先権、ヒート時間などの情報をリアルタイムに把握できるようになる。
これらのApple WatchはWSLで管理され、競技者は、ヒートの前に、WSLのアプリケーションを搭載したApple Watchを受け取るという。
「Apple Watchは、ほかにはない独自のな機能、使いやすさ、そして驚くほどの耐水性能により、私たちの世界ツアーの過酷な条件で競うサーファーたちを支える理想的な解決策になります。サーファーは競技中に、重要な情報を必要としています。Apple Watch向けに私たちが開発したWSL Surferアプリケーションはリアルタイムでデータを提供するので、WSLの採点システムから水中にいる競技者へ情報がスムーズに伝わります。このアプリケーションの提供を開始し、WSLのチャンピオンシップツアーに出場するアスリートたちがパフォーマンスに専念して、2023年のシーズンを通して競技の質を高められるようになることを大変うれしく思います」と、WSLのCEO、エリック・ローガン氏が述べたとアップルは報じている。
2023年のチャンピオンシップツアーは、1月のビラボン・プロ・パイプラインを皮切りに最終のSHISEIDOタヒチプロまで7か国で10回開催されるレギュラーシーズンイベントの後、カリフォルニア州サンクレメンテのローワートレッスルズで、リップカールWSLファイナルが開催されるという。
Apple Watchが、プロ競技で公式採用されるのは初めてのこと。セルラー回線を通じた通信機能を持ち、海の中でも使える耐水性能を持つ高性能なコンシューマーデジタルデバイスといえば、もうApple Watchしかないのだが。
今後、こうしたプロ競技での採用が増えてくるかもしれない。
WorldSurfLeague.com http://worldsurfleague.com/
WSLのYouTubeチャンネル http://youtube.com/wsl
無料のWSLアプリケーション http://worldsurfleague.com/app
(村上タクタ)
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