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アップル、日本で開発者支援プログラム開始。ティム・クックCEOがデベロッパーを視察

アップルは、本日(12月15日)午前8時に、日本でApp Store Foundations Programの開始をアナウンス。来日していたティム・クックCEOとグレッグ“Joz”ジョズウィアックSVP(上級副社長)が、複数の開発者とミーティング。実際に、アプリを試してみたりして、アプリ開発のポイントなどを聞いた。

ごく初期段階の開発者を支援するプログラム開始!

日本のアプリ開発者コミュニティが、App Storeから得ている利益は500億ドル(約6兆7700億円)以上になっているという。日本は世界で3番目に大きいアプリ市場で、活動も大変盛んだ。アップルはこの日本の開発者コミュニティの次世代の育成を支援するため、アジアで初のApp Store Foundations Programを開始する。App Store Foundations Programは、Apple Developer Programに登録するすべての日本のデベロッパーを対象としているが、特にスタートアップなどごく初期段階のアプリケーション開発企業の参加を歓迎するとのこと。

つまりは、アップルがインキュベーションに協力するということだ。

App Store Foundations Programでは、開発者がワールドクラスのアプリ体験を創造できるように、グループセッションやネットワーキングセッションといったカリキュラムが提供されるという。

このプログラムはヨーロッパですでに何千人もの開発者を支援してきたものと同様。プログラムのセッションを通じて、App Storeでビジネスを成功させるための市場のインサイトや、ビジネスを成長させる方法を学ぶという。アップルの技術や、APIを活用する方法、App Storeでの存在感を高める方法、ベンチャーキャピタルからの資金調達方法などに関する講義もあるという。

アップルはApp Store Small Business Programというプログラムも提供しており、前年の収益が100万ドル(約1億3500万円)以下であれば、有料アプリとアプリケーション課金のアップルの手数料が15%に引き下げられるという。これはApp Storeにアプリを販売するユーザーの95%になるという。また、物販、サービス、無料アプリ、広告サポートアプリからは手数料を徴収していない。

『日本は創造性のメッカ』とティム・クック

今回、来日中のティム・クックCEOとグレッグ“Joz”ジョズウィアックSVPは、複数の開発者とミーティングし、その成果を実際に視察した。そこで、ティム・クック氏はこう言った。

「私は日本に来るのをいつもとても楽しみにしています。なぜかというと、日本は我々アップルが大切にする創造性の精神においてメッカのようなところだからです。日本のみなさんが、いかにデザインの細部にこだわってらっしゃるか、その姿勢を見ていると、私は歌い出したくなるほどです」

ティム・クック氏にプレゼンテーションされたアプリは、Fantamstickの『算数忍者AR~対戦!箱かぞえの巻~』『国語海賊~小学漢字の海~』、Whatever.coの『らくがきAR』、QONCEPTの『Golfboy』の3社、4アプリ。

勉強にワクワクを提供するFantamstickの学習アプリ

Fantamstickの『算数忍者AR~対戦!箱かぞえの巻~』『国語海賊~小学漢字の海~』は、AR機能を上手く使った学習アプリ。

算数忍者AR~対戦!箱かぞえの巻~
https://apps.apple.com/jp/app/%E7%AE%97%E6%95%B0%E5%BF%8D%E8%80%85ar-%E5%AF%BE%E6%88%A6-%E7%AE%B1%E3%81%8B%E3%81%9E%E3%81%88%E3%81%AE%E5%B7%BB/id1418461104

国語海賊~小学漢字の海~
https://apps.apple.com/jp/app/%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E6%B5%B7%E8%B3%8A-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%BC%A2%E5%AD%97%E3%81%AE%E6%B5%B7/id1527202558

テーブルなどの平面を認識させると、その上のAR空間上にステージが構築され、そこでゲームをしているかのように勉強をすることができる。

CEOのベルトン・シェインさんは、「勉強するにもワクワク感が大事。学び始める瞬間が大切。学習のキッカケを作って、積極的に勉強して自信に繋げて欲しいのです」とティム・クック氏に語った。ティム・クック氏もとても興味深そうにデモンストレーションを見ていた。

左からFantamstickの経営管理グループディレクター近藤洋平さん、代表取締役社長 / CEOのベルトン・シェインさん、デザイナー(CAO & Co-Founder)の篠原勇人さん。

『落書きAR』でルフィが歩いた日を覚えてる?

『落書きAR』をプレゼンテーションしたのはWhatever Co.のクリエイティブディレクターの宗佳広さん。

らくがきAR
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%89%E3%81%8F%E3%81%8C%E3%81%8Dar/id1515215584
このアプリは、平面の紙に書いた落書きを写真に撮ると、ひらりとめくれ上がって、歩き出すというもの。

在宅期間が始まった頃、大きな話題になった。ワンピースの尾田栄一郎さんが描いたルフィのTwitterがバズったので、ご記憶の方も多いのではないだろうか? かく言う筆者もいろいろな落書きを歩かせて遊んだ記憶がある。

iPhoneを手に取り、落書きが歩き出すのを見たティム・クック氏は「It’s Magical !!」と驚いていた。

思わず「あなたの会社の技術でしょ!」と思ったが、技術を提供したのはアップルだが、それを創造性豊かに『Magical』なプロダクトにしたのは、 Whatever Co.の方々だということなのだろう。

左から、Whatever Co.プロデューサーの関賢一さん、グランドコントロール・PRの小野里夏さん、デザイナーでクリエイティブディレクターの宗佳広さん。

ティム・クックもダウンロードしそう? ゴルフ練習アプリ『Golfboy』

Golfboyは、iPhoneの秒間240コマという高速度で撮影した画像を合成して、ゴルフクラブとボールの軌跡を解析。その後、ボールの速度や飛距離、方向などを解析してくれるアプリ。

Golfboy
https://apps.apple.com/jp/app/golfboy/id1552366622

高度な画像処理技術と、iPhoneのパフォーマンスがあってこそ、可能なのだという。

データを解析しているiPhoneと、別途iPadを連携させると、スイングのフォームを別の端末に表示することができる。これにより、広いスペースがなくても、自宅でもショットやパターの練習を行うことができる。

また、iPadアプリの方は、自分の動画を撮影し、モーションを解析、自動的に、テイクバック、インパクトなどのタイミングを取得し、お手本となる動画とタイミングを合わせて比較することができる。

ティム・クック氏はゴルフをするらしく、デモを見て「Fantastic !!」と感嘆。自身でも何度もショットを試みていた姿が印象的だった。もしかしたら、本国に戻ってからダウンロードするかもしれない(笑)

左から、Qonceptの代表取締役社長兼CTOである林建一さん、運用統括部部長の藤田洋介さん。

ティム・クック氏の来訪はデベロッパーの方々にも(我々取材陣にも)、『本社幹部来訪』としか伝えられておらず、みなさん、大変驚き、かつ興奮されていた。ティム・クック氏はそれぞれ、温和な感じで意見を述べられ、非常に貴重な時間となった。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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