AMEFURASSHI 愛来インタビュー エモーショナルな歌声の原点は!?

  • 2025.06.07

AMEFURASSHIは、愛来、市川優月、小島はな、鈴木萌花の4人からなるガールズ・グループ。洗練されたサウンドに、ボーカルとダンスが高次で融合するパフォーマンスで多くのファンを魅了している。5月27日にはEP『Four Hearts』をリリースし、初夏にはテレビ番組『オールスター合唱バトル 2025』の出演、そして8月にはワンマンライブを控える。ソロでの活躍も目覚ましい愛来に、歌唱にフォーカスして話を聞いた。

“トーキョー・Newスタイル・ガールズ”を掲げるAMEFURASSHI。左から市川優月(いちかわゆづき)、鈴木萌花(すずきもえか)、愛来、小島はな

歌の原点はミュージカル映画

愛来/あいら 2002年、東京都生まれ。特技はダンス、ピアノ。スターダストプロモーション所属

2025年2月11日、AMEFURASSHIはTOKYO DOME CITY HALL(現・Kanadevia Hall)にてワンマンライブAMEFURASSHI Live“Sweetie, Lovely, Yummy!”を行った。エモーショナルなダンスとボーカルは、ライブタイトルそのもの。この度、AMEFURASSHIは『オールスター合唱バトル 2025』(フジテレビ系。以下、合唱バトル)に出演する。『合唱バトル』は芸能界を代表する歌自慢の芸能人たちが20名1組のチームとなり、“合唱”で真剣に競い合う。AMEFURASSHIは“昭和平成令和アイドル合唱団”に組み込まれ、愛来はチームのリーダーを担う。彼女の見事なボーカルはどのように培われたのだろうか。

愛来 昔から音楽は好きです。でも、人前で歌うとか踊ることはすごく苦手だったんですけど。小学生の時、『ハイスクール・ミュージカル』(2006年)という海外のミュージカル映画を観て、一人でそれを真似して歌うとか、学校の帰り道を踊りながら帰るとか、周りから見たらすごく変な子でした(笑)。

——ミュージカルから歌と踊りへの興味が始まっているところが興味深い。憧れていたアーティストやアイドルはいたのだろうか。

愛来 全くいなかったです。事務所に入る前はテレビには全く興味がなくて。芸人さんや俳優さん、アイドルさんとかにも全く無知のまま事務所に入ったので。入ってからは、ももクロ(ももいろクローバーZ)さんを好きになって、えびちゅう(私立恵比寿中学)さんを好きになって、お家で振りコピして歌って…というのはあったんですけど。入る前は本当に『ハイスクール・ミュージカル』だけでした。あとは、母が好きな安室奈美恵さんとかをずっと聴いていました。

30分の音楽番組でガチンコの歌唱指導

AMEFURASSHIの多様なサウンドを見事に歌いこなすメンバー4人の土壌は、日頃のレッスンもさることながら、テレビ番組『清塚信也のガチンコ3B junior』(※1)が大きかった。愛来らはAMEFURASSHIとしてデビューする前、3B junior(※2)というグループで活動していた。『清塚信也のガチンコ3B junior』(以下、ガチンコ3B junior)はきくち伸がプロデューサーを務め、ピアニストの清塚信也と歌手・ボイストレーナーの今井マサキが毎回3B juniorのメンバーから3〜4人を招集し、課題を課して鍛え上げるという30分番組として、2016年にフジテレビNEXTでスタート。愛来は初回から出演し、やがて番組MCを担当する。課題曲はジャンルや時代に関係なく、歌い手の適性に合わせてきくちが(時に本人が)選曲していた。

愛来 めちゃくちゃ懐かしい! (放送が始まった当時は)中学生の頃で歌は得意でもないし、全然上手くもないし、ピッチも取れない初心者でした。初めて出演する1曲目は自分で好きに選んでいいということになっていて、私は秦 基博さんの「ひまわりの約束」を選ばせていただきました。で、2回目からいきなり井上陽水さんの「白い一日」が渡されて。練習している段階で難しくて1回泣きましたね。

ちょっと遠い記憶なので不正確かもしれないのですが、(収録の)1ヶ月前から2週間前ぐらいの時には課題曲をいただいていました。ボイトレする時間はきちんと取っていただいていたので、準備の時間は割とあったと思います。

※1…CS放送フジテレビNEXTで月1回放送されていた音楽番組。2017年より『清塚信也のガチンコスターダストプラネット』に変更された。2018年には先生役が小幡康裕に変わり、『コアラモード.小幡康裕のガチンコスターダストプラネット』となった。
※2…スターダストプロモーション所属タレントで構成された研究生グループ。2014〜2018年に活動した。

——「日本一低予算な音楽番組」を自称する『ガチンコ3B junior』は、1人ずつが清塚のピアノの傍に立ち、彼が奏でるピアノに合わせて歌う。歌い終わると今井が感想を述べて的確にアドバイスをする。まだ若くて舞台経験が乏しい出演者にとって、二人の音楽家と対峙する一対一の歌唱は過酷で、出演メンバーの緊張感は画面を通して伝わってくる。収録後、編集はほとんどなされずに放送されていたという。

愛来 基本的にリハーサルは私たちの練習というよりは、ピアノを弾いてくださる清塚さんとの合わせがメイン。何回も撮るというわけじゃなくてリハーサルでも2回ぐらいしか歌わなかったりとか、本当にぶっつけ本番みたいな形でしたね。

——歌い慣れていない課題曲をピアノだけの演奏で歌うことで本人の素の歌唱力が浮き彫りになる。講師役の今井や清塚からはどんなアドバイスや評価があったのか。

愛来 声を褒めてくださることが多かったです。「今のままで伸びていったらいいよ」っていうスタンスで教えてくださっていたので、声の質感や出し方というのはあまり変わってないかなって自分では思うんですけど…、やさしい声で歌うとか強い声で歌うとかっていう幅広さは、自分の中では成長できた部分ではあります。

いちばん変わったことは、声の厚さ、かな。私が昔好きだった歌手の方が、割と線が細い感じの歌声だったのでそれを真似して歌うことが多かったんですけど、今はちょっと息を交えて歌うとか、すごく強くびっくりさせるような声を出すとか、いろんな出し方を覚えたところだと思います。説明がわかりにくくて、すみません。

他にも、私は低い音を出すことにちょっと苦手意識があって…。今井先生からテクニックを教えていただいてからは当時よりは出るようになって、すごく今に活きてるなって感じます。まだまだたくさんあるんですけれど。

——課題曲を決めていたきくちとの間ではどんなやりとりがあったのだろう。

愛来 (きくちさんからは)なんでこの曲にしたのかというのは直接伝えられなかったんですけど、収録が終わった後は「今日はよかったよ」とか何も言われなかったり。出来次第で変わるのですけど、いつも共通して言われていたのは「声だけはいい」みたいな。それがたまに嫌になって…「こんなに練習して、ボイトレもがんばって収録したのに、声しか褒められないんだ!?」ってすごく悔しくなった時期もありました。その感情が出て声が乗ってなかったのか「なんか最近よくないよね」と言われましたね。さらっとすごいことを言う、正直な方なんです。でもそれがわかりやすくて、助かりました。

『ガチンコスタープラネット』があって、今のアメフラがあるって言っても間違いじゃないのかなって思います。あんな修羅場の撮影現場で、あれを超える緊張感の所に行ったことないです。「あれがあるから何がきても大丈夫」ってきくちさんも言ってました(笑)。

ギターの演奏や作詞にも挑戦した成長の現場

——『ガチンコ』をきっかけに愛来はギターに挑戦し、ユニット結成(※3)にまで至る。ピアノのレッスンは幼児期より受けていたが、ギターを手にするのは初めてのことだった。

愛来 当時、栗もえか(※4)がギターデュオをやっているのを見て、すごく楽しそうって思って。誕生日プレゼントに両親に「ギターが欲しい」って頼んで買ってもらって。コードをネットで調べて独学でやるみたいな感じだったので、正しい弦の押さえ方とか指番号とかもあるのにすごく変な方法でやってて。それを『フォーク村』(※5)に出演させていただいた時に、坂崎さんに教えていただくっていう贅沢なこともあったんですけど(笑)。一人で弾いて歌うというのも初めてだったので、すごく緊張したのを覚えてます。

——ピアノの他に演奏できる楽器にギターが加わることで、音楽の聴き方や向き合い方に変化はあったのだろうか。

愛来 ありました。自分で(楽器の)音を奏でながら声でも表現をしなきゃいけないので、リズムを“食う”とか、無音の時間ですら音にしなきゃいけないとか、言葉にしづらいのですが、そういうものがわかるようになりました。

AMEFURASSHIで歌ってる時、いろいろ意識しなければならないことがあると割と走ってしまうんです。でも、「サビに行く前の無音になったタイミングで切って、思い切りサビで出す」というような、昔は(誰かに)指摘されないと気づけなかったことが、自分でわかるようになったのはギターがあったからなんだろうなって思うことはあります。

——さらに、『ガチンコ』の現場をきっかけに作詞にも挑戦するようになった。

愛来 萌花がきくちさんに「歌詞を書け」と言われて提出しているのを見ていたので、私は特にそういうことを言われてなくても「やってみたいな〜」と思って書いて、「書いてみました」って提出して。それで何回か提出するようになりました。

——そうして綴られた言葉に曲がついて楽曲ができあがる。自分の言葉が歌になった時はどんな気持ちになるのか。

愛来 うれしい面もあれば結構恥ずかしい。今自分が考えていることが丸見えなので。当時書いた歌詞を今見ると、「ちょっと気分が落ちてる時だったのかなぁ」とか「考え方が素直!」とか歴史をたどれるみたいな感じがしてすごく楽しいんですけど。当時の曲を歌うとなったら結構恥ずかしいとは思います(笑)。

詞を書いている時は恥ずかしくないんです。自分が思ったこと、伝えたいものを書いて、それをきれいにまとめて…、できた時は達成感なので。「あ、いいものできた!」って。

私もそうなんですけど、好きなアーティストさんが自分で作詞作曲して歌っているのを見るとより響くし、「自分と同じ境遇だったんだ」って思うとがんばれるんですよね。自分もそういう存在になれたらいいなってちょっと思って書いていました。

※3…『清塚信也のガチンコ3B junior』から、2016年にガチンコ3というユニットが生まれた。雨宮かのん、鈴木萌花、愛来の3人組から始まり、翌年に栗本柚希(くりもとゆずき)が加わった。
※4…ガチンコ3から2018年に派生した、栗本柚希と鈴木萌花のユニット。栗本柚希が引退して活動終了。
※5…『しおこうじ玉井詩織✕坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』(フジテレビNEXT)。坂崎幸之助(THE ALFEE)と玉井詩織(ももいろクローバーZ)が、ゲストミュージシャンを迎えてセッションを行う生放送番組。

Photo by 木村泰之

夏に向けて活動が加速するAMEFURASSHI

先述のように、AMEFURASSHIは5月27日に最新EP『Four Hearts』をリリースし、テレビ番組『オールスター合唱バトル 2025』に出演する。

さらに、夏はAMEFURASSHIの生パフォーマンスを堪能できるチャンスが目白押し。なかでも2つのステージは必見。まずは、8月9日の「LuckyFes’25」(茨城県ひたちなか市・国営ひたち海浜公園)。AMEFURASSHIは2023年から参加していて今年は3回目。ノンストップの全力パフォーマンスは圧巻。昨年のステージ映像が期間限定でYouTubeにて公開中だ。

【2025.08.19まで期間限定公開】AMEFURASSHI with RAM RIDER/「LuckyFes’24」(2024.07.13)

そして、8月19日は東京・Zepp Divercity(TOKYO)にてワンマンライブを開催。昼夜の2部公演で、それぞれ演出とセットリストが異なるという。「ライブではかわいいだけじゃなくて、オシャレさやカッコよさなど、AMEFURASSHIのいろんな表情を見られます」と語る愛来。表現力を毎日更新し続けている4人の最新形をぜひ体感してほしい。

AMEFURASSHI『Four Hearts』
●発売⽇:2025年5⽉27⽇
●価格(税込):豪華盤(CD+Blu-ray)8,000円/M∞カード(全10種/ランダム)2,000円 ●Streaming/Download※⼀部サービスは配信⽇以降に追加されます。 https://SPACESHOWERFUGA.lnk.to/fourhearts

【Music Video】
AMEFURASSHI「Sweetie, Lovely, Yummy」

AMEFURASSHI「Donʼt stop the music」

【Dance Practice】
AMEFURASSHI「Sweetie, Lovely, Yummy」

【AMEFURASSHI Free Live Four Hearts(第一弾日程)】
6⽉  1⽇(⽇)埼玉県某所
6⽉15⽇(⽇)ららぽーと湘南平塚 屋外 1F 空の広場
6⽉29⽇(⽇)Niigoひろば
※詳細決まり次第、AMEFURASSHI公式サイトにて発表いたします。
※追加⽇程・会場については随時発表いたします。
※会場へのお問い合わせはご遠慮ください。

AMEFURASSHI presents「Four Hearts Release Party in CRAWL」
●日時:6⽉1⽇(⽇) OPEN&START 19:00/CLOSE 21:30
●会場:渋⾕CLUB CRAWL(〒150-0011 東京都渋⾕区東1-25-2 マルハシビルB1)

『LuckyFesʼ25』
●開催日:8月9日(土) /10日(日)/11日(月・祝)
※AMEFURASSHI出演日は8月9日(土)
●会場:国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)
●オフィシャルサイト:https://luckyfes.com/

Photo by 木村泰之

AMEFURASSHI Live”Dive!”
●日時:2025年8月19日(火)
<1部>open 14:00 / start 15:00
<2部>open 18:00 / start 19:00
●会場:Zepp DiverCity(TOKYO)
●チケット(入場時別途ドリンク代)
<1部>
1階全自由 4,000円/2階指定席 4,000円/2階ファミリー席 大人4,000円・子供500円
<2部>
1階全自由6,000円/2階指定席 6,000円/2階ファミリー席 大人6,000円・子供1,000円
チケット一般発売中
【ローソンチケット】https://l-tike.com/ameflash/
【チケットぴあ】https://w.pia.jp/t/ameflash/
【イープラス】https://eplus.jp/ameflash/

『オールスター合唱バトル 2025』(フジテレビ系)
放送日時:6月8日(日)19:00〜21:50
https://www.fujitv.co.jp/gassho_battle/

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