DJとしての顔も持つ
ぽっちゃり体型に真っ赤な髪、マーチングバンド風の衣装でスネアドラムを叩き「気付いちゃった、気付いちゃった、ワ〜イ ワイ♪」と、そして“あるあるネタ”を披露する「気付いちゃったマーチ」や「デッカチャンだよ!」のキメゼリフで知られる お笑い芸人、デッカチャン。芸人としての彼の姿は知っていても、DJとして活動する姿を知る人は少ないかもしれない。
短冊CDを集め始めたキッカケはSHAZNA
青春時代にハマった1980〜90年代J-POPを得意分野とし、クラブやライブハウスで“DJデッカチャン”として活躍。趣味と実益を兼ねた“短冊CDコレクター”の一面ももつ。
「昔から音楽が好きで、今では考えられないですけど、中高時代はご飯を抜いてでもCDを買う生活をしていました。当時はB’zやWANDS、Mr.ChildrenといったJ–POPが好きだったので。時代的にも当たり前に短冊CDを買っていたんですが、上京して、中古CD屋さんに行ったら、短冊CDが安価でたくさんあって。『これ持ってない! これは買えなかった!』と宝の山をあさってたら、SHAZNAの『Melty Love』が4枚くらいあって(笑)。『これ、たくさんあったらおもしろいな』と思い買い占めたのが、意識的に買うようになったキッカケでした」
学生時代は欲しいCDを厳選して買っていたが、安価で買える中古CDの存在を知り、コレクター魂に火がついたデッカチャン。ちなみに学生時代、初めて買った短冊CDは、「クィーンズの『踊るポンポコリン』か、B’zの『太陽のKomachi Angel』の どっちか」だそう。
「学生時代、音楽の話をする友達はあまりいなかったんですが、当時はカラオケがブームだったので、遊ぶならカラオケといっ た感じ。短冊CDにはカラオケ音源が入っていて、表紙の裏に歌詞が載っているので、歌詞を見ながら家で歌の練習をしていました。だからDJが好きなのかな? とも思うんですけど、好きな曲をカセットに編集して“マイベスト”を作り、A面、B面を無駄なく綺麗に収めるのが好きだったので、A面の最後に時間調整で『リゲインのテーマ』(※)を入れたりして、オリジナルテープを作っていました」
学生時代に買い逃したCDを買ったり、短冊ならではのアートワークに惹かれてジャケ買いしたりするうち、コレクションはどんどん増えていった。
「今はなかなかないけど、レンタルCD屋さんのレンタル落ちや、中古CD屋さんのワゴンセールになっている短冊CDをあさって、いろんなジャケットを見るのが大好きでした。あと、短冊CDって、販売していた年代が限られていて。88〜03年しか製造されていないんです。この期間だけのカルチャーってのも、掘り甲斐あるんですよね」
学生時代はJ–POPが好きで、ロックはあまり聴いていなかったというデッカチャン。短冊CDを集めるようになり、好きなジャンルの幅も広がった。
「学生時代、ロックはこわいイメージがあったので、あまり聴いてなかったんですけど、短冊CDを集めるようになって、ロックも聴くようになりました。ユニコーンさえもやんちゃなイメージがあって聴けなかったんですけど。『デーゲーム』で坂上二郎さんがジャケットになっていて、『やんちゃじゃないんだ!』と思って、そこから好きになりました。Xは聴いてなかったけど、hideは昔から好きで聴いていて。髪が赤いのはhideとSHAZNAの影響がどこかあるんじゃないか? と思っています」
現在、デッカチャンが所有する短冊CDコレクションは約3千枚。しかし今は、8cmCDを手軽に聴いたり、再生できる環境がないのが、悩みのタネなのだそう。
「一度も聴いていないCDも結構あるんですけど、その理由は、僕が所持していた、パカッと上に開けるタイプのCDJが壊れて、今再生する機器がないんです。僕が初めてDJをやった頃は、パカッと開けるタイプのCDJがよく使われていたので、短冊CDをたくさん持って行って、DJプレイしていたんですけど。今はスロット式が主流なんで、アダプタを付けてもうまく鳴らないことが多いんです」
現在のCDJやCDデッキは、8cmCDの再生を想定していないので、8cmCDサイズに合わせるアダプタに取り付けて再生するしかないのだが、アダプタに取り付けての再生はトラブルも多いそう。
「特にDJやっている時なんて、急いで次の曲を用意したいのに、入れたら音が鳴らないこともしばしば。今はトラブル防止のために、DJの時はCD-Rに焼いています。本当は短冊CDを山ほど並べたり、プレイ中の曲のジャケットを前に置いたりして、短冊DJならではのプレイがしたいんですけどね」
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