使用済みカラーチューブがアルミ資源となる
使用済みカラーチューブのリサイクル活動は全国の美容室にずいぶん周知されてきたが、年間約3500万本(厚生労働省令和3年資料より推計)ものカラーチューブが消費される現在、回収されるカラーチューブはまだまだ少ないのが実情だ。すべての使用済みカラーチューブがリサイクルされれば、ゴミ問題だけでなく、新たにアルミ製造する際のCo2削減にも大きく寄与することができるはずだ。
使用済みカラーチューブがリサイクルできることを知っていても、分別が難しい印象があるのかもしれない。どのようにリサイクルされるのか知らない美容師はまだ多いのかも……。というわけで、使用済みカラーチューブのリサイクルを知るべく、プレッピー編集部がアルミニウム二次合金製造を行う『カンノ』(長野県松本市)へ工場見学に行ってきた。
まずは、全国から集められたアルミのスクラップと一緒に使用済みカラーチューブ(キャップは外す)が800℃の回転炉に入れられ、高温処理される。チューブ内に残った薬剤はこの時点で燃えてなくなるのだそう。ほかのアルミ原料と一緒に3時間かけて溶解し、溶融した純度の高いアルミが型に入れられアルミ合金地金に。
それらがアルミ資材となり、飲料缶やアルミサッシなどさまざまな製品へ生まれ変わる。ゴミを有効活用できるこのシステム。現在理美容室では使用済みのカラーチューブは事業ゴミとして有料で廃棄しているが、サスティナブル時代のこれからはリサイクルに出す美容室は増えていくだろう。
リサイクルの流れ
1.工場に到着
現在、ボランティア団体『BBリサイクル パートナーズ』が直接持ち込んだり、送付している。
2.集積所に集められる
使用済みカラーチューブを段ボールから集積所へ。まとめて送れば、工場スタッフの手間も省ける。
3.アルミの端材と一緒に
使用済みカラーチューブはアルミの切粉や端材と一緒にまとめられ、工場内で一時待機。
4.800°Cの回転炉に投入
10m離れていても強い熱気を感じる回転炉。800°Cもの高温のなかで3時間かけて溶解する。
5.型に入れて凝固させる
不純物がきれいに取り除かれ、純度の高いアルミ合金地金に。ドロドロになったアルミを型に入れて凝固。
6.アルミ地金にリサイクル
アルミ合金地金となって、飲料缶やアルミサッシなどさまざまなアルミ製品に再利用される。
美容室の使用済みカラーチューブの受け入れ団体は2つある!
BBリサイクル パートナーズ
『バーバーイシイ』石井賢一さんらが活動する、使用済みカラーチューブ再生促進を目指すボランティア団体。
https://bbrecycle.jimdofree.com/
理美容専門卸問屋 ファイブ
全国店舗(東京・表参道、池袋、吉祥寺/大阪・梅田)に集積BOXを設置している。BOXに入りきらない場合はスタッフに預ければOK。
(出典:「PREPPY 2024年1月号」)
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