“生きた革”を纏うストラムの革哲学。

革ジャンには、作り手の価値観や思想が表れる。ストラムの革ジャンの基本的なデザインはオーセンティックだが、素材や仕上げの工程には明らかに他のブランドと異なる個性が浮かび上がる。
まずは、素材選びについて。国内タンナーで独自レシピによって仕立て上げるレザーの種類は、モデルによって様々だが、製品化にあたって革に傷が残る部分なども、あえて“生きた証”として使用するモデルもあり、革本来の表情を引き出すスタイルが特徴だ。また、独自開発の技である“バーニングダイ”は、アルコールを高濃度に混ぜた特殊な染料を吹きかけながら火を付け、手染めとは異なるムラ感を生み出す染色方法。素上げのバーニングダイ染色は、色味の変化が現れやすく、革本来の表情の上に着用者のライフスタイルから生まれる経年変化を映し出す。
「革ジャンは人間と同様、いろんな経験値を経て色気を増す特別な衣類。革に究極の経験をさせ、他に無い独自の表情を生み出しています。あくまでも我流の革ジャンで日本のレザーシーンに爪痕を残したいと思っています」。とデザイナーの桑原さんは語る。
革が生きた証、表情を生かすことに焦点を絞り込んだストラムのモノ作り。独自性に満ちた革ジャンは、着用者と様々な経験を共にし、体に馴染み自分の皺を刻み込むことで唯一無二の輝きを放つ。
LIST -NIGHTFALL NAVY-





“ロンジャン”スタイルのダブルライダース『リスト』をバーニングダイでフィニッシュ。イタリアンダブルショルダーをブラウンに染め、製品の状態でネイビーのバーニングダイを施すことで、独特のムラ感を表現。背中心を合わせたダイナミックなトラやシボの質感に加え、バーニングダイによる唯一無二の表情が最大の特徴。そして、着込むほどにムラや濃淡はコントラストを増し、着用者の生き様を刻む。まさにストラムの真髄を堪能できる1着。30万8000円
【問い合わせ】
ストラム
TEL03-6303-0696
https://strum.jp
(出典/「Lightning 2025年12月号 Vol.380」)
Text/Y.Kinpara 金原悠太 Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
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