古着市場の次なる注目株とは? 青タグChampionカットソーの見極め方を教えます!

古着ブームは留まることを知らず、ヴィンテージは枯渇、値段高騰も甚だしい。そんな世間でスポットライトを浴び始めたのが、これからヴィンテージになりうる1970年代以降の「ネクストヴィンテージ」。ここでは、そんな古着たちを深掘りする。第9回目は「チャンピオン」の「目付き青タグ」カットソーに絞り掘り下げる。「ランナータグ」や「タタキタグ」、「バータグ」、「トリコタグ」といった有名で人気のある各種タグのほか、看板アイテムである「リバースウィーブ」も含め、ヴィンテージ市場では旧くから高い人気と価値を誇っているアスレチックウエアの老舗ブランド「チャンピオン」。前回前々回と2号にわたり青タグの付く「チャンピオン」について掘り下げてきたが、今回は同ブランドのスウェットに次ぐメインアイテム“カットソー”を見ていこう。

ディテールからアイテムを読み解く

運動着が化繊主流となる中で、コットン地で作られるアイテムがカジュアルファッションの主軸となっていった〈チャンピオン〉目付き青タグのラインナップ。ブランドロゴを前面に押し出したアイテムが製作されるなど、カジュアル路線へと舵を切った様子がうかがえる。

杢のヘヴィーTシャツ「T1011」品番にソリッドカラーが登場。

「チャンピオン」が1930年代から作り続けるヘビーウエイトTシャツの後継モデル「T1011」(ティー テンイレブン)。1960年代から’80年代のアイテムで多く見られ、ヴィンテージ市場でも人気のあるアイテムだ。目付き青タグの時代になると、それまでの杢カラーだけだったものが、様々な単色ボディが登場する。

7700円 (ドロップ TEL03-3463-6086)
9900円 (ドロップ TEL03-3463-6086)

’70年代後期頃から「T1011」に使用された綿88%レーヨン12%のカットソー地は、肉厚で丈夫な質感が特徴。杢カラーはこの配合の生地を継続し、ソリッドカラーは100%コットンのカットソー地で作られていることがタグ裏に記載される。

5390円 (デザートスノー 千葉TEL043-225-9600)
4900円(デザートスノー 1号店TEL042-727-3660)

この頃から、カジュアルなアイテムも増えてくる。

ブランドロゴをプリントや刺繍で胸や袖に大きく入れる。カレッジカラーにはない、当時らしいボディカラーとボーダーリブの組み合わせなど、カジュアルウエアとして作られたアイテムが豊富に存在する。

3900円 (デザートスノー ガーデン店 TEL03-5761-6390)
7150円 (ドラセナ吉祥寺本店 TEL0422-26-9366)

タグに入る住所がNYの場合は1992年以前まで。

タグ裏の所在地がニューヨーク表記であるならば本社がノースかロラナへ移動する1992年以前に製造されたものと推測できる。本社移転以降からはタグ裏に記載される住所にはノースカロライナと記載されるようになる。

1万780円 (バックストリート TEL042-720-0355)
この記事を書いた人
原田学
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原田学

断然古着主義

1972年京都府生まれ。『2nd』『Lightning』『CLUTCH』 を支えるスタイリスト。『2nd』での連載は通算200回を超え、現代の古着市場のリアルな声を反映したスタイリングには定評がある。ヴィンテージやアンティークへの深い知識を持ち、素材や背景を理解したコーディネートにファンも多い。自らの“好き“を詰め込んだ私的アーカイブ『the SUKIMONO BOOK』は、ファッション業界内でも愛読者の多い。
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