オールドモーターがアメリカンヴィレッジに集結! アーティストから発信する琉球カスタムカルチャー。

  • 2025.01.01

去る10月27日、沖縄県中頭郡北谷町にあるアメリカンヴィレッジの一角が沖縄に根付く旧き良きアメリカのカスタムカルチャーで埋め尽くされた。全国的に見ても珍しい、ペインター/ピンストライパーが主体となって作り上げた、カスタムカルチャーの祭典をレポートする。

ジャンルレスなオールドモーターがアメリカンヴィレッジに集結。

北谷町美浜、アメリカンヴィレッジの外れにあるジバゴコーヒー前の遊歩道がイベントの開催地。アメリカンクラシックカーやカスタムモーターサイクルのショーを軸に据え、物販やアートショーなど、カスタムカルチャーの枠の中で様々なコンテンツが用意される。関東や東海の数百台の車両が集まるビッグイベントに比べれば、決して大きな規模ではない、しかし、美浜2&4カスタムストリートは、沖縄特有のカルチャーが色濃く表れた唯一無二のイベントである。

まず特筆すべき点は、イベントの主催者がピンストライパー/サインペインターであるということ。2&4カスタムストリートは、昨年まで2&4カスタムマニアックスという名前で、ペイントショップ『8ポイント』の仲西氏が主催し、今年からペイントショップ『ドローワーズ』のKENT氏にバトンを受け継ぎ、リニューアル第一回目を迎えたイベントだ。

クルマやバイクが遊歩道に展示される一方で、ジバゴコーヒーショップ2階スペースではアーティストたちのブースが用意され、ライブペインティングや物販が行われる。

そして、メインコンテンツの一つと言えるペイントジャムは、お客さんたちの目の前でアーティストが交互に筆を取ってその場で即興のアートを生み出し、会場を沸かせた。ショーイベント内でピンストライパーのコンテンツが見られるのは他のイベントでも珍しくないが、2&4カスタムストリートはショーコンテンツと並ぶほどにアートの世界観が色濃いことが最大の特徴と言えるだろう。

ジバゴコーヒーのファサードや店内にもローカルアーティストによるハンドサインが描かれているし、イベント終了後に沖縄の各地を徘徊していたところ、様々なエリア、ショップでイベントに参加していたアーティストの作品を発見した。沖縄は台風が多いことから、コンクリート作りのフラットな壁の建物が多く、カフェやハンバーガーショップなどでは、壁に直接ハンドサインを描く例が多いようだ。筆を武器とするアーティストが育ちやすいのも沖縄の土地柄なのだろう。

また、アメリカンヴィレッジという立地の影響か、ファミリーで来場する人が多かったのも印象的。コーヒースタンドの目の前には芝生公園があり、少し歩けばビーチもある。老若男女が力を抜いてゆっくりとカスタムカルチャーに浸る時間を過ごすことができるイベントなのだ。コアなファンばかりが集うのではなく、ココに遊びに来る人々にカスタムカルチャーを広めることもこのイベントの重要な意義なのだ。

「小さいイベントですがアメリカンクラシックカー、カスタムモーターサイクルに関連する様々なプロの仕事を一般の方々に紹介するローカルイベントです。大きな目的は沖縄のカスタムカルチャーの構築と普及。また、サブテーマとして”ART & KUSTOM“を掲げているのですが、イベント全体を通して、アートを含むカスタムカルチャーを表現していきたいと思っています」と主催者のKENTさんは語る。

会場の雰囲気も含め、他の都道府県のイベントにはない沖縄独自のカスタムカルチャーが色濃く映し出された空間。今後も年1開催予定、沖縄県内の方も遠方の方も、他では味わえない世界観を堪能してみてほしい。

左が前身の2&4カスタムマニアックスを立ち上げた8ポイント仲西さん。そして右が中西さんの意思を受け継ぎ、2&4カスタムストリートを主催するKENTさん。ピンストライパーが主体となって発信する沖縄流儀のカスタムカルチャーに注目したい。

会場に集結したオールドモーターを紹介!

ジバゴ前に並ぶ’56シェビー、’60シェビーはオリジナル基調のクリーンなスタイル。’59キャディラックのスペーシーなデザインが椰子の木が並ぶ会場の雰囲気にマッチ。広場前に展示されたグリーンの’67シボレー・インパラは愛知CHOLO’Sがペイントを手がけた珠玉のローライダー。

会場内で異彩を放つ小さなクルマ(?)は、神奈川KOI MOTORSがビルドし、昨年のHCSでアワードを多数獲得した“SPACE SHIP”。ボディのベースは’50年代の回転木馬用なのだとか。

ローライダーやホットロッド、マッスルカーなど、ジャンルを問わず、オールドカーが集うのが『2&4カスタムストリート』の魅力。モーニングクルーズから参加した車両も多く、日常的に走るストリートのオールドカーが並んだ。

モーターサイクルはH-Dを中心にヴィンテージモーターのチョッパーが多数エントリー。オールドスクールなセンスが色濃く、走りを楽しむリアルなチョッパーが並んだ。

高めのエイプハンガーやフリンジ付きシートが特徴的なトライアンフ・チョッパー。前後逆付けのヘッドや具志堅用高のペイントなど、個性的なカスタム。

2&4入り乱れるモーニングクルーズを開催。

イベント当日朝に、会場付近にてモーニングクルーズを開催。道路脇に椰子の木が並ぶ景色は沖縄ならでは。国産からアメリカ車、英国車などスタイルは様々だが、イベント名の通りストリートでリアルに走ることを証明。

即興のアートが生まれるピンストライプ・ジャム。

2&4カスタムストリートのメインコンテンツのひとつであるピンストライプジャム。9人のピンストライパーが参加し、ブランクのボードに1人2分間の制限時間で交代でピンストライプを描き、アートワークを完成させる。それぞれが前のアーティストが描いたラインを見て筆を取るため、即興のセンスが表れるエンターテインメントというわけだ。アーティスト色が濃いこのイベントならではのコンテンツと言える。

それぞれのアーティストが決められた色の塗料を使って各ボードにピンストライプを描き完成した、6枚の即興のコラボレーションアートがコチラ。ひとつの作品につき6人のアーティストが携わりピンストライプの下にサインが描かれる。完成したアートワークはその場で販売された。

ピンストライプジャムに参加したアーティスト。左からKESO PAINTS/ MPS/HOPPING SHOWER / 8POINT / HAND SIGNPAINTERS / ORVIS ONE / DRAWERS BRUSH ART / HANZA SIGN WORKS。集合写真にはいないがピンストライパーのRYOJI も参加。

好みのアーティストを見つけてペイントのオーダーをすることも可能。自走参加の車両にその場でピンストライプを加える光景がアチラコチラで見られた。手描きの筆から生まれるハンドメイドのカスタムだ。

(出典/「Lightning 2025年1月号 Vol.369」)

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