「シュガーケーン」のスーパーヴィンテージ復刻シリーズ第二弾「1945年モデル」2025年発売

超希少なヴィンテージをもとに、その魅力を完全再現するシュガーケーンの新企画“SCSC”。発売後に即完売となった昨年の第一弾に続き、2025年にリリース予定の第二弾が先日アナウンスされ、ライトニング本誌前号ではその概要をお届けした。今回は1942年前期モデルと共に発売される1945年モデルの寸分違わぬディテールの再現度の高さを解説する。

流用しているパーツはひとつもありません。

「シュガーケーン」企画統括・福富 雄一さん|パタンナーとしての経歴を持ち、企画の統括のみならず自らサンプルを製作して改良を重ねる。ディテールからパターンに至るまでヴィンテージの再現を追求する職人

「1945年モデルはセットアップで製作しました。ブラウスのもとになったヴィンテージは、ワンウォッシュの極上ミントコンディションで、ヴィンテージ市場でも人気のTバック仕様。軍汎用のドーナツボタン、刻印のない鉄リベットなど、大戦モデルらしい簡素化された仕様が魅力です。それだけでなく、オリジナル特有のディテールも複数見られます。

たとえば、襟先やカフスに使われているデニム地の目の向きが通常とは縦横逆になっていたり、襟先が極端に鋭角だったり、ベルト部分に比べてカフスがかなり太かったり。そしてウエストオーバーオールズも同様で、仕様が簡素化されたはずの大戦期モデルなのに、コインポケットにリベットが打たれてしまっている点がその最たる例ですね。なお、こちらも革パッチに入る“A”の印字が読める状態で発見され、個体が特定できるものは世界に2本しかないとされている非常にレアなヴィンテージ。

1942年モデルと比べて一層荒々しい生地感も再現しています。ほかにも語り尽くせないほど、今回参考にしたオリジナル各々で細かく仕様が違っているのですが、それこそが大戦モデルの面白さ。流用できるパーツは見事にひとつもなかったので、1942年・1945年モデルそれぞれの専用としてすべて作り直しています。私の細かいこだわりではありますが、そういった点も含めて楽しんでもらえればと思っています」

SUGAR CANE SUPER “DENIM” COLLECTIBLES「S1945MODEL」

簡素化された仕様を示す“S”が付く、1945年後期のモデル。パンツはパッチに“A”がスタンプされた非常に希少な個体を再現。ブラウス6万500円(サイズ36〜44)、6万3800円(サイズ46〜50)、パンツ4万9500円

ここからは上の写真がオリジナル、下がシュガーケーンの「1945年モデル」になる。

“S1945” BLUE DENIM BLOUSE

プリーツに入るボックスステッチは、同時期の他の個体に比べて非常に小さい。規制により専用ボタンが使用できなかったため、軍汎用のドーナツボタンを使用している。

帯付けのステッチ裏側を見ると、上糸はイエローだが、下糸には通常ボタンホールにしか使われないブラックが使用されている。チェーンステッチの精度もやや粗め。

バックシンチは、通常よりもメリハリのないナローな形状。大戦後期から見られる「ヤスリバックル」も金型から製作し、形状から風合いまで再現している。

鋭角な襟型や、襟に対して通常は横向きに使われるところを縦向きに使った地の目など、オリジナルに見られた独特なディテールから、歪なステッチワークに至るまで再現。

“S1945” BLUE DENIM WAIST OVERALLS

前頁で紹介した1942年モデルとは異なり、フロントボタン裏には、鉄製のニッケルフィニッシュのタックが配される。サイズが異なるトップとフライもそれぞれに再現。

シャトル織機で織ったスレーキを、地の目は横向きで使い、底部分にはセルビッジを採用。オリジナルに押されていた青いインクのスタンプも、オリジナルのとおりに踏襲。

経年により鈍くくすんだ鉄製のトップボタンは1942年モデルともまた風合いが異なるため、同モデル専用パーツとして製作。コーナーのステッチワークの再現度にも注目。

大戦モデルでは省略されるはずのコインポケットのリベットが打たれており、かつポケット口のステッチ上とステッチ下、いい加減に打たれてしまっているユニークな仕様。

【問い合わせ】
シュガーケーン(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
www.sugarcane.jp

(出典/「Lightning 2025年1月号 Vol.369」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

Pick Up おすすめ記事

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。