世に広めた立役者「Danny」河合裕介さんに聞く、「FINE CREEK」の魅力とは?

ここに、ファインクリークのレザーアイテムを愛してやまない男がいる。帯広のセレクトショップ「…Danny」代表の河合祐介。革好きの方にとっては「リッチモンド河合」と呼んだ方が、通りがいいかもしれない。ファインクリークレザーズの名作「リッチモンド」を日本中に広めたのは、彼の力によるところが大きい。リッチモンド=河合。ブランドの一モデルを、自身のアイコンにまで昇華させた彼の、ファインクリーク愛の源に迫った。

リッチモンドを見たとき、このブランドだと思いました。

革ジャン好きの方なら、知らぬ者はいないであろう「リッチモンド河合」。北海道・帯広のセレクトショップ「…Danny」の代表ながら、その知名度は全国区。毎日着込んだ彼のリッチモンドは、圧倒的なエイジングをみせ、もはや彼の第二の皮膚と化している。

「ファインクリークの山﨑さんも帯広出身で、同郷なんです。だから、というわけではないんですが、彼の生み出すプロダクトの色気、コンセプト、斬新さ、彼のモノ作りの姿勢、すべてが自分の中にスッと入ってくるんです」と河合さん。世にGジャンタイプ旋風を巻き起こしたリッチモンドを初めてみた時、衝撃が走ったという。「あのプロダクトを見た時、このブランドについて行こうと思いました」

大判のディアスキンならではの圧倒的な存在感。|C WORKS/LTAIL

ファインクリーク代表の山﨑さんが手掛けるもう一つのライン「Cワークス」。革を使った斬新なアイテムを数多くリリースしているが、河合さんのお気に入りはこちらの「ルテイル」。ご覧の通り、M-65フィッシュテールパーカをモチーフに、1.2㎜厚の渋鞣しのディアスキンで再構築した、圧倒的な存在感を放つモデルだ。着丈の長い前身頃や後ろ身頃など1枚革で製作しているため、大判の鹿の丸革を使用している。オリジナルに忠実な袖口の仕様なども見どころだ。39万9960円

日本中を魅了したファインクリークの代表モデル。|FINE CREEK LEATHERS/RICHMOND

革ジャン業界にGジャンタイプ旋風を巻き起こした立役者とも言えるモデル「リッチモンド」。往年のファーストモデルをサンプリングしながらも、パターンを徹底的に見直し、スタイリッシュに再構築したファインクリークレザーズの代表的モデル。袖付などはライダースのパターンを採用し、脇部分などのもたつきもなく、スマートに着こなすことができる。1.2㎜厚の渋鞣し・アニリン仕上げの馬革を採用、茶芯仕様なので着込むほどにエキサイティングなエイジングが堪能できる。18万1500円

ヴィンテージファンも納得の革の質感を体験せよ。|FINE CREEK LEATHERS/GILMOUR

1930年代のカーコートをモチーフに、ファインクリーク流の解釈で現代に甦らせた人気モデル「ギルモア」。特筆すべきは肉厚な馬革。2.0㎜厚の素上げの馬革を使用しているが、原皮の段階から肉厚な皮を選別し鞣しているだけあり、その重厚感はヴィンテージさながら。圧倒的なシボ感も楽しめ、経年でうっすらと出現する茶芯もレザーファンにはたまらない。通常のカーコートのようなAラインではなく、裾部分が内側に入るXラインを採用しており、美しいシルエットを実現している。25万4980円

【DATA】
ファインクリークレザーズ
TEL050-3390-2470
http://www.finecreek.jp

…Danny
北海道帯広市大通南25丁目14番地1西側
TEL0155-29-0929
https://danny-k.jp/

(出典/「Lightning 2024年12月号 Vol.368」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...