夏の日のレザーベスト考。「FINE CREEK & CO.」のJEFFERSON

物欲旺盛なライトニング編集部員たちが、今の気分で選んだ欲しいモノや身銭を切って購入したアイテムをジャンルレスで報告! 今回は「『濹東綺譚』『摘録 断腸亭日乗』を久々に読み返していたら永井荷風の全集が突然欲しくなった。岩波書店『荷風全集全30巻』が古本で4万円くらい。絶賛迷い中です」と語る革ジャンの伝道師モヒカン小川がお届け!

FINE CREEK & CO.のJEFFERSON

ベジタブルタンニン鞣し・ピグメント仕上げの1.3㎜厚のポーランド産の馬革を使用。ステーキングを施してあり、柔軟性とコシがあるのが特徴だ。茶芯仕様なのも嬉しい。往年のワークベストをアレンジし、スタイリッシュにモディファイしたデザインで、Vゾーンの深さがモヒカン小川好みに仕上がっている。「胸ポケがあるのも、夏場は便利なのよね〜」byモヒカン小川。10万8900円(ファインクリークレザーズ TEL050-3390-2470)

革ベストとは、ラーメンで例えると「海苔トッピング」である。別にそれによって腹が膨れるわけでもない。ぶっちゃけ無くても全く困らない。でも、海苔を入れることで若干ではあるが風味が増し、ドンブリの縁に並べられた数枚の海苔は、まさに孔雀が羽を広げた如し。俄然見栄えが良くなるのである。ちなみに「煮卵トッピング」は、さしずめシルバーアクセだろう。一見、目立たずに他の具と混じってちんまりしているが、よく見ると半熟の鮮やかな橙色が、ラーメン全体に彩りと色気を与える。

で、今回はその「海苔」の話である。夏はTシャツに革ベストがお決まりの俺だが、最近、革ベストを新調した。ファインクリークアンドコーのジェファーソン。元々ずっと着ているのだが、今回のは顔料仕上げ。俺が従来着ている染料仕上げとは違うエイジングが楽しめそうなので、ゲットした。

夏場のTシャツ&ベストの難点は「移染」。汗をかいて、ベストの色がTシャツに移ってしまうのだ。その点、こちらは顔料なので、染料ほど移染を気にする必要はない。Tシャツにベストを羽織っただけなのだが、コーデがちょっぴり立派に見えるでしょ? これが「海苔」効果である。

確かに夏場の革ベストは暑い。しかし、真夏の東京で革ベストを着るよりも、素っ裸で熊谷にいる方が暑いと思う。大手町をスーツで闊歩するビジネスマンの方が、よっぽど過酷なのではあるまいか。そう自分に言い聞かしている。

夏の革ベストトッピング、皆さんに是非おすすめしたい。

カラー展開はブラックとブラウンの2色。モヒカン小川の場合、白いTシャツにはブラックのベスト、黒いロックTなどを着る時はブラウンのベストを合わせることが多い。冬にはジャケットの下にも着ることができる
バックにはアジャスターベルトを装備。実用性のみならずデザインのアクセントにもなっている。茶芯仕様で、着込み甲斐もある

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年8月号 Vol.364」)

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モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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