FINE CREEK & CO.のJEFFERSON
革ベストとは、ラーメンで例えると「海苔トッピング」である。別にそれによって腹が膨れるわけでもない。ぶっちゃけ無くても全く困らない。でも、海苔を入れることで若干ではあるが風味が増し、ドンブリの縁に並べられた数枚の海苔は、まさに孔雀が羽を広げた如し。俄然見栄えが良くなるのである。ちなみに「煮卵トッピング」は、さしずめシルバーアクセだろう。一見、目立たずに他の具と混じってちんまりしているが、よく見ると半熟の鮮やかな橙色が、ラーメン全体に彩りと色気を与える。
で、今回はその「海苔」の話である。夏はTシャツに革ベストがお決まりの俺だが、最近、革ベストを新調した。ファインクリークアンドコーのジェファーソン。元々ずっと着ているのだが、今回のは顔料仕上げ。俺が従来着ている染料仕上げとは違うエイジングが楽しめそうなので、ゲットした。
夏場のTシャツ&ベストの難点は「移染」。汗をかいて、ベストの色がTシャツに移ってしまうのだ。その点、こちらは顔料なので、染料ほど移染を気にする必要はない。Tシャツにベストを羽織っただけなのだが、コーデがちょっぴり立派に見えるでしょ? これが「海苔」効果である。
確かに夏場の革ベストは暑い。しかし、真夏の東京で革ベストを着るよりも、素っ裸で熊谷にいる方が暑いと思う。大手町をスーツで闊歩するビジネスマンの方が、よっぽど過酷なのではあるまいか。そう自分に言い聞かしている。
夏の革ベストトッピング、皆さんに是非おすすめしたい。
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年8月号 Vol.364」)
Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
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