香港で人気のライスヌードル専門店「譚仔三哥(タムジャイサムゴー)」にチャレンジしてきた。

食の流行の移り変わりは早く、次々と日本に新たなフードやスイーツがやってきたり、生まれたりとまあまあの群雄割拠な状態に終止符はないのである。そんななか日本に上陸を果たした香港で大人気というライスヌードルに、編集者ラーメン小池がチャレンジしてきたぞ。

様々な要素が渾然一体の旨みとなってやってくる。

「食べたことないのであれば、一度食べてみてください。けっこう人気なんですよ」と、誘われるがままに行ってきた譚仔三哥(タムジャイサムゴー)は香港生まれのライスヌードル専門店。

未体験なものにあれやこれやと言うのは個人的にはルール違反だし、無知恐怖症の性格も手伝って行かないわけにはいかないのが悪いクセ。

香港発のライスヌードルと聞けば、ああ香港系のラーメンね、と思いがちだけど、これはその名の通り麺から違う。つまりラーメンではないのだ。ここでラーメンとはなるべく言ってほしくないらしい

ここで使われている麺は米線(MIXIAN、ミーシェン)と呼ばれるお米と水だけでつくられた麺(中国雲南省が発祥)で、これを独自のスープと具材で楽しむスタイルなのだ。

お米の麺と聞けばベトナムのフォーなんかを想像できる人であれば親しみも湧く。でもそこは香港風、オリジナルのスープともちもちとした麺、そして具材のトッピングによって想像とはまったく違う味が楽しめるのだ。

ここの売りは香麻辛辣鮮を楽しめる1杯だと。香麻辛辣鮮とは、豊かな香りの「香」、痺れる刺激の「麻」、スパイスの辛味である「辛」、ホットな辛さの「辣」、そして新鮮な食材の「鮮」とのこと。暗記するのはちと難解だけど、それはその味を試してみれば一目瞭然。なんとも複雑な味と刺激が口のなかに広がって、まさに新感覚。そしてその組み合わせが織り成す旨みが格別ではないか。

さらにうれしいのは用意されるスープは6種類、辛さも10段階のチョイスが可能。ここにお好みでトッピングも追加できるので、ほぼ無限大のカスタムが可能なのだ。つまり足繁く通えば「俺だけの組み合わせ」に到達することもできるってわけだ。

そんな冒険心までくすぐってくれる新感覚ヌードル。今回はもっともスタンダードな組み合わせを試したので、次はまた誰かを誘って新たな味に挑戦しようと思うのであった。

こちらが定番の組み合わせ。香港でも定番のスープはマーラー。そこに豚バラチャーシュー、もやし、油あげ、きくらげ、にら、棒湯葉を入れるとこんなビジュアルに。トッピングを追加して1000~1500円くらいの組み合わせが人気。

これはミーシェンと呼ばれるお米の麺。真っ白で透き通っているのは米と水のみで製麺されているから。もちもちとした食感ながらスープもよく絡んでくれるのが特徴。グルテンフリー派にもうれしい。

選べるスープは痺れる辛さを感じるマーラー、スパイシーな香りに中国酢の酸味を利かせたサムゴーサンラー、酸味も楽しめるサンラー、酸味が特徴のトマト、軽く焦がしたスパイスの風味を感じるウーラー、旨みとコクがあるクリアという6種類。写真は女性にも人気なトマト。ちなみにサンラーとクリアは10段階ある辛さのチョイスはできない。辛さもカスタムしたい人はそれ以外の4種類をチョイスしよう。

サイドメニューが充実しているのも特徴。人気は写真手前にある土匪鶏翼(トーフェイチキン)で、秘伝のスパイスを使って焼いた手羽中。3本480円、5本580円。

【DATA】
譚仔三哥(タムジャイサムゴー)恵比寿店
東京都渋谷区恵比寿1-10-7 TIB恵比寿ビル 1F
TEL03-3447-7558
11時~22時ラストオーダー21時30分)
平日限定ランチタイム 11時~17時
https://www.tjsamgor.jp

※その他、新宿中央通り店、吉祥寺店もあり

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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