パフォーマンスに特化した2台のローライダー

  • 2024.06.29

「スピードクルーザー」と呼ばれるカスタムに端を発して、「ハーレーダビッドソン」のようなこれまで性能とは無縁だったメーカーにも“パフォーマンス”を求めるようになった。それに応えるように登場したのが、「ローライダー」である。装飾的要素を排除し、“走りを楽しむこと”に焦点を絞った硬派なモデルだ。ローライダーには通常の「S」とツアラー的装備の「ST」の2機種がある。そこで、そんな2機種を乗り比べてみた。

スポーティな走りを求めているならコレ!! ピュアパフォーマンスの〝S〟

街中でしか試乗していないとはいえ117エンジン、無茶苦茶速い!! 全閉状態からスロットルを開けるとバッ!! と予想以上に進むのでビギナーには心構えが必要かも。足まわりもシッカリとしているから、ノーマルのままでも十分スポーティだ。

LOW RIDER S

294万5800円(ビリヤードグレー) 298万8700円(ビビッドブラック) 300万3000円(レッドロック) 300万9600円(シャークスキンブルー)

ハーレーの中でも歴史があり、アイコン的存在となっているローライダー。そんなモデルをベースに、扱いやすいよう押さえの利く形状のハンドルバーを採用し、ハイスピードに耐えられるようにミニフェアリングを装備。さらに高性能な足まわりにトルクフルなエンジンを搭載し、走りの性能を研ぎ澄ますことで、まさにアメリカ西海岸で人気のスピードクルーザーに仕上げた。ソリッドなカラーにシンプルなロゴという、飾り気のなさも“漢らしさ”を感じさせる一台だ。

倒立フロントフォークを剛性の高いトリプルツリーで装着。ブレーキはフローティングローターを使用したダブルディスク仕様で強力。

2022年から排気量1923㏄の117エンジンを採用。それまでの114エンジンと比較してトルクが5%向上している。

スポーティな形状のハンドルを高さのあるライザーで装着。メーターはスピードとタコが一体となったシンプルなモノ。

シンプルな形状ながら、ライダーの腰をしっかりと支えるシートを採用。幅を抑えたスリムな形状で足つき性も良好。

ロングも楽にこなせるどっしり感がある。ツアラー志向の“ST”

ローライダーSと基本構成は同じだが、フェアリング装着のためにフォークのセッティングが変更されているほか、リアの車高も上がっているためツアラー的な大柄な印象があった。が、軽快な操縦性は健在!!

LOW RIDER ST

316万5800円(ビリヤードグレー) 320万8700円(ビビッドブラック) 322万3000円(レッドロック) 345万1800円(タバコフェード)

人気の高いスピードクルーザーカスタムだが、ここ数年は1983年に登場した「FXRTスポーツグライド」に装備されていた大きなフェアリングを装着することがトレンドになっている。このモデルは、そんなカスタムシーンの流行を盛り込みながら、単なる懐古主義な造形とせず、今風のデザインに昇華して現代のローライダーSにフィットさせた。防風効果の高いフェアリングに加え、着脱可能なサドルバッグを装備することで、ツアラー的な楽しみ方もできるパフォーマンスクルーザーだ。

バッグを備えたリアまわりが重たく見えないように、長いリアショックで車高をアップ。バンク角確保にも貢献する。

乗り手が走りのみに集中できるよう、メーターはハンドルクランプに備えた小さなデジタルタイプのみとしている。

カスタムシーンで人気の「RTカウル」を復刻するのではなく、最新デザインで整流効果も高いフェアリングを装備。

「CVO」を除くモデルで最大排気量となる117エンジンを搭載。最大トルクは168Nm、最高出力は105HPを発揮。

【問い合わせ】
ハーレーダビッドソン ジャパン
https://www.harley-davidson.com
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※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年7月号 Vol.363」)

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