日本で希少なモーター系アパレルの専門店に訊く。
モーターカルチャーとの馴染み深いアメリカではチームジャケットやコーチジャケットなどモーターカルチャーにまつわる「モーター系アパレル」というのが一ジャンルとして確立されていて、コレクターも多数存在する。
日本ではモーターカルチャー好きでかつヴィンテージ好きということで、かなり間口の狭いジャンルといえるが、そんなモーター系アパレルに特化したショップが東京・町田市で20年以上営業する「シェルビーズNO 20」だ。
オーナーの奥山さん自身もシェルビーマスタングGT500やGT40をはじめアメリカ車数台とハーレーなどバイクも複数台所有するほか、ヴィンテージウエアのコレクターとしても知られるだけに、その知識の深さはハンパなし。
「モーター系に特化したお店は日本ではウチくらいでしょうね。長年やってるのでアメリカにコネクションもありますから、他では見られないレアなアイテムもたくさん揃っていますよ」
奥山さん曰く、モーター系アパレルの魅力は、「遊び心の効いたデザイン」と「そこに秘められるドラマ」にあるという。
「アメリカ車やバイクに乗っている人ならウエアもこだわりのヴィンテージを着てほしいと思います」
市場価格を知る!
コーチジャケットやナイロンジャケット、レザージャケットなどモーター系アパレルを手がけるメーカーの既製品もあるが、マニア的に価値の高いものはチームや個人でカスタムして作られたもので、年代が古く個性的なデザインで、刺繍やワッペンなどのクオリティが高いものが市場でも高値で取引されている。
ただ、明確な基準はないのでクオリティやサイズにこだわらなければジャケットでも2~3万円、シャツやTシャツなら1万円以内で入手も可能だ。
AVON SPOROTSWEARのコーチジャケット
1970年代。アメリカ車メーカー、「シェビー(シボレー)」の総柄。「STP」の総柄は見かけるが「シェビー」の総柄はレア。左胸にはロゴ、右胸にはオイルメーカー「SKELLY」のワッペンが貼られることから恐らくレースクルーに配られたモノと推測される。ASK
2000年前後のリーバイスの3rdモデル
ベースは2000年前後のリーバイスの3rdモデルだが、背中はじめ各所に1965年、66年にル・マンで奥山さんも所有するGT40を優勝させた「ホルマンムーディ」のロゴをはじめ、レースに関するワッペンや刺繍があしらわれることから、オフィシャルなのかクルーなのか何らか関わりがあった人が作ったものと思われる。ASK
「STP」のロゴワッペン入りのコーチジャケット
アメリカのレースシーンでは欠かせないオイルメーカー「STP」のロゴワッペンと袖に刺繍の入ったコーチジャケット。メーカーは不明。「STP」だと白ベースが多いがこのカラーリングはレア。レーシングクルーかお偉いさんが着ていたモノと推測される。1970年代製。8万4000円
1950~’60年代初頭のファラオジャケット
背面の刺繍からバイクのチームジャケットだと推測されるが、当時はライダースかGジャンが一般的でファラオジャケットがベースで、かつファラオジャケットにチェーン刺繍という組み合わせもレア。下手ウマなバイクとロードランナーのデザインも秀逸。39万8000円
1950年代のアワードジャケット
緑ベースでユニークなポケットなどジャケット自体も珍しいが、胸には「STP」、背面にはフレイムス(ファイヤーパターン)が入ったホットロッドと共にチェッカーフラッグが描かれており、恐らく「CHECK MATES」というチームのジャケットと思われる。24万8000円
【DATA】
SHELBYS NO.20
東京都町田市金森東4-1-34
TEL042-795-3004
営業/11:30~18:30
休み/無休
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年6月号 Vol.362」)
Test/M.Terano 寺野正樹 Photo/S.Kai 甲斐俊一郎 取材協力/SHELBYS NO.20 https://www.instagram.com/shelbys_no20/
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