巨匠ジウジアーロのデザインを、職人がハンドメイドで仕上げた117クーペ

イタルデザインの創設者、ジウジアーロが描いたデザイン画を、忠実に再現するために、細部は職人によるハンドメイドで仕上げられた。今の時代では考えられないほどのコストと手間がかけられている。117クーペの流麗なボディ・デザインは、時を経た今も決して色あせていない。

ジウジアーロデザインによる高級パーソナルクーペの決定版

複雑なラインで構成されたリア周辺はトランクの位置が高いハイバックスタイルとなる

’66年にジュネーブモーターショーで発表された117スポルトを祖にもつ117クーペは’68年に登場。ジウジアーロデザインによる流麗なボディラインをもつ高級パーソナルクーペだ。

117スポルトのデザインを極力変更することなく量産にこぎつけるため、プレス機で再現できない細部は職人の手によって仕上げられた。このことから初期のモデルは「ハンドメイドモデル」と呼ばれる。当然ながら手作業のために月産台数は少なく、’72年までの4年間に約2500台が販売された。価格も非常に高かったことから、現在でもファンが多く、後の量産モデルと比べても希少価値の高いモデルとなっている。

高級なクーペに見合う動力性能を得るために、エンジンは新開発され、当時の量産車としてはまだ珍しかったDOHCの1.6リッターユニットが搭載された。G161W型は、ソレックスキャブレターを連装し、120馬力を発生。スタイルに恥じないパフォーマンスを発揮した。

当初から4人乗車を想定しているため、クーペボディとはいえ、リアシートの居住性を考慮したボディラインとなっている。この辺りもジウジアーロの優れている点だ

取材車両は東京のいすゞスポーツが所有する’71年式。ホイールが当時から定番のクロモドラに変更されているほかは、オリジナルディテールを色濃く残している貴重な個体だ。

ハンドメイドモデルは後の生産型モデルと細部がかなり異なる。フロント周りではヘッドライトハウジング周辺の形状が異なるほか、ウインカーはバンパー上に装備
リア周りはテールランプ自体の意匠が異なるほか、プレスラインの形状もかなり異なる。細身のバンパーもハンドメイドモデルの美しさを際立てている
ヘッドライトは丸目四灯。ハンドメイドモデルはバンパー上にウインカーが備わる
砲弾型ミラーは美しくクロームメッキされる
フロントフェンダー後部の117Coupeのバッジと獅子のエンブレム
フロントフェンダー前端のサイドウインカー
ドアハンドルはプッシュボタン式となる
クォーターウィンドウは外側にポップアップする
ドア下にはモールが入る
トランク後部のエンブレム
ハンドメイドモデル専用の小ぶりなテールランプ
マフラーは純正形状を再現したステンレス製
この個体のホイールは当時から人気だったメイド・イン・イタリアのクロモドラを履く
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