この30年で価値が上昇したデニムは? 「ベルベルジン」藤原さんとデニム市場を振り返る

  • 2024.04.16

’90年代のヴィンテージブームから花形であったデニム。ヴィンテージデニムに魅せられたクリエイターたちが心血を注ぎ、再構築したジャパンデニムは、今や日本を代表するプロダクトに。日本が作ったと言っても過言ではないデニムの価値観を名店ベルベルジンの藤原さんに語ってもらった。

ヴィンテージデニムは 今がもっとも高い。

「BERBERJIN」藤原 裕さん|1977年生まれ。高知県出身。高校を卒業後に上京し、ベルベルジンに入社。ヴィンテージデニムアドバイザーとして数々のブランドや企業に携わる。今年の3月にはベルベルジンで初となる飲食店、来々軒原宿店を開店

日本を代表するヴィンテージショップであるベルベルジンのディレクターであり、ヴィンテージデニムアドバイザーとして様々な企業やブランドとタッグを組む藤原さん。その豊富な知識や独自の審美眼は各方面から評価されており、藤原さんが着用したヴィンテージが高騰するなど、インフルエンサー的な側面も持つ。そんなヴィンテージデニムのスペシャリストにここ30年の流れを振り返ってもらおう。

「現在は第二次ヴィンテージブームと言われていて、正直’90年代の同ブームを凌駕するくらいデニムが高騰しています。同じ品番でもコンディションが良いものが高いというのは変わりませんが、近年はデッドストックやミントコンディションに対する評価が高く、より高い値段で取引されるようになっています。

’90年代のヴィンテージブームと比べると3倍位になっており、自分たちでも驚くような価格になっていますね。’90年代は日本だけのブームでしたが、今は本場のアメリカを筆頭に世界中で起こっている流れなので、そもそもの仕入れ値も上がっているのが現状です」

’90年代から変わらず、リーバイスの501XXや506XX、507XXがヴィンテージ市場の人気の中心ではあるが、この30年でさらに細分化され、さらに深堀りされていった。

「’90年代のヴィンテージブームは’50年代までが中心で、例えば501だとそれよりも前の大戦モデルや’36年モデルなどは高嶺の花で、さらに昔のモデルはリアリティのない時代でした。2000年代にはそのブームが落ち着くのですが、2008年頃から’30sブームが起こるんです。

人気ブランドがモチーフとしたアーカイブが注目を集める流れとなり、’30年代以前のヴィンテージをオマージュしたデザインが流行します。その結果、変形ポケットのカバーオールなどの戦前のワークウエアが盛り上がったんです。

’90年代のヴィンテージブームではクローズアップされていない部分だったので、新鮮でしたし、おもしろいデザインが多く、今でも初めて見るものがあるくらい。

ここ数年はなんと言ってもオーバーサイズです。背面がセパレートしたサイズ46以上の506XXで通称Tバックと呼ばれるものは、海外でもとんでもない価格になっています。それに引っ張られるようにサイズの大きいGジャンの価格が高騰していますね」

藤原さんが監修を務めたリーバイスの501XXとGジャンに特化したヴィンテージ本。2015年に501XX、2020年にGジャンを発刊し、これがヴィンテージ市場を活性化させたのは間違いない。希少なデニムが並んでいる

30年間の流行に比例して、価値も上昇したデニムとは?

近年のヴィンテージブームで、デニムは高騰化しており、数カ月が相場が変わる世界。30年以上、デニムを追い続けてきたスペシャリストである藤原さんにプライベートコレクションとともに、その動向を解説してもらった。

LEVI’S 501 66MODEL

通称66モデルと呼ばれる70年代の501のデッドストック。近年はデッドストックやミントコンディションのデニムが評価されており、ヴィンテージブーム時に比べると3倍位のプライスになっている。

LEVI’S 506XXE

藤原さんが流行らせたと言っても過言ではない背面がセパレートした通称Tバックと呼ばれる506XX。針ありだと46、針なしだと48以上が生地幅の関係で背面がセパレートする。ものによっては1000万単位だ。

Unknown COVERALL

2000年代後半から盛り上がった’30年代以前のワークウエアの中でも、変形ポケットの付いたカバーオールは花形。当時はマイナーなブランドも数多く存在し、それぞれが知恵を絞り出した特徴的なポケットを考案。そんな歴史を感じる代物だ。

LEVI’S 501XX

1936年にリーバイスのアイコンである赤タブが付く。1937年には、ウエストのサスペンダーボタンが省略されてしまうので、1年ほどしか生産年数がなかった希少なモデル。’90年代よりも高騰。

LEVI’S DENIM WESTERN SHIRT

’90年代より人気の高いリーバイスのショートホーンタグの付いたデニムウエスタンシャツ。これはスマイルボタンと呼ばれるリーバイス刻印入りの珍しいスナップボタンが使われており、かなり希少なモデルだ。

(出典/「Lightning 2024年5月号 Vol.361」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部