走りを意識したボーイズレーサー。
コンパクトなスポーツセダンとして新車当時から人気の3代目ブルーバード。その型式から「510」と呼ばれ、人気を博した。スクエアなボディデザインに四輪独立懸架の足回りをもち、上級モデルはパワフルなエンジンを搭載し、SSS(スーパースポーツセダン)と呼ばれるホットバージョンも用意された。
またブルーバードは海外にも積極的に輸出され、ラリーなどでも活躍。特にアメリカではZとともに「DATSUN 510(FIVE‐TEN)」の愛称で親しまれ、今でも多くのファンが世界中に存在する。
ボディバリエーションは2ドア、4ドアのセダンに加えて、ドアクーペ、ワゴン、バンなどがラインナップされた。中でもドアクーペはスタイリッシュなルーフデザインと専用のテールランプをもち、特に北米で人気を博した。
ここに紹介するのは、モデル末期に1800ccのL18型エンジンが搭載されたトップグレードの2ドアクーペ1800SSS。北米でも人気のモデルをベースに街中でも快適に走行できるよう各部をモディファイドした一台だ。
エンジンはL18をベースに排気量を2リッターまでスープアップ。通常L18の排気量アップにはノーマルクランクにラージピストンをビッグボア仕様と、クランク交換をしたロングストローククランク仕様が存在する。このエンジンは街乗りもしやすいトルクフルなロングストローク仕様となっているそうだ。これに78度カムとウェーバーのφ48をチョイスしている。
組み合わされるトランスミッションは、なんとホンダS2000用の6速マニュアルで、これにLSDを組み込んだR180デフを使って駆動系全体を強化している。
見た目こそどこにでもいそうな車高を下げた510クーペだが、中身は足回りを含めてトータルでアップデート。半世紀前の車両とは思えないほど、キビキビと走ることができるマシンに仕上がった。
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