東池袋・向原のコーヒースタンド「冨久豆」は、地元民から愛される庶民派ロースタリー。

目指す味があるから自分でやる。コーヒーの味ならどこにも負けない唯一無二の専門店が近年増えている。焙煎機の規模はそこまで大きはなく、小ロット焙煎量ながらもインディペンデントに活動をする店舗、マイクロロースタリー。自宅のガレージを改装したスペシャルティコーヒーのスタンド「冨久豆」。カリタの創業者と血縁関係にある鹿野さんが目指したのは、地元に根付いたオンデマンド焙煎。その場で豆を焼いて持ち帰るスタイルで人気を博している。

カリタの創業者からの助言。豆販売に絞ったほうがいい。

半地下になったご自宅のガレージに構えたロースタリー。その場で飲めるテーブルもあり、大きなパラソルの下でゆったりくつろげる

JR大塚駅から徒歩5分。都心だと思えないのんびりとした街の、さらに車も通れない狭い袋小路の奥に冨久豆はある。店主の鹿野さんが脱サラで自家焙煎店を始めたのが2007年。

「元々クルマが通れる場所じゃないし」と半地下のガレージを、コーヒースタンドに改装。豆販売の商売をアドバイスしてくれたのが、実は抽出器具で有名なカリタの創業者。叔父にあたる存在だ。

冨久豆の外観。面した通りはクルマでは通れないほど狭い。裏道を歩いてたどり 着くまさに隠れ家的店。自宅を改造しているため、まるで友人の家に招かれたようなアットホーム感だ。コーヒー豆を購入するとコーヒーを1杯サービス。大きなパラソルと円卓があるので、ゆっくりとくつろげる

「やるなら面白い商売だって。ただカフェではなく豆売りに絞ったほうがいい」と助言を受けていた。冨久豆が、他と違うのは、スペシャルティコーヒーの生豆を注文したその場で焙煎して、またリクエストすれば挽いてくれること。焼きたて、挽きたて。コンパクトに焙煎できる秘密は、小型焙煎機にある。荒川製作所のジェットロースト。注文後に焼いてすぐに渡せる小ロット対応のオンデマンド焙煎機。50年近く販売されている国産だ。

「故障もないし100gから焼ける。その場で焼くとコーヒーが飲みたくなるでしょう。焙煎後、数日経って飲むと味わいもまた変わってくるので色々試してく ださい」と笑顔を絶やさない鹿野さん。

「豆を買ったら、コーヒー1杯サービスしますよ」

これが荒川製作所の国産焙煎機ジェットロースト JB5型。カカオの焙煎機械を作っているメーカーが、一般向けに発売されたオンデマンド焙煎機だ。コーヒー豆を芯まで焙煎し、安定した品質に。耐熱ガラス内をハロゲンランプで照らして、焙煎状況がわかる
鹿野さんのご子息(次男)もニュージーランドのオークランドで自家焙煎店「Dear Deer COFFEE ROASTING BAR」を展開する
鹿野さんのご子息(長男)はミュージシャン。バンド「My Hawaii」はLAを拠点にアメリカで活躍中

人気のコーヒー豆を紹介!

[豆の種類]
シングルオリジン 10種類
ブレンド 6種類
シングルはイエローブルボン、ブレンドは冨久豆ブレンドが定番

[抽出方法]
ペーパードリップ

[焙煎機]
荒川製作所 JETROAST500g

【ブレンド】富久豆ブレンド

イエローブルボンをベースとして、モカ、コロンビア。ブレンドの基本であるブラコロに、モカをスパイスとして。飲みやすいブレンドながら、モカの独特の香りが効いている。

産地:ブラジル、コロンビア、モカ、他
焙煎:フルシティ
精製方法:ミックス
香り:強め
酸味:控えめ
コク:しっかり
後味:クリーン

【シングルオリジン】イエローブルボン

酸味のないコーヒーが好きな人に最適。冨久豆のブレンドはブラジルをベースとしている。甘味もあり、新鮮な果実のようなフルーティな味わいが口の中いっぱいに広がる。

産地:ブラジル
焙煎:シティロースト
精製方法:パルプドナチュラル
香り:比較的強い
酸味:フルーティ
コク:しっかり
後味:癖がない

DATA
冨久豆(ふくまめ)
住所:東京都豊島区東池袋5-44-21
連絡先:TEL03-3989-0519
営業時間:8:0017:00
定休日:毎週火曜、第24水曜日
駐車場:なし
公式HPhttps://fukumame.iinaa.net/
SNSFacebook@fukumame2929
席数:10
ホールセール:なし
豆販売:あり(コーヒー1杯サービス)
豆通販:あり(電話及びファックス)
テイクアウト:あり
デカフェ:なし
ドリップバッグ:店舗で挽いてくれる
セミナー:なし
器具販売:あり

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.215「東京コーヒーロースターズ」

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

遊びをぎっしり詰め込んだ“俺ジーンズ”を作ってみた。

  • 2026.07.29

児島に本社と工房を置くベティスミスでは、その人に合ったジーンズをフルオーダーで作ることができる。そこで編集部スタッフが現地へ赴き、わがまま言い放題の“俺だけのジーンズ”をオーダー。その様子と完成品をレポートする。 編集・ジョージ(右)|編集部イチのジーンズ偏愛者といっても過言ではない。とんでもないジ...

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

変わらぬ美学に宿る新たな意匠。「アリゾナフリーダム」の今季注目は『浮唐草』

  • 2026.08.03

ARIZONA FREEDOMのものづくりは、受け継がれてきた美学を守りながら、新たな表現を追求し続けている。今季は、立体感のある彫刻で唐草を表現した「浮唐草」が登場。伝統的なモチーフに新たな息吹を吹き込み、ブランドの世界観をさらに進化させている。一方で、創業以来愛され続ける定番モデルも、その普遍的...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

Pick Up おすすめ記事

「ATSU LEATHER WORKS」が世に放つ、唯一無二の革パンエイジングモデル。

  • 2026.07.22

ライダースジャケットの世界で独自のエイジング表現を追求してきたアツレザーワークス。その哲学を受け継ぐ初のレザーパンツ“Lily”が誕生。いちから着用者のライフスタイルを刻み込むプレーンモデルと、長年穿き込まれた表情を職人技で再現したエイジングモデルをラインナップ。革をより幅広い季節、幅広いスタイルで...

ジャパンレザーの集大成がここに。AJLP始動。

  • 2026.08.06

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトが始動した。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく、革のプロフェッショナルたちがここに集結した。 ALL J...

朗報!「ウエアハウス」最高峰レーベルの最高傑作DDシリーズ「1001XX」が待望の再入荷。これは見逃すな!

  • 2026.08.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 「1001XX 1947」が近日入荷。夏の装いに欠か...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

遊びをぎっしり詰め込んだ“俺ジーンズ”を作ってみた。

  • 2026.07.29

児島に本社と工房を置くベティスミスでは、その人に合ったジーンズをフルオーダーで作ることができる。そこで編集部スタッフが現地へ赴き、わがまま言い放題の“俺だけのジーンズ”をオーダー。その様子と完成品をレポートする。 編集・ジョージ(右)|編集部イチのジーンズ偏愛者といっても過言ではない。とんでもないジ...