世田谷ボロ市で「食い倒れ」ならぬ「買い倒れ」でアンティークコレクションがまた増えた。

アメリカのアンティークイベントやフリーマーケットには散々行ってきたけど、日本の蚤の市ってあまり行ったことがないことに気がついた筆者。ここ最近、アメリカのアンティークだけでなく、ヨーロッパや和骨董にも興味がふつふつと湧いていることもあって、有名な世田谷ボロ市に足を運んでみることに。行ってみての感想は「楽しすぎる」のひとこと。アンティーク好きならば会場を何周もしてしまうこと間違いなし。戦利品ももちろんゲットして多いに楽しんでしまった。アンティークイベントの世界に国境はいらないんだなと再確認。

古い、ボロいが好きな人にはここは天国。

世田谷ボロ市とは、東京は世田谷区の通称ボロ市通り周辺で毎年1月15、16日と12月15、16日に開催される蚤の市をメインとしたお祭りで、曜日に関係無く日時指定で開催されるというもの。つまり2024年の1月は平日開催。

そのルーツは安土桃山時代という歴史のあるお祭りで、大小様々なアンティークをメインとした露店と、ふるさと物産の露店が軒を連ねるというもの。

これだけ聞けばアメリカン・アンティーク好きにとっては縁遠いかもしれないけれど、実は和骨董だけでなくアメリカやヨーロッパのアンティークや古着なんかも見つかる。

今では東京都の無形民俗文化財にもなっているほどのイベント。寒空ももろともせずに歩いて歩いて出会った戦利品とともにその模様をお届けする。

和骨董を想像させるのはボロ市のポスターがこんな感じだからかも。アメリカやヨーロッパの匂いは微塵も感じないけれど、実際の露店には世界各国のアンティークが見つかる。もちろん和骨董が多いけどね

世界各国のアンティークがボロ市通りを埋め尽くす。

ボロ市通りを通行止めして、そこに700店舗近いアンティークをメインとした露店が並ぶ光景は圧巻。もちろん来場者もハンパない。人混みをかきわけ、お気に入りに出会ったときの充実感は格別。一期一会の出会いを求めて多くのファンがやってくるのだ。

ちゃーんとアメリカン・キャラクターもいるじゃない。ミッキーマウスの電話はダイヤル式というなかなかの旧型。実際に使えるけど、インテリアとしても悪くないでしょ。6000円だって
使うというより、これもインテリアとして飾っておきたいアンティークのカメラなんかもみつかる。しかもけっこう良心的で3000円前後で手に入る。稼働品かどうかは個体次第。質実剛健なデザインに惹かれる
アンティークのニッカウィスキーのボトルとアンカーホッキングのマグ(ドナルドダックのプリント)が同居しちゃうのもボロ市ならでは。そこに中国モノと思われる陶器なんかも並んでいてこれまた独特の雰囲気
世界各国の民藝(みんげい)に出会えるのもボロ市らしさ。モチーフや素材なども時代や国によって様々。昔おばあちゃんの家で見たような懐かしいアイテムなんかにも出会える。それが今や稀少なアイテムだったりするからおもしろい
キューピーちゃんと仮面ライダーのソフビのフィギュアが同居するなんていうのも悪くない。昭和の時代を知らない人には逆に新鮮に見えるアイテムもあるかもしれない。個人的には仮面ライダーアマゾンのフィギュアに心惹かれる(笑)
民藝の代表格でもあるこけしはボロ市では大量に見つかるアイテム。ご覧のように持ってけドロボー状態で販売している。時代や大きさなども様々なので時間をかけて吟味したくなる。しかしよくここまで集まるもんだと出店者の収集力に感心してしまう
竹や籐で編まれたハンドメイドのカゴなんて、今作らせたら高価になってしまうこと間違いなし。この世から消える前に手に入れておきたい民藝。今や作り手だって少ないだろうしね。時代が古いモノほど味がある
10系と呼ばれる初代ハイエースのポスターは当時(1967年)のオリジナルを額装済みした逸品。こういうポスターって日焼けしたり廃棄されることが多いので、キレイに現存しているだけでうれしい。5000円
明治の粉ミルクの缶ってこんなにアメリカンな配色のデザインがあったんだと勉強になる。アメリカのアド系アンティークといっしょに並べても違和感なし。しかも1000円って……買うしかない
昭和の匂いがプンプン漂うポットや水筒は最近女子人気の高いアイテム。大正や昭和といった日本の旧きよきアイテムが若い世代に注目されてきている。小学生のときの遠足を思い出す筆者であった
ガラスや陶器といったアンティークをセレクトしているショップ。小物から大物まで、大量のアイテムをひとつひとつ吟味していくのもこういうイベントならではの楽しい作業。ただしこの日は極寒。要根性であった
日本、アメリカ、ヨーロッパなどのアンティークのアイウエアが雑然とセレクトしたショーケース。デザインや年代、それに価格も様々。最近ではアンティークのメガネは若い世代にも人気があるらしい
日本の伝統的なカスリなどの生地や羽織りなども多数見ることができる。そのおかげか外国人の来場者も多数。和骨董はいまやワールドワイドになっていて、競争率は高くなっている
民藝からヨーロッパものまで縦横無尽なセレクト。焼き物ひとつを取っても作家モノから何てことない旧いモノまで幅も広い。ただ言えるのはどれも昔のモノだということ。この雑然とした感じがボロ市のおもしろさ。仏像の横にボウリングのピンを置くなんて、ある意味ハイセンス
ヨーロッパのアンティークもちらほらと。ここはメタル系に強いブース。アメリカモノとはひと味違う雰囲気がこれまたよろしい。アンティークならではの経年変化した味わいも見逃せない
日本の陶器は壺から茶碗まで何でも見つけることができる。もちろん和骨董の知識には乏しいので、作家やデザイン、それに配色など、市場価値よりも個人的な感覚で選んでもいいのだ。詳しいことを聞きたければそれぞれの店主が丁寧に教えてくれる
フランスなどのヨーロッパ製アンティークキーホルダーも豊富にそろう。こんな小物ひとつ取ってもアンティークは手の込んだデザインや造形なので、現代のモノにはない良さを感じる
喜多川歌麿の版画のリプリントだけど1960年代に刷られたモノだと聞けば立派なアンティークの仲間だと納得。オリジナルは博物館級だからね。歴史的な日本画は多くの外国人が物色していたことはいうまでもない。これは額入り&箱入りで1万2000円
海外でもBORO(ボロ)と呼ばれる日本の古布なんかも販売される。とくに多くの生地を継ぎ接ぎしたパッチワーク状のモノは雰囲気もかなりある。インディゴ生地の雰囲気も最高
日本の古道具なんかもあらためて見ると雰囲気がある。その多くは日本の田舎にある蔵などから出てきたモノが多いらしい。作りがしっかりとしているからこそ、現代まで残っているんだろうな
日本を代表するアドバタイジングキャラクターともいえる不二家のペコちゃん。和骨董の世界ではスヌーピーに匹敵するスタンダード。ちなみに隣のボーイフレンドはポコちゃんという
インディゴ染めの生地を使った羽織。日本のワークウエアである。実際に着られていたモノのようで、こなれた生地感とインディゴのフェード感が良い雰囲気。ヴィンテージ生地ならではの味わいを楽しみたい

ボロ市で出会った戦利品の一部がこれ。

というわけで極寒のボロ市を散策して、ゲットしたものの一部を紹介。最近和物や民藝にも興味が出てきたこともあって現在勉強中の筆者。アメリカやヨーロッパのアンティークのなかにちょっとだけ日本のアンティークをアクセントにレイアウトするのが今のお気に入り。今度は骨董市にでも出かけてみようかと思うほど、和骨董系のイベントの魅力が急上昇中。

一輪挿しのように見える物体は壺でも花瓶でもなく、旧日本軍の四式陶製手榴弾。物資が不足していた第二次大戦末期のもので、鉄ではなく陶器製で、終戦後にその多くが廃棄されたそう。もちろん火薬、信管は入っていない外側のみ。川に廃棄されたモノを川底から掘り起こしたらしい。陶器製なので割れやすく、年々レアになっていくかもしれないと店主が言っておりました。一応ミリタリー系アンティークです
竹で手編みされたラケットのようなフォルムのこれは、うどんやそばを茹でるときに麺をすくうための調理器具だそう。昔はハンドメイドの竹製だったのね。当時の業務用らしくけっこうな大きさ。日本のインダストリアル系アンティークだと解釈して手に入れた。インテリアとして使うつもり
あまりにボロ市でたくさん売っていたのでついつい手を出してしまったこけし。どちらも宮城県は鳴子の作家モノで、それぞれ作家のサインが入っているだけでなく、一体は製造年が1978年とあった。ほぼ50年前のアンティークなのだ。深みを増した木の質感とヤレた塗装に惹かれてゲット。高さ50cmほどあるので巨大で主張も激しい

【DATA】
世田谷ボロ市
https://www.city.setagaya.lg.jp/setagaya/001/003/d00125000.html

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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