シボレー・ピックアップの旗艦モデル。シルバラードを中古から新車までその歴史をチェック。

ピックアップ大国アメリカでは、商用目的だけでなく、自家用車としてピックアップトラックを所有する人も少なくない。昔からピックアップトラックはアメリカ車のラインナップでは重要なモデルとして存在し、それは現在でも変わらないのだ。そんなピックアップトラックの中でもGMがシボレーブランドから販売するフルサイズピックアップとして君臨する旗艦モデルであるシルバラードを深掘りしてみる。

もともとはトリムレベルだったシルバラードという名称が車名になった。

シボレーのピックアップがシルバラードという車名になったのは1999年モデルから。じつはもともとシルバラードはシボレーのフルサイズピックアップモデルの高級トリムレベル(車両の装備レベル)に使われていた名称で、これはシボレーのフルサイズピックアップのモデルチェンジによって車名になったという歴史がある。

1987年式シボレーC10シルバラードパッケージ。シルバラードは元々はトリムレベルの名前だった。ボディサイドにシルバラードパッケージは専用のエンブレムが追加されていた。Photo by General Motors

第1世代。1999~2006年。C/Kピックアップの歴史を継承してモデルチェンジ。

長らくシボレーのフルサイズピックアップとして存在していたC/Kピックアップトラック(C1500、K1500など)、さらにその先代であるC10など、それまでアルファベットと積載量を表す数字で表現されていたシボレーのピックアップモデルに初めて車名が冠されたのが1999年モデルのフルモデルチェンジから。

以降、シボレーのフルサイズピックアップはシルバラードに。前期モデルはそれまでの角張ったデザインからラウンドシェイプが強調されたマスクに生まれ変わった。2001年にはヘビーデューティなスペックを持ったHDモデルが追加される。

2003年モデルにはビッグマイナーチェンジが行われて顔つきがキリッと直線的に。同年に6.0L V8エンジンを搭載したシルバラードSSも登場。エンジンは通常の1500モデルで、4.3L V6と5.3L V8がラインナップされた。

2003年モデルにビッグマイナーチェンジ。スタイリングが直線的なデザインになり吊り目に。当初はそれまでのモデルが「クラシック」と呼ばれ併売されていた。Photo by General Motors

第2世代。2007~2013年。空力性能を見直して燃費も向上した。

スタイリングは再びスクエアなデザインに軌道修正。空力性能を見直したボディデザイン(フロントのウィンドシールドも先代よりも寝かされた)によって、アメリカにおけるフルサイズピックアップのなかでもっとも燃費の良いモデルとして存在した。

さらに2008年にはフォードF-150を抜いて全米販売台数トップになったこともあったのがこの世代。2009年モデルにはハイブリッドモデルも追加されたが、通常のガソリンエンジンは4.3L V6と排気量の違う4種類のV8エンジンが搭載された。

第3世代。2014~2018年。マッシブなスタイリングに。

マッシブで厚みのある顔つきに生まれ変わった第3世代。デザインは当時のライバルだったダッジ・ラムに影響されたと言われている。エンジンにも新世代モデルを搭載。エコテックと呼ばれる高燃費型エンジンで、1500モデルでは4.3L V6、5.3L V8、6.2L V8がラインナップされた。

さらにこの世代ではラグジュアリーな内装を持ったハイカントリー・トリムが登場。ブラウンのレザーシートやウッドパネルを多用したインテリアを標準装備にするなど、大衆車のシボレーながら富裕層のファンにもアピールすることに成功し、このトリムは現行モデルにも継続されている。

第4世代。2019年~現在。細い吊り目のモダンな顔つきになった現行モデル。

歴代、上下に2分割されるフロントグリルという象徴的なデザインはそのままに、細身でシャープなヘッドライトに変更されることでモダンなイメージに変わった現行モデル。

エンジンラインナップも変更され、通常の1500モデルで、2.7L 直4ターボ、4.3L V6、5.3L V8、6.2L V8、2020年には3.0L V6デュラマックス・ディーゼルエンジンもトリムレベルによって選べるようになった。

シボレーのフルサイズピックアップ史上、初めて直4ターボという小排気量エンジンが搭載されたのも、小排気量エンジンの性能が上がり、環境性能も重要視されるという時代の流れを感じる。

アメリカのピックアップモデルはベッドサイズとキャビンにバリエーションがある。

多様性が当たり前のアメリカでは同じピックアップトラックでも様々なボディの組み合わせがある。現行シボレー・シルバラードの場合、キャビンは2ドアのレギュラーキャブ、幅の狭い4ドアになるダブルキャブ(旧エクステンディッドキャブ)、そして通常の4ドアになるクルーキャブの3種類。

それにそれぞれスタンダードベッドとロングベッド(ダブルキャブにはロングベッドの設定がない)が用意されている。さらにトリムレベルがいくつか用意されているので、使い勝手によって多くの組み合わせが可能なのも特徴になっている。

これに搭載されるエンジンのチョイスやボディカラーも加わるので、実に様々な組み合わせが存在する。新車、中古車を狙うときにはその組み合わせも頭に入れておくといい。

ボディの積載容量、ベッドやキャビンの種類をチョイスすることで、様々な仕様が存在しるのがアメリカン・フルサイズピックアップ。シルバラードHDの3500モデルには後輪が左右2輪仕様のデューリーモデルも存在。Photo by General Motors

新車、中古で買うなら知りたい予算と、ボディサイズは知っておきたい。

現行モデルを新車で買うとなると、2010年モデルは三井物産オートモーティブから正規輸入が存在したが、現在は撤退。アメリカからの並行輸入を得意としている専門店に頼るしかない。

気になるサイズは2023年モデルを参考にすると、4ドアのクルーキャブで全長5885mm、全幅2062mm、全高1930mmと堂々のフルサイズアメリカンである。

ちなみに本国での2023年モデルの新車価格は1500モデルで3万6300ドルから、HDモデルで4万3400ドルからとなっている。日本に新車を輸入するとなると1000万円近い予算を見た方がいい。

中古車に関しては、メンテ履歴がしっかりと残った低走行距離の個体を見つけたいところだけれど、価格と車両のコンディションは比例すると考えた方がいいかも。

初代のシルバラードはもう20年落ち。価格はこなれているけれど、好コンディションの個体はなかなか存在しない。しっかりとメンテや修理ができる環境での購入が望ましい。

アメリカ車らしいフルサイズのピックアップボディに力のあるエンジン、それに国産車では味わえないドライブフィールなど、本場アメリカの日常を味わえるモデルであることは間違いないので狙う価値は十分にある。

本気で狙うのであれば、輸入、販売、メンテの実績のある専門店に相談してみよう。

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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