好きなものだけに囲まれた、アメリカンな雰囲気のガレージ。
カバチモーターサイクルの山口さんから紹介されて訪れたのは普通の一軒家。その扉を開けると、そこにはまるでおもちゃ箱のような空間が広がっていた。
「自分の好きなものばっかりを集めた結果、こんな感じになっちゃったんだよね」
とはこのガレージのオーナーである松永さん。サングラスをかけた姿にピンと来る人もいるかもしれないが、松永さんは環八沿いにあった伝説のバイクショップ、Zファーザーの元社長。
Zファーザーは、今から5年前に惜しまれつつ閉店し、現在は彼の息子たちが通販のみを行いビジネスを受け継いでいる。リタイヤした松永さんは、これまでゆっくりと楽しむことができなかった音楽に携わるため、自分へのご褒美として憧れだったギターを2本手に入れた。
これまでもギターは収集してきたが、安い中古ギターや壊れているギターを購入してレストアするようなコレクションだった。引退を記念して購入したのは、ずっと憧れだったギブソンのJ200とマーチンのD45の2本。この2本はやはり別格だという。
松永さんには引退を機に購入したものがもうひとつある。それは’74年式のZ750RS、いわゆるZ2である。ボロボロだったものを自分でコツコツとレストアして復活させたもの。これまでバイク、特にZ系は仕事と関係するということもあり、引退して完全にプライベートで購入したこのZ2は、今までとは異なる記念すべき一台なのだ。訪れた際は他にもハーレーや新しいZ900RS、奥様が所有しているビッグスクーターなどがガレージに収まっていた。
ガレージ内の雰囲気は、若い頃から大好きだったというアメリカ車の影響が大きく、奥の壁は’57年ベルエアのテールフィンをイメージしてデザインしてあり、側面もトライシェビーで人気のボディカラーでペイント。さらにフロアは黒白の市松模様とまるでアメリカのガレージのようだ。
実は若い頃から音楽大好きという松永さんは、これまでの忙しさからゆっくりと向き合うことができなかったギター&音楽をこれから楽しんでいきたいそうだ。
「大好きなバイクとギターに囲まれたこのガレージにいるのが本当に落ち着くんだ。ここでゆっくりと自分のバイクをいじったり、ギターを弾いたりするのが今は最高に楽しいしね」
(出典/「Lightning2023年8月号 Vol.352」)
Text & Photo/D,Katsumura 勝村大輔
関連する記事
-
- 2024.04.08
脱力したようなツラがツボで、ついハマる。「mojojojo」の手縫いのぬいぐるみ
-
- 2024.04.04
もしも、超人が実在したら…? 『キン肉マン』に魅せられた男