シート生地をデニムしちゃった!実在する「デニムなクルマ」たち。

「デニム生地を自動車の内装にできたら」というデニム好きが一度は妄想する内容。実は過去に幾度となく限定車として市販されていた歴史があるのだ。磨耗や衝撃に強い素材であるデニムは、乗り降りの多いクルマの内装に適しているのではないかという発想から、幾度か作られてきていたデニムの内装。あまりメジャーにならなかったデニム内装の歴史を紐解いてみる!

過去にこんなにもあった、夢のデニム内装車。

そもそもデニムは磨耗や衝撃に強い素材。そのため「乗り降りを繰り返す自動車内装と相性が良いのでは?」というアイデアが生まれるのは必然で、自動車内装にデニムを採用する試みは幾度となく行われてきた。

最初に登場したのは’74年式フォルクスワーゲンビートルの限定車として、内装にデニム生地を使用した、その名も「JEANS」。黄色いボディカラーのビートルに専用のサイドストライプステッカーやデニム生地のシートが備わるのが特徴だ。

最初にデニム生地の内装を市販したのは、おそらく’74年式のビートルに限定車として設定された、その名も「JEANS BEETLE(ジーンズビートル)」
シートやドアパネルにデニム素材を使用した限定車は、その後も定期的にリリースされる人気モデルとなるがあくまで散発的もので、カタログモデルにはならなかった

その後VW社では初代ポロやUP!でもジーンズという名前の限定車を発売。さらにザ・ビートルでは「DENIM」という限定車が登場するがいずれも長続きしなかった。これはそもそもデニム生地のコストが高く、素材も厚みがあるため自動車内装として量産するのに不向きでなためと思われる。とはいえ今後も定期的に「デニムなクルマ」は登場するだろう。

’15年に発表されたザ・ビートルカブリオレの限定「DENIM」
シートはデニムをイメージしたライトブルーの生地で背面にジーンズのようなポケットが備わる
同じく’15年に発表された限定車JEANS UP!
限定車JEANS UP! の内装
’17年登場のFIAT500Xをベースとした限定車「JEANS」は、ボディカラーがジーンズブルーで、内装はパッチをイメージしたブラウンレザーだった
’76年に同じくVW社から9000台限定で発売されたJEANS POLO。内装は本物のデニム素材を採用

(出典/「Lightning2023年7月号 Vol.351」)

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