酒と音楽の融合ミュージックシーンにも一石を投じるバー「INC CACKTAILS(インクカクテルズ)」|東京・渋谷

バーの世界では、ウイスキーをベースにしたカクテルの王道「オールドファッションド」で、そのバーの格式が決まるとされている。この1杯でレシピへのこだわりそして心地のいいサービスも連想されるのだ。「インクカクテルズ」は、渋谷駅から少し離れた立地の隠れ家的存在であり、音響とお酒にこだわりを持つニュージャンルなバーだ。

ウイスキーと共に楽しみたい心地よい音楽。

バーカウンター後ろにずらりと並んだボトル。ウイスキーから飲みやすいカクテルまでバーテンダーにオーダーすればすぐにサーブしてくれる

201811月に神戸から渋谷へと移転、宮益坂を登った場所にある隠れ家的存在のバー、インクカクテルズ。ここの特徴は、何と言っても音響とお酒という双方への強いこだわりに他ならない。

お酒に関しては自らブレンドし、バーボンで寝かせたオリジナルウイスキーを取り揃えるだけでなく、ビールまでオリジナルがあるというのだから驚きだ。あとは一年に5回変わるというシーズンカクテルも好評で、旬の素材を使ったオリジナルフレーバーは是非とも味わっていただきたいところ。

INC COCKTAILSのオリジナルウイスキーもこのように陳列すると立派なインテリア。揺らめく炎もムーディー

そして音楽に関しては1960年代のアルテック・ランシング社製の音響システムで、レコードの音源を聴けるところが何よりの魅力。ブルースやジャズ、ソウルなど約3000枚のレコードの中から、毎夜バーテンダーからゲストDJまでがこだわりの音響で最高の音を聴かせてくれる。

また一筋縄ではいかない敏腕DJを迎えてのイベントも開催されており、店内はお酒好きと音楽好きで常に賑わっている。バーとクラブの良いとこ取りといえるニュージャンルな店だ。

重厚な扉を開いた先に広がる良質なお酒と音楽の世界。

広々とした店内は団体での利用も可能。定期的に開催される音楽イベントも見逃せない。

計算された照明で雰囲気あるロバート・ロンゴのアート作品も飾られている。

地下にある店内の入り口。エイジングされたヴィンテージ感のある佇まいが、上質空間への期待を抱かせてくれる。

そしてこちらが地上から見たお店の入り口。特に目立った看板があるわけではないので、この扉を覚えておこう。

店内に常時陳列されているレコードはおよそ3000枚。ここから毎晩最高の音が流れる。

その時かかっている音楽のレコードジャケット。これはAhmad Jamal Trio at the Pershingの『But Not for Me』というジャズミュージック。

使用している針やライトももちろんアンティークのものだ。

歴史を感じる1960年代のアルテック・ランシング社製の音響システムが心地良い音を奏でてくれる。

ビターズの効いた昔ながらの味わいが特徴。

ライウイスキーの代表的製品で、ライ麦由来のドライな風味が印象的なOLD OVERHOLTがベース。ビターズの効いたオールドテイストな味わい。

1.ミキシンググラスに氷を入れて冷やす。

2.ミキシンググラスにOLD OVER HOLT60ml入れる。

3.シンプルシロップを入れて、オレンジビターズとアンゴスチュラ・ビターズを入れる。

4.全て入った材料をミキシンググラスの中でステアして、全てを冷やしながら混ぜ合わせる。

5.混ぜ合わせたものを氷の入ったロックグラスに注ぐ。

6.オレンジピールをグラスの淵にふりかける。

【レシピ】
OLD OVERHOLT 60ml
アンゴスチュラ・ビターズ 5dash
オレンジビターズ 3dash
シンプルシロップ 10ml
オレンジピール

合わせたいおつまみ

オールドファッションと同じアンゴスチュラ・ビターズでコーティングされた自家製ビターナッツ。 シナモン感がマッチ。

若竹一毅さん|INC COCKTAILのメインバーテンダー。カクテルのことを熟知した確かな技術 て顧客の好みにあったものを提供している。親切丁寧な接客で信頼も厚い

樽の個性を出したウイスキーセレクト。

スタンダードなものから、面白い樽で漬けられたもの、さらにライ麦のウイスキーの品揃えが豊富なINC COCKTAILS。その中でもメインとなるのはやはり自分たちのオリジナルブレンデッドウイスキー。そんな中でもここでは一風変わったシェリー樽やスモールバッチなど樽の個性を出したウイスキーをラインナップしている。

INC ORIGINAL BLENDED WHISKY

バーボン樽で寝かせたスムースな味わいが特徴のINC COCKTAILSのオリジナルブレンドウイスキー。お店の定番人気メニューで根強い人気。

GRENMORANGIE LA SANTA

ハイランド・モルトに分類されるスコッチウイスキー。スペイン産シェリー酒のオロロソを熟成させた樽で二年熟成

MICHTER’S

閉鎖された蒸溜所の名を冠したシングルバレル・バーボン。タフィーやキャラメル、樽香、そしてメープルシロップとバニラの力強い香りが特徴

TEELING SINGLE MALT

熟成年表記が無くシェリー、ポート、マデイラ、ホワイトバーガンディとカベルネソービニオンの5種の樽でフィニッシュしたモルトをブレンド。

WOODFORD RESERVE

ウッドフォードリザーブの味わいを構成する5つの味覚の一つであるスパイスが際立つ、伝統的なケンタッキーライらしい味わいが特徴の逸品。

Glenfarclas 21

長い余韻にシェリーとスパイスの風味がはっきりと残る。柔らかく、豊かで心地よい、最高のモルト。やみつきになる不思議な魅力を持つ。

インクカクテルズのグラス考。

ロックグラス

ボヘミアン社の薄手のロックグラス。シングルモルトだったり高級なウイスキーを飲むときにはこれがオススメ。

シュピーゲラウ社 パーフェクトロックグラス

こちらは厚めに作られたロック用のグラス。まったりした味わいのウイスキーに使用する。

タンブラー

木村ガラスのうすはりのタンブラー。すごく薄いガラスでできており、その分飲み口の切れ味が鋭くなっている

シュピーゲラウ社 パーフェクトロンググラス

ソーダ割りや水割りなどにするときに使用。ウイスキーそのままの味を堪能できるグラス。

テイスティンググラス

ストレートで飲むときに使用するグラス。ウイスキー本来の香りや味を引き立てるには最高の相棒といえる。

DATA
INC CACKTAILS(インクカクテルズ)
東京都渋谷区渋谷1-5-6 B1F
TEL03-6805-1774
営業/19時~27(L.O.2630)
休み/無休
http://www.bar-inc.co.jp

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.214「ウイスキーブック」

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