見た瞬間、このクルマだと思った。自分と同じ生まれ年のパルサー。
心から欲しい物は、強く願えば必ず手に入れることができる。日産パルサーGTI‒R。クルマ好きなら誰しも知る名車だが、これを今探そうとすると、それは決して容易なことではない。
この個体は、本物の技術をもつ頼れる旧車専門店「水上自動車工業」でメカニックを担当する河原塚さんの愛車。若い彼が、なぜこの時代のクルマを選んだのだろう。
「父が日産で働いていて、子供の頃にビデオカタログをもらってきてくれたんです。その中でパルサーが一番好きで、テープが擦り切れるほど何度も見返してました」
パルサーの前はかなり手を入れたスイフトに乗っていたが、2年前の年末に1台の個体に出会う。
「GOOで見つけたんですが、エアコンのファンレジスターの製造日が自分の誕生日の2日後だったのと、車体年式も自分の生まれ年と同じ’91年というところからも運命を感じてしまって(笑)。決め手だったのは運転席のドア部分に収納する付属の傘。これが袋入りの状態で未使用だったんです」
そのショップで購入し、自走で帰宅途中にガソリンが漏れたりと、いきなり旧車の洗礼も受けたが、今では好調を維持する。
「洗車はよくします。マメに洗うことで不具合にも気付きますから。あとは動かすこと。クルマは走らせてあげることが大切ですね」
1991 NISSAN PULSAR GTI-Rのディテールを拝見!
ハイパワーなエンジンの冷却効果を高めるため、ボンネット上のパワーバルジに加え、バンパーやグリルにもエアインテークが設けられている。
ENDLESSのステアリングは、前に乗っていたスイフトから引き継いだもの。
オーディオはカロッツエリア。室内の雰囲気を壊さないよう、できるだけシンプルな液晶表示の物を選んだ。
直列4気筒2000ccターボのSR20DETを搭載。エンジンはノーマルのままだが、当時のオプションであるニスモのタワーバーを装着している。
ホイールはRAYSのTE37 SONIC SLの16インチ。当初はブロンズカラーの予定だったが、色味が明るすぎたためガンメタに変更した。
リアに装着された大型のテールスポイラー。エアスクープの形状から空力特性が考えられているのがわかる。もちろん標準パーツだ。
【DATA】
水上自動車工業
埼玉県北足立郡伊奈町小針新宿717-1
TEL048-729-1330
営業/9 :00〜18:00
http://www.mizukami-auto.com/
(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)
Text/M.Sasaki 佐々木雅啓 Photo/D.Katsumura 勝村大輔
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