年月と共に“付加価値”を高めた古着って何? いま注目すべき新ヴィンテージ。【後編】

  • 2023.04.11

’80年代〜’90年代当時、リアルタイムでファッションを楽しんでいた世代にとっては、いい意味で気にもかけていなかったファッションウエアが、時が流れて価値を持ち始めている。当時人気を博したモデルは、現代でもプライス高騰中! ’90年代に一世風靡したカルチャーが、時を超えた今もなお支持されているというのも感慨深い。

▼前半はこちらの記事をチェック!

https://dig-it.media/lightning/article/785137/

1.変わり種オールスター

’90年代でも2023 年現在でも、相もわらず人気を誇るコンバースオールスター。’80〜’90年代に掛けて様々なデザインの変わり種がスニーカー市場で発売されていた。ちなみに現在では、単色のアメリカ製コンバースですら、古着市場で枯渇している由々しき事態になっている……。

(左上)ヒールに鈴がデザインされたクリスマス仕様で、サンタ柄の総柄も存在する。’90年代のアメリカ製デッドストック。3万800円(ウエスビル TEL04-7162-5661)(中上)いわゆる星条旗カラー。’90年代のアメリカ製。4万3780円(ディー クロージング TEL03-5306-6887)(右上)現在でも人気のバットマン柄。他にジョーカーの総柄も存在。2万6180円(コモン TEL04-7166-5433)(左下)マルチカラーに切り替えされたオールスターハイ。色違いやローカットなどの種類もある。1万7490円(デザートスノー 千葉 TEL043-225-9600)(右下)’90年代製のダックハンター迷彩。’80年代の物だと迷彩柄が若干異なる。1万7490円(デザートスノー 千葉 TEL043-225-9600)

2.‘90s Patagonia

’80年代終わりから’90年代に掛けて、古着ブームと共に米国アウトドアブランドであるパタゴニアが日本のファッションシーンを席捲。スーパーアルパインジャケットやグリセードジャケットなど一大ブームとなり、ヴィンテージデニムと組み合わせて着ていたファッショニストも多かった。現在では、’90年代のアイテムは銘品として、ヴィンテージプライスで取引されているのだ。

(左上)’80年代後期に人気を博したレトロカーディガン。こちらは2000年代に復刻したクラシックレトロカーディガンだ。4万4000円(スパイク TEL03-6407-0123)(右上)パタゴニアの最高峰であるスーパーアルパインジャケット。ネームラベルは’92 ~ ’94年に使用された雪無しネームだ。5万円(デザートスノー1号店 TEL042-727-3660)(左中)春スキー用に作られたフェザーウエイトシェルプルオーバージャケット。シティユースにも最適。’80年代製。1万4080円(コモン TEL04-7166-5433)(右中)’94年製のハーフジップグリセードジャケットで、当時大人気のブルズアイ柄。そのため現在も高額。8万7780円(デザートスノー 千葉 TEL043-225-9600)(左下)ロングセラー商品であるスタンドアップショーツ。9790円(バックストリート TEL042-720-0355)(右下)パタロハのネームデザイン柄T。1万3200円(バックストリート TEL042-720-0355)

3.アウトドアバッグ

’90年代にアウトドアだけでなく、シティユースシーンで大ブレイクしたアウトドアバッグ。その当時、代表的な銘柄であるグレゴリーの「バックパック界のロールスロイス」なんていうキャッチフレーズを覚えた読者諸兄姉も多いだろう。この年代は定番のレザーボトムの物や時代性を反映させたカラフルな配色の物以外に、ヘンプ素材やハイテクデザインなんかのモデルも登場しており、今振り返ると実に面白い。

’90年代の古着ブーム期に、旧タグと呼称され人気を博した紫タグ。3万8500円(バックストリート TEL042-720-0355)

’90年代のアメカジのバッグ銘柄として外せないマウンテンスミス。これはツアーパックと呼ばれ、抜群のフィット感と大容量で人気を集めた。8690円(バックストリート TEL042-720-0355)

’80年代を代表するバックパック銘柄といえば、このイーストパックであろう。頑丈なレザーボトムも人気。1万780円(コモン TEL04-7166-5433)

4.スノーボード

’90年代はスノーボードが大ブレイク。テリエ・ハーコンセンやジェイミー・リン、ブライアン・イグチなど、スタイリッシュな海外ライダー勢の滑りと、彼らが纏うストリートの流れを汲んだオーバーサイズのスノーボードウエアが人気を博した。その当時のスノーボードウエアは、現在ファッションとしてユーズド市場でも扱われ始めた。

(右上)スノーボードウエアの代表銘柄のひとつ、バートン。こちらは’90年代後期頃のスノーボードジャケット。切り替えパターンや配色に時代感を感じる。1万6800円(グールド TEL03-5426-4440)(左上)同じくバートンの’90年代製ニットキャップ。1万780円(ダンジル TEL042-720-8703)(左中)当時のスノボー人気に推され数々のマイナーブランドも誕生。こちらは“SNOWBOARDS” という銘柄。ストリート感のあるデザインだ。6600円(アネーム TEL03-3311-6995)(右下)’90年代当時、様々なカジュアルブランドがスポーツラインを展開。こちらはカジュアルブランドのストラクチャーが展開していたスポーツライン。9790円(バド TEL03-3401-7246)

5.アウトドアスニーカー

1989年に登場し、’90年代に大ブレイクを巻き起こしたナイキのACG。それに端を発し、数多くのスニーカーブランドがシーンに参戦。それにより’90年代中頃にはアウトドアスニーカーの大ブームが巻き起こる。その当時人気を博したモデルは、現在のユーズドスニーカーシーンで高値が付いている。

(左上)アウトドアスニーカーの中で異彩を放つ存在がアディダスのバットランダー。こちらは’99年製(2000年発売)のデッドストックをソールリペアしたもの。10万円8680 円(ダンジルTEL042-720-8703)(右上)アッパーにヘンプ素材を採用した’95年製ナイキACGのザイオン。デッドストック。2万1780 円(デザートスノー 千葉TEL043-225-9600)(左下)2000年代に登場したオークリーのフレッシュ。昨年ブレインデッドとコラボして復刻した事で人気が過熱。これは当時のオリジナルモデル。5万4780円(MUD TEL03-5738-8877)(右下)1994 年に登場し、スニーカーの概念を変えたナイキACGのエアモック。こちらは1999年製のモカカラー。9790円( バックストリート TEL042-720-0355)

6.アワードジャケット

’90年代のヴィンテージブームやアメカジブームで絶大な人気を集めたアワードジャケット。アメカジスタイルの定番アイテムとして今もなお愛用者は多し。しかしながらヴィンテージ市場を見渡すと、旧い年代のアイテムやシニールが豪華なアイテムほど枯渇化が進み手に入れるのが難しくなってきている。

’80年代のDeLONG製アワードジャケット。背面には1985年と1986年のフットボールチャンピオンのシニールワッペンをデザイン。セットインスリーブ部分にあしらったレザー素材のホワイトのダブルラインがアクセント。1万1880円(ロコ TEL03-5708-5398)

パープルのウールボディに、クリームのレザースリーブをあしらった’80年代製アワードジャケット。1万9690円(デザートスノー 千葉 TEL043-225-9600)

’50年代製のアワードジャケットはWhiting社のボディを使用。1万9900円(ナウ オア ネバー TEL03-3317-7707)

7.カレッジグッズ

’80年代ぐらいを境に、ロゴやマスコットキャラクターが変わったすることが多いカレッジグッズ。’90年代当時であれば新し過ぎて選択肢から外していたが、令和となった21 世紀の今だと逆に新鮮に映るのは、歳を重ねたせいだろうか?(笑)。中でもデイリーユースできるグラスなどは、見つけたらいくつも欲しくなってしまう。

アリゾナ州立大学(ASU)のマスコットキャラクターであるスパーキー・ザ・サン・デビルを描いた’90年代製の壁掛け時計。このキャラクターはディズニーに所属していたイラストレーターが手掛けたもので、アメフトから野球、バスケットボールなどASUの様々なゲームに登場する。8500円(サウンズグッド TEL03-5433-3758)

’80 年代製のカレッジロゴ入りグラス。ちなみに一番左だけ陸軍士官学校の物。2090円~ 3850円(グレース TEL03-6416-3457)

8.サテンジャケット

’95 年に野茂英雄選手が海を渡り、MLB のドジャースへ入団したことから、日本国内でMLB ブームが到来。中でもサテンジャケットはアメカジファッションとも親和性が高く、ちょっとしたブームとなっていた。その代表銘柄であるスターター製のサテンジャケットだ。

(左上)’80年代のスターター製サテンジャケットのニューヨークメッツ。ドジャースからメッツへ移籍した野茂英雄(’98年)やマック鈴木(’99年)、新庄剛志(’01、’03年)など多数の日本人選手が活躍。2万2000円(ドロップTEL03-3463-6086)(右上)’80年代スターター製のニューヨークヤンキース。伊良部秀輝(’97 ~ ’99年)や松井秀喜(’03 ~ ’09年)らが所属。3万800円(ドロップ TEL03-3463-6086)(左下)’80年代のスターター製ミシガン大学のサテンジャケット。1万9000円(デザートスノー ガーデン店 TEL03-5761-6390)(右下)’80年代スターター製のボルチモア・オリオールズ。1万4000円(デザートスノー ガーデン店 TEL03-5761-6390)

9.アドキャラクター

’90年代当時の古着店では、ヴィンテージのアドバタイジング系キャラクターをよく飾っていたり、販売していたりした。その時代がとても懐かしく、個性豊かなアドキャラたちになんだか不思議とアメリカの情景を思い浮かべていた。そんなノスタルジックな気分にいま浸れる、懐かしのキャラクターをチョイス!

(左上)M&M’sのキャラ「スポークスキャンディ」。2023年1月23日にM&M’sはスポークスキャンディを無期限で休止すると発表。’90年代製。7480円(ダンジル TEL042-720-8703)(右上)米国のプランターズ社が販売しているピーナッツ菓子のアドキャラ「ミスターピーナッツ」。だが、なんと2020年に104歳で死亡した(笑)。’70年代製。8580円(セカンドブーム TEL03-3462-1721)(右中)’80年代製スマーフのプラスチックバンク。4180 円( セカンドブームTEL03-3462-1721)(左下)柔軟剤のマスコット、ファーファは’90年代製。3500 円( サウンズグッド TEL03-5433-3758)(右下)’70年代製ポッピン・フレッシュと妻のポピー・フレッシュ。老舗製粉会社ピルズベリー社のアドキャラ。各2750円(グランベリー ジャム TEL03-3315-9557)

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部