敷居は低く、香りは高く。スペシャリティコーヒーをもっとカジュアルに飲めるコーヒーショップ「Iron Coffee(アイアンコーヒー)」

もはやコーヒー好きでなくても知れ渡ったスペシャリティコーヒーという言葉。そう聞くと、敷居が高くて、心して飲みに行かなくては、なんて思う人も多いかもしれない。でもそこは好きな人なら毎日飲むコーヒー。スペシャリティであろうが、自家焙煎であろうが、もっと気軽にこだわりのコーヒーを楽しんで欲しいと生まれたのがIron Coffee。その新店舗は焙煎所も兼ねたスタイルで登場した。

こだわりのコーヒーをラフで気軽に飲むのがここでも作法。

ここ最近、サードウェーブコーヒーの波も落ち着いてきた感はあるけれど、東京都内のコーヒーカルチャーはますます群雄割拠。味の方向性はもとより、バリスタや焙煎、それに豆のクオリティ、さらにはショップの雰囲気に至るまで、はっきりとした「スタイル」があるコーヒーショップが元気がいい。

もともとIron Coffeeは世田谷区、豪徳寺に2016年にオープンしたコーヒースタンド。オーナーが厳選した豆をエスプレッソやハンドドリップでていねいに淹れたコーヒーが飲める場所として生まれた。

その2店舗目として生まれた新店舗は、今まで別の場所でやっていた焙煎を店内でもできるよう、焙煎所も兼ねたスタイルとして、豪徳寺と同じ小田急沿線である千歳船橋駅の近くに、2022年秋に生まれた。

コンクリート打ちっ放しの無機質な空間にアンティークのファニチャーをコーディネイトした店内。カウンターの奥では焙煎やスコーンなどのフードを調理するスペースも設けられている。豪徳寺の店はコーヒースタンドというスタイルだが、こちらではテーブル席もある

焙煎は使っている豆の消費量を見ながら、オーナーであり、バリスタ、焙煎士でもある磯野さんが週に2~3回行い、新店舗ではスコーンやクッキーなども焼くことが可能になっている。

焙煎時にはショップからコーヒーの香りが漂い、すでにローカルたちで賑わっている。

焙煎は店の奥で。焙煎機は世界大会でも使用されるオランダのGIESEN(ギーセン)を使用し、中浅煎りから中煎りの焙煎が基本となっている。コーヒー豆そのものが持っている甘みを大事にしている。作業をするのはオーナーでもあり焙煎士でもある磯野さん

そのコンセプトは誰もが気軽にスペシャリティコーヒーを楽しめる場所。気軽に来て、気軽に飲んで、談笑するもよし、一息つくのもよし、それぞれの楽しみ方で飲んでもらえばとオーナーの磯野さんは語る。

「いろんな人との縁でこういうスタイルになったので、コーヒーを通じて自分も人にいろいろなきっかけを提供できる場所になればいいなと思っています。

だから気軽でデイリーに楽しめるスペシャリティコーヒーというスタイルは大事にしていきたいですね」と語る。

扱う豆はシングルオリジン(単一農園・単一品種)のスペシャリティコーヒー。季節によっても変わるが、だいたい4〜5種類を常時販売している。それぞれ香りを確かめられるだけでなく、細かい説明があるのも優しい。豆は200gで1600円から。200g以上購入すれば、500円分のドリンクをその場でオーダー可能
店内にはヴィンテージのファイヤーキングなどをディスプレイ。オーナーの磯野さんは旧車ハーレーに乗っていて。アメリカンカルチャーにも強い。店のサインペイントはアーティストのSketchさんが描いている
ハンドドリップのコーヒーは500円から。写真のラテはミルクが一番甘く感じるという55〜65℃で提供し、時間をかけずに飲んでもらえると一番美味しく感じるという。一杯一杯にさり気ないこだわりがある。600円
お店のキャラクターであるピストン君もSketchさんのデザインによるもの。店内でも使っているオリジナルのマグカップは販売もしている。2100円

もちろん、使用する豆も明確な産地がわかるシングルオリジン。焙煎は中浅煎りから中煎りをメインに、コーヒー豆そのものが出す甘さを感じるだけでなく、毎日飲んでも飽きることがない味や香りにこだわっている。

今後は独自のブレンドもやっていきたいと計画中だとのこと。

一杯のスペシャリティコーヒーから生まれる様々なストーリーの媒介として、Iron Coffeeはこれからもローカルたちに愛されるコーヒーショップとして存在していく。

【DATA】
IRON COFFEE ROASTERY
東京都世田谷区船橋1-38-10
営業/8時~18時(平日)、9時~18時(週末)
休み/木曜、第1、3、5水曜日
https://iron-coffee.com

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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