エイジングを手作業で再現したヘルメットで人気の「TT&CO.」代表のバイクもすごかった。

ヘルメットをメインにバイカーアイテムを展開する「TT&カンパニー」代表の高橋広之さん。手作業でヘルメットのエイジング加工を行い、旧いモノにマッチする味わいを追求した作品にも定評のある高橋さんが、普段乗っているバイクは一体どんなものなのか。愛用の2台を見せてもらった。

「TT&CO.」代表・高橋広之さん

2000年にカスタムショップ「TT&CO.」をスタート。ヴィンテージヘルメットに魅了されたことをキッカケに、自らもヘルメットを手がけるようになった。旧車好きで、ヴィンテージレースにも参戦している。

1937 HARLEY-DAVIDSON U|外装パーツをエイジング加工で味わいをプラス。

排気量1200ccのサイドバルブエンジンをリジッドフレームとスプリンガーフォークのシャーシに搭載したハーレーの1937年式Uをベースに、「TT&CO.」の代表、高橋さんが、ヴィンテージモトクロスレースに参戦するために製作したダートレーサー。

基本構成やシート、マフラーなどは当時モノ。新しく後付けしたフェンダーやオイルタンクなどにはエイジング加工を施して、違和感なくヴィンテージスタイルに溶け込ませている。フェンダー、オイルタンクのサビ塗装が絶妙で、昔からレースで走り込まれたような迫力を醸し出している。

排気量1200㏄(74cuin)のサイドバルブエンジンを搭載。大きめのシリンダーフィンが特徴。エンジンの間にあるのはマグネトー。

左側2本出しのメガホンマフラーは当時モノのヴィンテージ。ブラック塗装の上に浮き出たリアルなサビが、雰囲気を盛り上げている。

タンクはオリジナルで’30年代に採用されていたエンブレムのデカールが特徴。ハンドシフト、フットクラッチが採用されている。

フランダースタイプのハンドルバーを装着し、ヴィンテージレース仕様に。保安部品は外してあり、シンプルなコックピット周りに。

1961 MITSUBISHI SILVER PIGEON C-111|遊びゴコロを表現したメタルワークに注目!

シルバーピジョンは三菱重工業がかつて製造販売していたスクーターシリーズで、鉄スクーターファンに人気のあるブランド。その中でもポップなボディデザインのピーターは、特に人気が高いモデルだ。その1961年式ピーターC111をベースに、高橋さんが「アパッチファブリケーション」に製作を依頼した一台。

エンジンやシャシーにも手を加えられたマニアックなカスタムだが、質感まで再現されたサビ塗装によるエイジングも魅力。ほどよく色褪せたステッカーやサイドのアルミカバーで、愛らしさにワイルドさを併せ持つスタイルとなっている。

サビ塗装を施したコックピットまわり。グリップ周辺のメッキの浮きはリアルなので、サビ塗装とマッチして自然な仕上がりになっている。

シート下付近の液ダレがサビになったようなペイントが絶妙な雰囲気に。

足周りはスズキのヴェクスター150のフロント周りを移植している。

(出典/「Lightning2023年2月号 Vol.346」)

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