ホットな走りのリアル・パティーナ。昭和の国産セダン。

国産車ではめったに見かけることはない、風格のあるパティーナ・カー。例えあっても、それは「パティーナ」の意味とは異なる単なるボロクルマなのがほとんど。しかしあるところにはある。それが長い時間をかけて美しく錆びた、この初代ローレルだ。

日常で使える、オリジナルボディの初代ローレル。

小柄なサイズから510ブルーバードと間違える人もいるかも知れない。五感を刺激するエンジン&排気サウンド、そして足周りに手を入れられたこの個体は見た目からは異なるファン・トゥ・ドライブを実現

旧いアメリカンピックアップや空冷フォルクスワーゲンではお馴染みの『パティーナ』。語源はラテン語で「経年変化の味や風格」を意味する。

パティーナ・カーの多くはアメリカは西海岸といったカラッとした気候のもとで、自然に退色したりカサカサ&サビサビになったクルマがほとんど。湿気や雨の多い日本では、どうしても錆の進行具合が深く、鉄の内部まで錆が進んでしまい、穴が空くどころが、ひどいものになると朽ち果てて土に還ってしまうことも。

ここで紹介する旧車の名門、埼玉県の水上自動車工業がストックする初代ローレルは、そんな日本の環境下において、鉄の表面だけが綺麗に錆びた状態を維持し、現在までサバイブしてきた一台だ。

街乗りだけじゃなく、峠も絶対に楽しめる一台だ

このクルマの面白いところはパティーナでも走りはホットという点。とはいえこれ見よがしなチューニングは行わず、あくまでストックの状態を活かすやり方。絶好調なシングルキャブのレスポンスと車高調の入ったセッティング済みの足周りのおかげで、法定速度でも、思わず笑ってしまうほどドライブが楽しいのだ。

現在、この個体は水上自動車工業で発売中だが、プロジェクトカーとしても進行中。内容はまだ未定だが、さらに楽しいクルマに進化することは間違いないだろう。

1968 NISSAN LAUREL(C30)のディテールを拝見!

旧車ファン垂涎の当時物のマッハステアリグを装着。この個体にはその他にも貴重な当時物パーツがさりげなく奢られている。メーター類はストック状態となり、もちろん完動。

ヘッドレストは年代的に不要なので、これで車検もOK。ポジションも絶妙で、シートの座り心地も抜群。このシートが本個体のドライブの楽しさに一役買っている。

なんと吊り下げ式クーラーを装備! キンキンに冷えるので夏場も快適だが、猛暑日はクルマが可愛そうなので控えたいところ。

エンジンは直列4気筒SOHC1815㏄のG18型。キャブレターもノーマルのまま。こちらもあえて見た目は仕上げてはいないが、各部にしっかりと手を入れてあり、非常にヘルシーなサウンドを聞かせてくれる。走行中の不安感が無いのは、さすが旧車専門店である。

人為的に錆びさせたのではなく、長い時間をかけてゆっくりとエイジングが進んだボディ。

ここまで錆びた場合、普通なら腐って穴が開いてしまうが、このボディは表面の部分だけが錆びており、全体はシャキッとした状態を維持している。保管状態が良かったのか、まさに奇跡のコンディションである。

足周りはハコスカの車高調を入れ、ゴッティホイールを履くが、これも雰囲気に合う。

【DATA】
水上自動車工業
埼玉県北足立郡伊奈町小針新宿717-1
048-729-1330
営業/9:00~20:00
休み/祝日・GW・お盆・年末年始
http://www.mizukami-auto.com/index.htm

(出典/「Lightning2023年2月号 Vol.346」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時とエイジングを刻む。VAGUE WATCH&Co. × CONSIGLIERE THE 1ST SPECIAL WATCH

  • 2026.07.02

時計は時間を刻むもの。本来の目的はそれで十分だが、「エイジングするものに囲まれて暮らしたい」という自称革ジャンの伝道師・モヒカン小川はベルトにもこだわる。そんな彼が愛用するヴァーグウォッチとシルバージュエリーブランド「コンシリエーレ」のコラボウォッチには毎日身につけた分のエイジングが刻まれている。 ...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

王道のデニムセットアップはボトムスで差をつけろ!

  • 2026.06.30

昨今のアメカジブームのなかで、注目度が高まっている“デニムオンデニム”のセットアップスタイル。王道ももちろん良いが、一歩先を行きたいアメカジラバーはボトムスで差を付けてみるのはいかがだろうか。気鋭のブランド「アンバースレッズ」が展開するデニムセットアップはそんな望みを叶えてくれるに違いない。 Amb...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

Pick Up おすすめ記事

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...